1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 面白ネタ

『北斗の拳』ケンシロウが最後に倒した敵って誰だった? …ヤツの名前を言ってみろ!

マグミクス / 2023年10月30日 18時10分

『北斗の拳』ケンシロウが最後に倒した敵って誰だった? …ヤツの名前を言ってみろ!

■最終回のテーマは「愛」

 全245話にわたる『北斗の拳』において、ケンシロウが最後に戦った敵は、ラオウでもなければ、カイオウでもありません。意外と印象が薄い『北斗の拳』のラスボス、そして最終回について見ていきましょう。

●修羅の国以降の展開は諸国巡り

 カイオウとの死闘を終えた第211話以降の『北斗の拳』には、強大なライバルが登場しません。北斗や南斗の因縁は解消され、しばらくラオウの息子リュウと旅を共にし、そのリュウとも別れたケンシロウは、黒王号と共にユリアの墓へと向かいました。

 一方、カイオウのもとから助け出されたリンはというと、バットとの結婚式を前にしていました。しかしバットはリンの愛に疑問を感じています。リンはカイオウに破孔「死環白」を突かれ、目を覚ましてのち初めて見たものを愛する呪縛をかけられていたからです。

 リンにかけられた「死環白」を解くことができないバットは、リンにはケンシロウがふさわしいと考えて、リンの秘孔を突いて記憶を消してしまいました。バットは記憶喪失となったリンをともない、ケンシロウとの思い出を蘇らせるため各地を巡ります。

●記憶喪失になるケンシロウ

 ユリアの墓前にやってきたケンシロウは、そこで再会したマミヤから、上述のバットとリンのいきさつを聞かされます。マミヤはバットの思いを汲んで、リンと結ばれて欲しいとケンシロウに願いますが、ケンシロウは受け入れません。実はユリアも、自分の死後はリンと結ばれるようケンシロウに言い残していました。マミヤもユリアも、リンがケンシロウに向けている恋愛感情に気づいていたのです。

「あなたって人はどうして女の心がわからないの!!」とマミヤは涙を流してなじりますが、ケンシロウの心にはこれまでに戦い散っていった強敵(とも)たちの思い出がいっぱいで、リンの愛を受け入れる余地はないようです。

 しかし奇跡が起きました。突如として胸の傷が光を放ち、落雷が直撃しケンシロウは記憶を失ってしまうのです。ラストエピソードを前にして、リンとケンシロウはともに記憶喪失になってしまいました。ここからエンディングに向けて怒涛の展開です。

■ラストエピソードは1話のリバイバル

記憶を失ったケンシロウと再会し驚愕するバット 画像は『北斗の拳』第238話「奇跡の光!の巻」より

 記憶を失い黒王号とも別れたケンシロウは、またもや「み、水を…」と脱水症状でバットとリンの前に現れます。これはまったく1話と同じ展開です。ケンシロウの記憶がないことを知ったバットは、ふたりが白紙からやり直すチャンスだと考えました。

 しかしそこにボルゲが現れます。ボルゲこそケンシロウが最後に倒した「名前のある悪役」ですが、実は単なるならず者にすぎません。サウザーやラオウ、カイオウと比べるとあまりにも格下であり、モブキャラに毛が生えた程度の存在感です。

 ボルゲは、かつてケンシロウに視力を奪われており、その復讐をしようと徒党を組んで暴虐行為を繰り返します。一方で、記憶を失ったケンシロウは北斗神拳を使えません。そこでバットはケンシロウに代わってボルゲと戦いますが、敗北し拷問を受けます。

 苦痛の声を上げたら自分がケンシロウでないことがバレると考えたバットは、ドリルでえぐられても超人的な精神力で耐え、ケンシロウとリンの幸せを願います。ケンシロウの強さと優しさに憧れ、いつも心の中でアニキと叫んでいた、というバットのモノローグはあまりにも尊い感情です。

 しかしそこに記憶を失ったふたりが現れました。戦えない身でバットをかばうケンシロウですが、バットの叫びによって記憶を取り戻し、ボルゲに北斗神拳を炸裂させます。第1話ではリンの叫びで拳を振るったケンシロウが、最終エピソードではバットの叫びで復活するのです。そしてリンもまた記憶を取り戻し、常に側にいてくれたバットの愛情に気づきました。

●リンの愛、バットの愛、ケンシロウの愛

『北斗の拳』という超大作の最後の敵であるにもかかわらず、ボルゲの印象が薄かったのは、3人がお互いに向け合う愛のエピソードを描くための舞台装置として配置されていたからでしょう。年上の男性に向ける少女の愛、頼れるアニキに向ける敬愛と自己犠牲の愛、自分を慕う若者を守る年長者の愛、愛こそが不毛の荒野で人間らしく生きるために必要なものです。

 ラストエピソードは第1話との完璧な対比になっており、初掲載から数十年を経た今でも全く古びていません。作品から伝わってくる圧倒的な感情の強さこそ『北斗の拳』を不朽の名作にしているのでしょう。

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983

(レトロ@長谷部 耕平)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください