「ラフテル」への切符？ 『ワンピ』ロジャーも求めた「海賊島の宝」の正体に考察白熱！

■ゴッドバレーに持ち込まれた「宝」の正体

『ONE PIECE（ワンピース）』のなかでも、「ゴッドバレー事件」はひときわ謎に満ちた出来事として知られています。しかし「週刊少年ジャンプ」2023年48号掲載の第1096話では、この事件の核心に迫る展開が描かれていました。

※この記事には『ONE PIECE』1096話のネタバレが含まれています。

　ゴッドバレーに持ち込まれたという宝を、ロックス海賊団やゴール・D・ロジャーが狙っていたようで、ネット上ではこの「宝の正体」をめぐる考察が白熱しています。

　そもそも「ゴッドバレー事件」とは、38年前に「ゴッドバレー」という島で起きたとされる出来事です。当時、世界最強とうたわれていたロックス海賊団には、若き日の白ひげ（エドワード・ニューゲート）やカイドウ、ビッグ・マム（シャーロット・リンリン）など、そうそうたるメンバーが名を連ねていましたが、モンキー・D・ガープとゴール・D・ロジャーによって壊滅させられたといわれています。

　そして問題の第1096話では、ロックス海賊団が「ある宝」を奪うために、「ゴッドバレー」に上陸していたことが明らかになりました。もともと海賊島「ハチノス」にあった「宝」が、「ゴッドバレー」に持ち込まれたために、ロックスをはじめとする大物の海賊が押し寄せたという経緯だったようです。

　では、そんな海賊界の強者たちがわざわざ奪いにやってくるほどの「宝」とはいったい何なのでしょうか。

　ひとつ目の可能性として考えられるのは、「悪魔の実」です。ゴッドバレーでは当時、天竜人による3年に1度の腕試し「先住民一掃大会」、いわゆる「人間狩り」が行われていました。その賞品として島の真ん中に保管されていたのが、「ウオウオの実　幻獣種　モデル：青龍」と「ニキュニキュの実」です。

　現にロックス海賊団の一員だったビッグ・マムは、ふたつの「悪魔の実」を奪おうとしていたうえ、「おれがいただく!!」と意気込んだ際にはカイドウから「お前は無意味だろ!!」とツッコまれていました。これは恐らくビッグ・マムがすでに「悪魔の実」の能力者であるため、手に入れても「無意味」ということを言いたかったのではないでしょうか。

　しかしビッグ・マムは「ウオウオの実」こそ手に入れましたが、「ニキュニキュの実」はその場に居合わせた幼きバーソロミュー・くまによって食べられています。もしロックス海賊団の狙いが「悪魔の実」であったのであれば、もう少し悔しそうな態度をとってもいい気がしますが、ビッグ・マムはただ「チッ」と舌打ちしただけです。果たして「海賊島の宝」を目の前で奪われて舌打ちひとつで済むものなのか、いささか疑問が残ります。

　そこで考えられるのは、「悪魔の実」は本命の目的ではなかったという可能性でしょう。ほかに狙っている「宝」があったため、「ニキュニキュの実」への未練がそこまでなかったのかもしれません。

●「海賊島の宝」は「ラフテル」につながる重大な何か？

　ロックス海賊団がゴッドバレーに上陸した際、白ひげは「ロックスのバカはきっと目的を見失う!!　まずは確認を急ぐぞ!!!」と先導していました。これも「悪魔の実」とはまた別に、何か目的があるかのように聞こえなくもありません。

　極めつけは、ゴッドバレーに上陸したロジャーの「1年だぞ!!　おれが一体どんな気持ちで過ごしたか!!」というセリフでしょう。彼の言う1年前、つまり本編の時間軸から39年前といえば、ロジャーたち一行が「記録指針（ログポース）」の最終地点「水先星（ロードスター）島」にたどり着いた頃です。上陸して分かったのは「ロードスター島」が最後の島ではないということであり、その先にある前人未踏の島にたどり着いてこそ世界一周が完了すると、かつてロジャーは語っていました。そしてのちに世界一周を成し遂げたロジャーは、最後の島に「ラフテル」と名付けたのです。

　もしゴッドバレーに持ち込まれた「海賊島の宝」が「ラフテル」へ行くための「何か」だったとすれば、ロジャーが切実そうな態度を見せていたのも辻褄（つじつま）が合います。そしてロックス海賊団をはじめとした海賊たちがわざわざ「ゴッドバレー」に奇襲をかけたことも、これなら合点がいくのではないでしょうか。

　結局1096話でことの真相が語られることはありませんでしたが、物語がクライマックスに向かっている今、すべての真実が判明する日はそう遠くないはずです。果たして「海賊島の宝」とはいったい何なのか、答えが明らかになる日を楽しみに待ちましょう。

（ハララ書房）