スーパーファミコンの底にあった「謎の端子」 時代を先取りした「夢の機器」が遊べた?
マグミクス / 2023年11月23日 6時10分
■当時では高度過ぎた? 衛星データ放送を実現
1990年に任天堂から発売されたゲーム機「スーパーファミコン」は、「スーファミ」の愛称で親しまれ、『スーパーマリオワールド』や『スーパーマリオカート』をはじめ、さまざまな名作が産声をあげました。
「スーファミ」の性能は、1983年発売の「ファミリーコンピュータ」から大きな進化を遂げ、グラフィックやサウンドなどでさまざまな新機能が搭載されました。たくさんの人がスーファミでゲームを楽しんだと思いますが、この本体の底面に「謎の端子」があることに気がついた方は、それほど多くないのではないでしょうか。
実はこの端子、スーファミの専用周辺機器である「サテラビュー(Satellaview)」という機体を接続するためのものです。当時は時代を先取りし過ぎていた周辺機器「サテラビュー」について振り返ります。
1995年に任天堂から発売された「サテラビュー」は、BSアナログ放送で実施されたスーパーファミコン向け衛星データ放送サービスを受信するためのデータ放送受信端末(モデム)です。
使用する際はまず、サテラビューの本体をスーパーファミコンの裏側にある端子に接続します。その後、専用のAVアダプタでコンセントやテレビ、BSチューナーと連携させます。最後にスーパーファミコン本体にサテラビュー専用のカセット『BS-X それは名前を盗まれた街の物語』をセットすれば準備完了です。
データ放送では、ゲーム情報の報道などが視聴できました。現代でいうところの「YouTube」や「ニコニコ動画」のような、任天堂による動画配信サービスといえば分かりやすいかもしれません。
さらには『BSドラゴンクエストI』や『ゼルダの伝説』などのゲームを複数のプレイヤーとリアルタイムでプレイできるという、オンラインゲームのようなプレイスタイルを実現していたのだから驚きです。
■時代が違っていたら主流になっていたかも?
サテラビューを接続する端子は、スーパーファミコンの説明書には「28PIN接続コネクタ」と記載されていたが、この端子を何に使うのかについては書かれていなかった(マグミクス編集部撮影)
サテラビューの最も大きな特徴は、BS放送を通してゲームをダウンロードできたことです。専用カセットである『BS-X それは名前を盗まれた街の物語』は、「親亀子亀方式」と呼ばれる、カセットにカセットを挿すタイプになっており、子亀としてメモリーパックを挿入することで、サテラビューからダウンロードしたゲームを遊べる仕組みになっていました。
配信されたゲームのラインナップには『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』『スーパーボンバーマン』などのビッグタイトルも多数存在しています。また、オリジナルゲームとしては、日本では未発売だった『ワリオの森』や、ミニゲームを多数収録した『カービィのおもちゃ箱』など、有名なタイトルも配信されていました。
既存のゲーム以外にも、スーパーファミコンの画面をみながら音声放送を楽しめる「ネット連動型のラジオ番組」も充実していました。
代表的な作品には、お笑いコンビ「爆笑問題」のふたりがパーソナリティを務めるトーク番組「爆笑問題のシリコン町内会」や、女優の裕木奈江さんがさまざまなメーカーの社長を招いてトークを楽しむ「裕木奈江のGE-MUの壺」といった番組が放送されていました。
番組の放送時間外には「ファミ通」や「グッズプレス」など、実際に発売されている雑誌の内容を閲覧することも可能でした。インターネットが浸透していない時代のコンテンツとしては、驚くべき充実度といえるでしょう。
現在のゲームハード、例えば「Nintendo Switch」や「PlayStation 5」などでは当たり前のように利用できるゲームのダウンロードサービスが、すでにスーパーファミコンの時代から実現していたのです。サービス自体は5年ほどで終了してしまったため、ビジネスとしては芳しくなかったようですが、現在の任天堂の「Switch Online」の先祖ともいっても過言ではありません。
BS放送を通したオンラインゲームの実現やゲームの配信サービス展開など、先進的なゲーム体験を提供した「サテラビュー」は、当時の子供たちにとっては「夢の機器」になるはずでしたが、当時は家庭用のBS放送受信機器自体がそれほど普及していなかったこともあって、あまり認知が広がらないまま衰退してしまいました。
もし、当時から多くの家庭にBS放送が普及するといった条件が整っていたとしたら、歴代家庭ゲーム機の定番機種のなかに「サテラビュー」が名前を連ねていたかもしれませんね。
※本文を一部修正しました(11月23日11時45分)
(マグミクス編集部)
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