90本以上ある2023年秋アニメは力作多数！その中で意外な面白さ見せる3作品

■秋アニメ、どれを観る？

　11月に入り、ようやく秋の新作がほぼ出そろいました。今年の秋アニメは80本以上と単純に本数が多いだけでなく、『葬送のフリーレン』や『薬屋のひとりごと』などの力作が次々に放送され、さらにNetflixでも『PLUTO』を始めとするさまざまなオリジナル作品が放送中です。毎年、多数の作品が公開される秋クールは、今年も例年にないほどの盛り上がりを見せています。

　しかしあまりの作品の多さに見逃している名作もあるかもしれません。そこで今回は意外な面白さを見せている秋アニメを3作品みてみましょう。

●『ビックリメン』

「ビックリマン」は1977年に誕生したロッテの商品です。このチョコレート菓子に付くおまけのシールで展開された、キャラクターやストーリーはこれまで何度かアニメ化されており、『ビックリメン』はその最新作となります。ただし「これが、令和のビックリマン」というキャッチコピーの通り『ビックリメン』はさまざまな点で現代向けになっています。

　まず舞台はビックリマンシールに重大な価値があるという現代に近い世界で、主人公であるヤマト（CV：梶田大嗣）は宅配のアルバイトをしている高校生です。そのヤマトを始め、牛若（CV：森嶋秀太）やジャック（CV：橘龍丸）、フェニックス（CV：斉藤壮馬）など元キャラクターのテイストを残しつつほぼ全員が個性的なイケメンになっていて、まさに「ビックリ」。

　原作を知らない人は彼らが繰り広げる争いを、原作好きはさらにどうキャラクターやストーリーをリメイクしているかも楽しめる1作でしょう。

●『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』

『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』ビジュアル　(C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会

　続いて、週刊ヤングジャンプで連載中の同名マンガをアニメ化した『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』です。本作はモテない男子高校生の愛城恋太郎（CV：加藤渉）が、神様から「高校で100人の運命の人と出会う」「愛し合って幸せになれなければ運命の人は死んでしまう」と告げられたことから始まるラブコメが展開されます（第4話時点で「3股」達成済み）。

　原作通りといえばそうなのですが、キャラクターに色や声、声がついて華やかになり、毎週スピーディに、そしてギャグ濃度高めに話を展開されることで本作の異常な部分が際立ち、衝撃を覚えた人もいるでしょう。

　キービジュアルなどを見る限り、現在放送中のシリーズで登場するヒロインの数は推測できそうですが、それでもハーレムギャグの極北とも言える本作がアニメではどう締めくくられるのか、気になるところです。

●『アイドルマスター ミリオンライブ！』

『アイドルマスター ミリオンライブ！』ビジュアル　(C)Bandai Namco Entertainment Inc.

　最後は、ゲームを皮切りに、15年以上にわたって幅広い展開をしている『アイドルマスター』シリーズの最新アニメ『アイドルマスター ミリオンライブ！』です。本作は自分の夢が分からないまま毎日を過ごす中学2年生の春日未来（CV：山崎はるか）らがアイドルを目指します。

　これまでの『アイドルマスター』シリーズのTVアニメは深夜に放送されていましたが、『アイドルマスター ミリオンライブ！』は日曜の朝に放送され、しかもキャラクターが3D作画です。このキャラクターがとにかくかわいらしいうえに違和感がなく、大勢登場するアイドルの個性を伝えてくれる脚本もあいまって全員が魅力的に感じられます。

　人気コンテンツが従来の作風を貫くのではなく、こうしたチャレンジをしていると考えると意外とすごい作品ではないでしょうか。

　上記3作品以外にも、クールなビジュアルに反して秀逸なシュールギャグだった『ミギとダリ』やNFT発という意外な出自の『忍ばない！クリプトニンジャ咲耶』、今クールも数が多いうえにそれぞれに個性を発揮する異世界転生／なろう系アニメなど、秋アニメはとにかく層が厚く、思わずうれしい悲鳴が漏れそうになります。ここまで充実したクールはなかなかないだけに、できるだけ多くのアニメを見届けましょう。

（はるのおと）