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「ゲルググ」の定番色は、赤?緑? 意見が分かれる背景に「制作上の都合」も

マグミクス / 2023年10月31日 6時10分

「ゲルググ」の定番色は、赤?緑? 意見が分かれる背景に「制作上の都合」も

■シャア以外の専用機も「赤」が多い?

『機動戦士ガンダム』に登場したジオン公国軍のMS(モビルスーツ)「ゲルググ」は、宇宙世紀シリーズにも登場している人気の機体です。しかし、筆者が昔から気になっていることがありました。

 ゲルググの初登場は第37話「テキサスの攻防」で、シャア専用機だった赤い「YMS-14/MS-14S ゲルググ」が、画面に登場した最初の機体でした。その設定はいろいろと変わっていきましたが、現在ではこのシャア専用機は「先行量産型」という設定になります。

 一般兵士用にあたる量産型「MS-14A ゲルググ」は、遅れて第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」で初登場します。名のあるパイロットが登場しなかったこともあって、劇中では目立った活躍のないまま役目を終えています。この量産型はジオンの兵器では伝統的な緑のカラーリングでした。

 設定上は「RX-78 ガンダム」と互角以上の性能を持つMSで、ゲルググの量産がもっと早ければ「一年戦争」の結末は変わっていた、とまで言われる傑作機です。それゆえに後の宇宙世紀の歴史上にもたびたび登場しました。

『機動戦士Zガンダム』第26話では残骸としてエゥーゴに発見され、後にジュピトリス潜入やメガ・バズーカ・ランチャーの追加ジェネレーターとして利用されています。『機動戦士ガンダムZZ』第26話でも一年戦争でアフリカ戦線にいたジオン兵のタグが遺した機体としてゲルググが登場しました。

 ところが、このタグのゲルググの色は一般的な量産型カラーの緑でなく赤だったのです。その後、「青の部隊」の機体として青いカラーリングのゲルググが登場します。このことから当時、タグはカラーリングを変えるほどのパイロットだと納得しました。

 しかし、この後に登場した「MS-14J リゲルグ」のカラーリングもまた赤だったのです。もちろん、搭乗していたイリア・パゾムもまたエース級パイロットですから、専用カラーの機体に乗っていても不思議ではありません。

 ここで宇宙世紀の時間軸でなく、現実の時間軸で振り返ると、続いて登場することになるゲルググが『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の「MS-14JG ゲルググJ(イェーガー)」です。その機体色は赤でした。

 宇宙世紀内でなく現実目線で考えると、ここまで続いた赤いゲルググの登場は何らかの意図があると考えてしまいます。本来ならば緑色の量産機の方が多いはずのゲルググに、どうして赤い機体が目立つようになるのか? ……その謎を考察してみましょう。

■「単機」で描かれることが多かった影響?

登場機会が比較的少なかった量産型ゲルググは、ジオン伝統の緑色で塗装されていた。画像は「HGUC 1/144 MS-14A/C 量産型ゲルググ/ゲルググキャノン (機動戦士ガンダム/MSV)」(BANDAI SPIRITS)

 ちょうどゲルググの登場以後に知人と意見交換したことがあります。どうして赤いゲルググが世の中に多いのか?

 それは「赤いゲルググが印象的だったから」という結論に至りました。つまりゲルググと言って思いつく姿はほとんどシャア専用機の「赤」で、緑の機体には名のあるパイロットが乗っていないということです。

 これに加えて、作中では量産型よりも赤いシャア専用機が先に登場しました。つまりゲルググといって思い浮かべる姿は、ほとんどの人がシャア専用機ではないでしょうか?

 さらに、緑色の量産型ゲルググがあまり表に出さなかった影響から、「量産機は緑色」という認識が視聴者に浸透しなかった可能性も考えられます。たとえば『MSV(モビルスーツバリエーション)』では、ゲルググのバリエーションとして登場した「MS-14C ゲルググキャノン」のカラーリングは紫を基調としています。この他に濃淡グリーンのスプリッター迷彩のトーマス・クルツ専用機が商品としてライナップされました。

 ここでポイントなのが、同時期に商品として販売された「MS-14B 高機動型ゲルググ」のカラーリングは赤。ジョニー・ライデン専用機だったことです。つまりゲルググは赤いというイメージは、ここでさらに上書きされたことでしょう。

 アニメ製作スタッフがなにゆえ赤を選択したのかは推測の範囲を出ませんが、こういったゲルググは「赤」のイメージが抜けなかったことが原因かもしれません。さらに言えば、作中では単機で登場するのでカラーリングもあえて量産型を基調としなくてもいいからなのでしょう。

 それゆえか、現実の時間軸では次に登場する「MS-14F ゲルググM(マリーネ)」は、何機も登場することもあってか、緑色の量産機カラーを受け継いでいました。ちなみに、このゲルググMのシーマ・ガラハウ専用機のカラーリングについて、「シーマ機の色はゲルググの盾から着想を得た」という考察をする人もいます。確かにゲルググの盾のカラーと似ています。

 このように、以前はゲルググの赤と緑について答えのない疑問がありましたが、現在ではゲルググの「量産型は緑」という認識は広がり、赤いゲルググはたまたまパーソナルカラーが赤だった人が多かった……ということで落ち着きました。

 もっとも令和になってから、宇宙世紀以外にゲルググが登場します。しかもそのカラーリングは「赤」でした。『機動戦士ガンダムSEED』の世界であるコズミック・イラに異世界転生したゲルググが、来年公開される劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場予定の「ゲルググメナース」です。

 このゲルググメナースが赤いのは、そのパイロットと噂されているルナマリア・ホークのパーソナルカラーだからと一部のファンは予想していました。そうなると、一般用の緑色のカラーリングの量産型ゲルググメナースは登場するのでしょうか?

 みなさんのゲルググのイメージカラーは赤と緑どちらでしょうか?

(加々美利治)

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