「原作読んでてもトラウマ」「覚悟を感じる」 好評を得たエグい実写化「R指定」作品
マグミクス / 2023年12月26日 18時10分
■目に釘を刺すシーンも完全再現!実写の方が「リアルで怖い」?
人気マンガの実写化は毎年多数作られており、公開前の制作発表の段階でも、原作ファンから賛否の声が多数巻き起こります。いろんなポイントがありますが、青年向けマンガならではの、グロ、エロ、ゴアシーンの描写再現も、作品の善し悪しを決める大きなポイントではないでしょうか。今回は衝撃的なシーンを忠実に再現し、原作ファンからも高評価を集めた「R指定」の作品を振り返ります。
●『宮本から君へ』
サラリーマン・宮本浩に焦点をあてた90年代のマンガ『宮本から君へ』(原作:新井英樹 R15指定)は、ドラマシリーズを経て、2019年にR指定作品として実写映画化されています。『宮本から君へ』の終盤は過激な描写が連続しており、ドラマでは描かれずファンの間でも「さすがにあそこは映像化できないか」などの声もありました。
しかし、R15指定の映画『宮本から君へ』では、宮本(演:池松壮亮)と、ヒロインの中野靖子(演:蒼井優)の恋愛を軸に、原作通りの衝撃展開が描かれています。役作りで33キロ増量した悪役・真淵拓馬を演じた一ノ瀬ワタルさんら、実力派のキャストの熱演も話題となりました。
同作は好評を集め、ネットのレビューを見ても「原作の登場人物の暑苦しさも完全に再現されていた」「最初から最後までトップスピードで面白い」「暴力も性描写も逃げずに描いてて覚悟を感じる」など賞賛の声があがっています。その一方で、性暴力描写に関しては、「胸糞すぎて見るに耐えなかった」といった本作の再現度が高いがゆえのコメントも見受けられました。
●『ミスミソウ』
東京から転校してきた女子中学生が受けるいじめをきっかけに、スリリングで衝撃的な復讐劇が巻き起こる『ミスミソウ』(原作:押切蓮介)は、強烈なシーンの数々と、救いのない物語で、見る人を選ぶ作品です。
まず原作の描写をなるべく再現した暴力シーンが強烈で、目に釘が刺さるシーンや、除雪車に人が巻き込まれるシーンなども多く登場します。大人しかった主人公の野咲春花(演:山田杏奈)が豹変し、過去にいじめたクラスメイトを次々と殺していく姿に目を背けたくなった人も多いのではないでしょうか。
特に、雪が降る山のなかで春花がいじめっ子たちをひとりずつ、淡々と撲殺するシーンは原作にも引けを取らない衝撃的な描写になっています。
実写化されたことで色彩が加わり、赤い血と白い雪のコントラストが、なんともいえない不気味さ、美しさを演出していました。2018年の公開から「グロいけど内容がかなりおもしろいし、なぜか最後さわやか」「山田杏奈の目の演技凄い」「原作とは違うラストも切なくて好き」など、根強い支持を受けています。
■まさかの「R指定」配信ドラマ
●『ガンニバル』
ドラマ『ガンニバル』キービジュアル (C)2023 Disney
「人食い」の風習が残ると噂される集落を舞台にした『ガンニバル』(原作:二宮正明)は、動画配信サイト「Disney+」にて2022年に、R15指定で実写ドラマ化されています。グロテスクな描写が多く含まれている本作がまさかのディズニーの配信サイトで実写化されることに対して心配する声もあったものの、数々の衝撃シーンが再現され原作ファンも注目する話題作となりました。
駐在の阿川大悟(演:柳楽優弥)は、家族とともに「人間が人間を食べている」という噂がある「供花村(くげむら)」に移住することになりました。大悟は警察官として、前任の駐在が失踪している村の真相を探ろうとしますが、事態は思わぬ方向へ進んでいきます。
物語はほぼ原作通りのシナリオで展開し、ゴアシーンも忠実に再現されていたため、視聴者からは「狂気的でヤバイ」「思ったよりグロさがすごかった」といった声があがっていました。物語の軸となる「後藤家のあの人」も、特殊メイクによって原作と遜色なく描かれており、3次元になった分、原作よりもリアルな恐怖を感じた人も多かったのではないでしょうか。
本作は、カニバリズム(人間が人間を食べる行為)の描写はもちろん、宗教的な儀式や村社会の独特な閉塞感など、不気味な要素が多く散りばめられているのも特徴のひとつです。すでに2023年の9月にシーズン2の制作が発表されており、原作における終盤の怒涛の展開がどう描かれるのか目が離せません。
●『リバーズ・エッジ』
ダークな青春物語『リバーズ・エッジ』(原作:岡崎京子)は、2018年にR15指定で実写映画化されました。90年代を舞台に、摂食障害、同性愛、援助交際、ドラッグなどの要素もしっかり描いています。
女子高生の若草ハルナ(演:二階堂ふみ)が、元彼氏の観音崎(演:上杉柊平)にいじめられていた山田一郎(演:吉沢亮)を助けるところから物語がスタートします。心になにかしらの闇を抱えている高校生たちを軸にストーリが展開され、リアルな暴力描写や性愛描写が数多くありました。目をつぶりたくなるようなシーンに注目しがちですが、「河原の死体」によって築かれる男女3人の信頼関係や、若者の苦しみや葛藤、若手俳優たちの繊細な演技も見どころのひとつです。
「辛すぎて痛々しい」「内容もさることながら原作そっくりのキャスティング」「山田君の目の死に具合が見事」など好評だった同作は、国際的にも高く評価され、第68回ベルリン国際映画祭にて国際批評家連盟賞を受賞しています。
(LUIS FIELD)
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