【漫画】机に向かえばやる気はあとからついてくる？ 「現実的」な4コマに「あるある」と共感【作者インタビュー】

■4コマを描けたから結果オーライ？

　アニメ化もされた『困ったじいさん』（KADOKAWA）などの作品で広く知られる漫画家・大江しんいちろうさん（@s_ooe）が、「やる気が出ないとき」を題材として描いた4コマ作品をTwitter（現：X）で公開しました。よく言われる「まずは机に向かうことが大切」という言葉を思い出し、机に向かってみましたが……。

　本作は、気軽に日常の出来事を発信できるSNSならではの、さりげない4コママンガとして描かれています。文字が少ない構成で、そこに表現された「空気感」で思わず笑ってしまう作品です。読者が共感の声をあげたり、自身の体験談を語ったりと、コメント欄も盛り上がりました。

　寄せられたコメントには「これあるー」「分かる」「YouTube見て終わってしまう」といった同意の声がある一方で、「次にスマホは手放しましょう」「これは笑い話でなくてこれで正解です。まずは席に着くだけでもいいんです」などのアドバイスも見られます。投稿には3万を超えるいいねがつき、リポストも1万件を超える話題作となりました。

　作者の大江しんいちろうさんに、お話を聞きました。

ーー今回の4コマは、どのようなきっかけで描かれたのでしょうか？

　原稿やらなきゃいけないのに、なかなかやる気が出ない時があります。「そんな時でも机に向かったほうがいい、やる気は後から出てくる」という言葉が何かで言われてたなあというのを思い出し、とりあえず机に向かってみたのですが、結局机に向かっただけでダラダラしてしまって……。これじゃあいかんと、まずは仕事じゃなくても何か手を動かそうと思い、「じゃあ今のことを描いてみよう」と考えて描きました。

ーーやる気が出る方法は人それぞれなのかもしれませんね。大江しんいちろうさんにとって「これでやる気が出る」という方法は何かありますか？

　なので、なかなかないですね。とはいえ結局このマンガをとりあえず描いたことで手を動かし出したので、やっぱり簡単なものでもとりあえずやってみる、ということでしょうか。

ーー文字のない3コマ目、4コマ目の空気感が絶妙です。制作の際に、この4コマの構成はすぐに思い浮かんだのでしょうか？

　そうですか（笑）！？　そうですねー。結局机に向かったまま何も変わってないじゃんというところから始まっているので。

『ミツルクエスト！』（集英社）

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　描いた時はただのリハビリというか「取りあえず手を動かしてみた」というくらいのものだったので、載せなくてもいいかなーとも思ったくらいだったのですが、こんなに反応があったこと自体が驚きました。「あるある」「自分も今これ」という声が多くて「皆そうなんだ！」とちょっと安心しました。

ーー大江しんいちろうさんは、集英社の「最強ジャンプ」で『ミツルクエスト！』も連載中です。よろしければ、そちらの作品の概要や見どころなどのご紹介もお願いいたします。

　ゲームの世界に入ってしまい、帰るためにクリアを目指す少年と、ゲームの世界が好きで現実に帰りたくないおじさんとの物語です。子供向けの雑誌ではありながらおじさんが主役なので、子供にもおじさんにも楽しんでもらいたいです。

ーー最近ではTwitterでの描き下ろし作品の発表はあまりなかったようですが、今回の4コマのような「仕事で描く作品とはまた違うマンガ」は今後もSNSで発表していくご予定ですか？

　最近は連載などの仕事であまり余裕がないのですが……。今回のマンガのようにその原稿があまり進まない時などに、気分転換に描いたりはまたすると思います。

（マグミクス編集部）