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恋人が殺し合う悲劇も…どう転んでも後味の悪い「ガンダム」シリーズに見る同士討ち

マグミクス / 2023年12月12日 6時10分

恋人が殺し合う悲劇も…どう転んでも後味の悪い「ガンダム」シリーズに見る同士討ち

■困惑、怒り、悲劇……インパクトが大きすぎる同士討ち

「機動戦士ガンダム」シリーズの戦闘は、パイロットたちの信念や技術のぶつけ合いで、ファンを楽しませてくれます。一方で、やり切れない思いを抱かせ、怒りや悲劇を生み出すのが「同士討ち」シーンです。今回は、そんなインパクトが強すぎるフレンドリーファイアを振り返ります。

 まず紹介したいのは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』における、ハサウェイ・ノア(ジェガン)が撃墜した、チェーン・アギ(リ・ガズィ)の同士討ちの悲劇です。両機ともロンド・ベル所属のMSです。

 ことの発端は、ハサウェイとクェス・パラヤの出会いに溯ります。邂逅当初からニュータイプの素養を見せるクェスにハサウェイは興味を抱き、親交を深めていきます。しかしクェスは、彼よりもニュータイプであるアムロ・レイの方にシンパシーを抱き、接近を試みるなか、アムロの恋人チェーン・アギの存在を疎ましく感じていました。

 そんななか、偶然出会ったシャア・アズナブルによってクェスの、そしてハサウェイの運命が悲劇へと転がっていきます。

 シャアの思想や感性に共感したクェスは、彼の勧誘でネオジオンに与することになり、そのニュータイプの素養やパイロットの能力を利用されていきました。

 かたやハサウェイは、これまでアムロやシャアらニュータイプを間近で見て、感じてきた少年です。自身にニュータイプの素養の自覚があったかはわかりませんが、敵同士でもわかり合えるとの考えからクェスを取り戻すために躍起になり、戦場に向かいます。

 独断でジェガンを駆り出撃したハサウェイは、クェス(αアジール)と接触し、説得を試みますが、ここでチェーン(リ・ガズィ)が合流しました。

 チェーンの存在を認識したクェスは、攻撃を加え「お前がいなければアムロのところにいられたのに」と敵意をむき出しにします。

 クェスが攻撃してきたこと、彼女が好き嫌いだけで行動する子どもであるがゆえ、感情だけでハサウェイを殺しかねない、危険な人物という判断があったのか、チェーンはグレネードを発射。着弾寸前、クェスはまきこみ爆発からハサウェイをかばうように直撃を受け爆散し、戦死しました。

 好意と憧れを抱いた少女を目の前で殺されたハサウェイは、チェーンの思惑を理解できないほど取り乱し激昂します。そしてビームライフルを乱射し、チェーンを撃墜してしまいました。

 少年という心が未成熟で、感情のまま行動してしまった悲劇でしたが、独断で行動したこのシーンに怒りを覚えた視聴者もいたことと思います。

■ほぼほぼ私怨で同士討ちする主人公って…

コウは「貴様らが!」と怨嗟を叫びシーマ艦隊へ吶喊。「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』」(バンダイナムコアーツ)

 続いては、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のコウ・ウラキがシーマ・ガラハウやその艦隊に行った同士討ちです。

「デラーズ紛争」において、コウにとってシーマは、乗機だったGP01を大破させられたり、上官であるサウス・バニングの戦死のきっかけを作られたりと因縁浅からぬ仲でした。

 そして物語終盤、デラーズ・フリートによる地球へのコロニー落としが敢行されるなか、シーマは「故あれば寝返るのさ」のセリフそのままに、デラーズを射殺し地球連邦に寝返ります。

 その後、地球連邦はコウの所属するアルビオン隊に、シーマ艦隊とともに大型支援兵器「ソーラ・システムII」の防衛を命じますが、アルビオン隊は命令を無視し、コロニー落としの阻止に向かいます。

 共闘しなければいけないはずのコウとシ-マでしたが、GP03「デンドロビウム」のコウは、シーマ艦隊と接触すると戦闘に突入、シーマの旗艦である「リリー・マルレーン」をメガビーム砲一閃でぶち抜き、ムサイ級艦艇も沈めました。

 帰る場所を失ったシーマは乗機「ガーベラ・テトラ」で抗戦しますが、「デンドロビウム」のメガビーム砲の砲身の先っちょに激突、そのままゼロ距離でビームを撃たれます。「ガーベラ・テトラ」は粉々になり、まさに宇宙(星)のくずとなってしまいました。

 混戦であったため、「ガーベラ・テトラ」にシーマが搭乗していたことを知らなかったといわれるコウですが、この同士討ちでバニングの仇を討ったことになります。とはいえ物語の結末を知ると、困惑や悲哀を感じる同士討ちでありました。

■最も悲劇的な同士討ちは、ザンスカールのあのふたり!?

キスハールとカリンガの乗機「リグ・シャッコー」。画像はBANDAI SPIRITS「1/144 リグシャッコー」 (C)創通・サンライズ

 そして最後は、「ガンダム」シリーズで最も悲劇的といえる、『機動戦士Vガンダム』のキスハール・バグワットとカリンガ・フォーゲルによる恋人どうしの同士討ちです。

 主人公ウッソたちが乗る、物資運搬船に偽装した小型艇「ホワイトアーク」に対し、これと敵対するザンスカールの近衛師団、キスハールとカリンガ(ともにリグ・シャッコー搭乗)が臨検をするところからストーリーは始まります。この際、ウッソの同僚パイロットであるマーベットが妊婦であると主張すると、カリンガは興味を示し、それを見たキスハールはカリンガに「戦争が終わったら僕の子どもを産んでくれないかな?」と、無骨な求婚を口にします。突然のことに船内は沸き立ち、ほっこりムードとなりました。

 その後、キスハールはMSごと「ホワイトアーク」に拉致され、その姿を見たカリンガは、彼が死んだものと思い込んでしまいます。しかしキスハールは、すぐに「リグ・シャッコー」に乗り込み艦を脱出すると、弔いに燃えるカリンガら近衛師団と接触しました。

 キスハールの「リグ・シャッコー」を見たカリンガは、「キスハールが生きているのか?」と希望を見出しますが、ともに出撃したファラ・グリフォンは「白い奴は、敵のMSを使うなど得意なところ」とそそのかし、カリンガの復讐心をたきつけます。

 カリンガは仇をとるため、キスハールが操縦しているとは知らない「リグ・シャッコー」に攻撃を加え、やがて両者はビームサーベルでの相討ちになりました。深い傷を負った2人がコックピットから脱出すると、カリンガはそこでようやく、キスハールが生きていたことに気づくのです。

 暗い宇宙空間で抱擁するふたり、キスハールは「今から僕たちの結婚式をしよう」と手をとると、カリンガは事切れそうになりながらも「あなたに会えて幸せだった」と告げます。愛を確かめあった直後、乗っていたMSが爆発し、ふたりは巻き込まれてしまいました。

 前半のほっこりエピソードから、落差の大きい残酷で悲劇的な同士討ちという末路……視聴者に強いインパクトを残したシーンではないでしょうか。

(南城与右衛門)

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