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「まだ夕方ですよ?」 懐かしアニメで描かれた「衝撃のラブシーン」3選

マグミクス / 2023年12月13日 17時10分

「まだ夕方ですよ?」 懐かしアニメで描かれた「衝撃のラブシーン」3選

■TVアニメ史上初のベッドシーン?

 かつて「テレビまんが」と呼ばれていたTVアニメは、1970年代から80年代にかけて『宇宙戦艦ヤマト』(74年)や『機動戦士ガンダム』(79年)などの大ヒット作品を起爆剤にして、何度もアニメブームを巻き起こします。それとともに視聴者の年齢が上がっていき、彼らのニーズに応えるような作品が生み出されていきました。

 思春期になった視聴者なら気になりはじめるのが、「男女」のことです。『超時空要塞マクロス』(82年)のようなSF作品にも、恋愛の要素が入るようになっていきます。なかには日曜の昼間や平日の夕方に放送されている作品にもかかわらず、堂々と登場人物同士のベッドシーンが描かれることもありました。

 もちろんR指定などありません。ある意味、性に関する描写が激しくなった昨今の深夜アニメよりも過激だったと言えるでしょう。今回は、特に「ベッドシーン」の衝撃の強かった3作品を振り返ります。

●『銀河旋風ブライガー』

 1981年に放送された本作は、J9シリーズの第1作です。アニメーター・金田伊功さんによる、決まりまくった作画と山本正之さん作詞・作曲による楽曲が見事にマッチしたオープニングがよく知られています。関東地方では、平日の夕方に放送されていました。

 第28話「カルナバルの嵐(後編)」では、コズモレンジャー・J9の一員でボンバーギャルことエンジェルお町(CV:麻上洋子)と、チョビヒゲのゲストキャラクター・ロコとのベッドシーンがありました。裸で抱き合うふたりの姿で始まり、近付く顔と顔、重なり合う両手、お町の喘ぎ声などが、ロックバラード「星影のララバイ」に合わせて描かれています。

 事後、ベッドに入ったまま「また会える?」と尋ねるお町と、事後特有の物憂げな表情を見せるロコの対比がアダルティーです。なお、第27話の前編では、ベッドシーン前の入念なシャワーシーンが描かれていました。

『銀河旋風ブライガー』のこの場面がTVアニメ史上初のベッドシーンとも言われていますが、晩ごはんを待ちながら見ていた子供たちはどんな気持ちになったのでしょう?

●『超時空世紀オーガス』

 1983年に放送された本作は、大ヒットを記録した『マクロス』の後番組にあたります。前作に引き続いて、スタジオぬえとアートランドのスタッフが参加したことで、SFテイストは一層強くなっていました。『マクロス』と同じく、日曜の午後に放送された地域が多かったようです。

『超時空世紀オーガス』では、なんと第1話「時空破壊!!」の冒頭にベッドシーンが描かれていました。オープニングが終わってCMが明けたら、いきなりベッドシーンです。

 主人公の桂木桂(CV:速水奨)が、ベッドのなかでネグリジェを着た恋人のティナ(CV:吉田理保子)とガッツリとキスをしています。ほかにもラブシーンが多い作品でしたが、第31話「チルドレン」では桂とヒロインのミムジィ・ラース(CV:佐々木るん)が結ばれ、ベッドのなかで抱き合う裸のふたり、ミムジィの微かな喘ぎ声などが描かれていました。エマーン人のミムジィの触角がピンと跳ねて、ぐったりする描写が意味深です。

 雑誌『アニメージュ』83年9月号では、大胆にもティナが表紙になっていました。本編では端役だったティナですが、それだけインパクトがあったということでしょう。

●『新世紀エヴァンゲリオン』

 こちらは言わずと知れた大ヒット作です。放送は1995年、放送時間は平日の夕方でした。

 庵野秀明監督による斬新な映像表現が多数見られた本作ですが、きわどいシーンも少なくありません。第二拾話「心のかたち 人のかたち」での葛城ミサト(CV:三石琴乃)と加持リョウジ(CV:山寺宏一)のベッドシーンは、直接的な描写こそありませんでしたが、大きな話題を呼びました。

 重なる男女の手、絡まる脚、裸の男の胸に顔を寄せる女などのショットが続いた後、飲みかけのビールと灰皿、封を切られた避妊具の袋が描かれたカットに合わせてふたりの会話が始まります。話題は「人類補完計画」に及びますが、ごまかすかのようにリョウジの愛撫が始まり、ミサトの艶めかしい声とシーツの擦れる音が聞こえてきました。

 これらの作品が送り出された80年代から90年代は、TVアニメそのものが思春期から青年期に至る時期だったと言っていいのではないでしょうか。特に80年代は挑戦的な表現が続きました。

 ヒロインが主人公以外の男性に恋に落ちたり、主人公が複数の女性と関係を持ったりするような展開の末に描かれたベッドシーンは、「これまでのテレビまんがではないところを見せてやりたい」という、スタッフの気持ちの表れだったのかもしれません。

(大山くまお)

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