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令和なら炎上確実? 大胆すぎる「原作ガン無視」で成功を収めたアニメ3選

マグミクス / 2023年12月14日 18時10分

令和なら炎上確実? 大胆すぎる「原作ガン無視」で成功を収めたアニメ3選

■おーい、原作要素どこいった?

 昨今のアニメブームに伴い、原作付きアニメに対するハードルはますます高くなる一方です。『ぼっち・ざ・ろっく!』『【推しの子】』『葬送のフリーレン』といった、原作の魅力を最大限に引き出したアニメが評価され、逆にアニメオリジナルの設定や展開などは賛否が分かれてしまいます。しかし過去のアニメ業界では、原作を「ガン無視」しているにもかかわらず絶賛された作品が、いくつも見受けられました。

 たとえば、シュールすぎるギャグで多くの視聴者を魅了したアニメ『はれときどきぶた』が挙げられるでしょう。子供向けアニメとは思えないようなブラックジョークやメタ発言、超展開、露骨な尺稼ぎのオンパレードで、「人類には早すぎるアニメ」といわれるほど自由でハチャメチャな内容でした。しかし実のところアニメ版は、原作の児童文学とほとんど別物の作品となっています。

 そもそも原作には、アニメ版でおなじみの「はれぶた」というキャラクターは登場しません。確かに日記に書いたことが現実となり、空から豚が降ってくるシーンはありますが、アニメのようにそのうちの1匹に「はれぶた」と名づけ、ピカチュウ的な立ち位置に定着するような展開にはならないのです。

 もちろん申しわけ程度に原作を再現したエピソードもなくはないのですが、あとはほとんどワタナベシンイチ監督のオリジナルアニメのような作品に仕上がっています。ところがアニメ『はれときどきぶた』は叩かれるどころかナンセンスギャグアニメの名作として語り継がれ、また原作者もコメントなどを見る限りアニメ版をかなり高く評価しているようでした。

 ちなみにアニメは全61話あり、なかでもおすすめなのが第57話のミュージカル回です。この回ではセリフのすべてが歌で構成されており、ネット上でも「とにかくすっごいカオス(笑)」「正気の沙汰じゃない感じが超好き」などと称賛を浴びていました。

■原作とアニメの内容がなにひとつ一致しない?

画像は「ギャラクシーエンジェル Blu-ray Box」(バンダイビジュアル)

 1994年から放送された名作変身魔法少女アニメ『赤ずきんチャチャ』も、原作と大きく異なる内容でアニメ化された作品でした。まず、月刊誌「りぼん」で連載されていた原作マンガは、変身魔法少女モノではなく、魔法使いのたまごであるチャチャとその仲間たちによるドタバタコメディです。

 ところが玩具を売りたいスポンサーの意向で、「マジカルプリンセス」に変身して敵キャラと戦う変身魔法少女アニメに変貌しました。当時はちょうど『美少女戦士セーラームーン』が人気を博していた時期だったので、その影響もあるのかもしれません。のちに原作の内容を知ったアニメファンからは、「原作って変身しないの!?」といった驚きの声も聞こえてきます。

 とはいえ原作にはアニメのオリジナルキャラが逆輸入される形で登場しているため、原作者の彩花みん先生も、変身魔法少女モノになったアニメ版を悪く思っていなかったのではないでしょうか。

 2000年代前半のオタク文化を象徴するような伝説的アニメ『ギャラクシーエンジェル』も、原作とアニメの内容がなにひとつ一致しない作品として有名です。時系列的にはアニメが先ですが、もともとはゲームの企画として出発したため、2002年に発売されたゲーム版を原作とします。そしてこのゲーム版は、実はそこそこ真面目なスペースオペラでした。

 一方、広く知られているアニメ『ギャラクシーエンジェル』はというと、ハイテンションなSFギャグコメディで、ゲーム版とは180度違う作風です。しかしこうなったのには、とある事情がありました。

 その理由をざっくりと説明すると、ゲーム版の販促として作るにはアニメ版の尺があまりにも短すぎたためだったようです。OPやEDを除くと10分ちょっとの尺しかなく、これではゲーム版のような壮大なスペースオペラを忠実に再現できないということで、思い切ってギャグアニメとして舵を切ったとされています。その結果、パロディあり、カオスあり、メインキャラが死んでもBパートでは普通に生きているという、何でもありのギャグコメディと化しました。

 ちなみに『ギャラクシーエンジェル』のエグゼクティブプロデューサーである木谷高明氏は、のちに『探偵オペラミルキィホームズ』を生み出しましたが、そこには「『ギャラクシーエンジェル』と『名探偵コナン』を足して二で割ったようなものを作りたい」との思いがあったそうです。そんな『探偵オペラミルキィホームズ』が『ギャラクシーエンジェル』と同じように、ゲーム版とアニメ版でまったく内容が異なる作品となったのも、何かの因果のように思われます。

 原作の魅力を引き出すことはアニメ化において大事なことですが、そもそもアニメ作品として純粋に「おもしろい」ということも重要な要素です。結果的にアニメと原作にとってwin-winになれば、これも幸せなアニメ化のひとつの形といっても良いのではないでしょうか。

(ハララ書房)

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