【漫画】世渡り上手な同僚に嫉妬した会社員の行動とは 「許されないけど気持ちは分かる」【作者インタビュー】

■会社員の「あるある」を動物キャラで描く

　部長に怒られた会社員のミーアキャットは、隣の席の同僚になぐさめられました。「ありがとう」と言ったものの、内心は「親切ぶってるけど、『部長と親しい俺』を見せつけるのが快感なんだろう？」と黒い感情がうずまいていて……。

　Twitter（現：X）で「同僚に嫉妬して盗みをしてしまうお話」として公開された、都会さん（ @okameid ）の創作マンガが反響を集めています。本作は「Souffle」で連載中の『憂鬱どうぶつ（株）』の第4話で、動物たちが働く会社を舞台に、会社員の日常的な「嫌なことあるある」が描かれています。各エピソードは都会さんの会社員時代の実体験がもとになっているそうです。

　同僚への嫉妬心からある行動をする主人公に、読者から「共感できる」「切ない」「最高に情けなくて好き」「世渡り上手な人いるよね」「嫌いなところが羨ましいところに認められたところは大きな変化」「君に幸あれ」などの声があがり、投稿には1.5万いいねが集まりました。

　作者の都会さんに、お話を聞きました。

ーー『憂鬱どうぶつ（株）』のお話はどのように生まれたのでしょうか？　ご自身の経験もふまえていらっしゃるのでしょうか。

　はい、毎回自身の会社員時代のことを思い出したり、人の話を聞いたりしてストーリーを膨らませています。

ーーかわいい動物たちが繰り広げるやりとりは、人間の姿で描かれるよりもリアルさが軽減されて読みやすいと感じました。動物で描こうと思った理由と、動物を描くうえで工夫なさっていることなどを教えて下さい。

　人間で描くとどうしても暗くて嫌な感じが出てしまうので（私の場合は……です）、動物で描くことにしました。できるだけシンプルで印象に残るキャラになるよう心がけています。

同僚への嫉妬心にかられて…　(C)都会（秋田書店）2023

ーー第4話『ペン』は、仕事上の人付き合いをうまくできる同僚への嫉妬心に共感できました。このお話を描くうえで特に力を入れた点、心がけた点などはありますか？

　例えば、盗んだ側のミーアキャットの家の本棚の本のタイトルがほぼ全部自己啓発本だったり、ちゃんと次の日はしれっとペンを返しておいたり……など、悪さする側にもいろいろ葛藤があるんだなぁと考えられるきっかけをところどころに入れました。

ーー第4話『ペン』にはたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「やったことは許されないけど、気持ちは分かる。幸せになってくれ～」というコメントが、私もそんな気持ちで描いていたのでうれしかったです。

ーー今後の活動のご予定について教えて下さい。

　まずは『憂鬱どうぶつ（株）』の単行本1巻を出せるように頑張ります！　ゆくゆくはグッズも出していきたいです！

（マグミクス編集部）