人気アニメ最終回後の「集団幻覚」回 「マジでありそう」「いい結婚式だった」

■モルカーの集団幻覚回は大喜利状態に

　最近アニメ界隈では、「集団幻覚」という言葉をよく耳にします。これは、人気アニメの最終回放送後、実際には放送されていないはずの「続話を見た！」というコメントがSNS上で盛り上がることです。

　もちろん「続きの話」の内容はファンの想像によるもので、実際には存在しません。今回は、ファンの強い愛が引き起こす「集団幻覚」が話題になった、近年のアニメを振り返ります。

●『リコリス・リコイル』

『リコリス・リコイル』は2022年7月から全13話で放送され、井ノ上たきなと錦木千束のふたりの少女が、秘密組織のエージェントとしてさまざまな事件に立ち向かう物語が人気を集めました。全13話のはずが、最終回が放送された翌週の2022年10月1日にはX（旧Twitter）で「リコリコ14話」というワードがトレンド入りします。存在しない14話について、いろんなツイートをするファンが続出しました。

　なかには「たきなのフラガール姿かわいかったー」「リコリコ14話の回想シーンよかったですねー」など、具体的な感想を語るこえも多々あります。さらにこの集団幻覚は「14話」にとどまらず、翌週には「リコリコ15話」もトレンド入りし、その後も「16話」「17話」と話題が続きました。

●『PUI PUI モルカー』

　そのほか、『PUI PUI モルカー』の1期で起こった集団幻覚も話題を集めました。モルモットが「車」になった世界を舞台に、羊毛フェルトのかわいいキャラクターが表情豊かに動き回るこのストップモーションアニメは、2021年1月から3月に全12話放送され、劇場公開もされるなど幅広い世代に人気となりました。

　集団幻覚が起こったのは、最終回の翌週である3月30日です。この日のXでは「モルカー13話」がトレンドランキング1位になりました。ネット上には「飼い主に隠れて誕生日パーティーの準備をするなんて愛おしすぎる」「9回裏の逆転満塁サヨナラホームランは涙なしには見られなかった！」「花見ネタでしたねー」など、さまざまな内容の13話が呟かれていました。

　ゾンビやタイムトラベルなど、毎回いろんなネタをやっていた作品だけに、「13話、いろんな話があって人によって見た話が違うみたいだけど、元々のモルカーのストーリーを考えるとどれもありえそうで笑う」などの声も目立ちます。「カオス」なストーリー展開が話題だったアニメなので、集団幻覚の内容もほとんど大喜利のようになりました。

●『水星の魔女』

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、ガンダムTVシリーズでは初の女性主人公作品としても注目されました。多くの企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代を舞台に、水星から来た主人公スレッタ・マーキュリーが学園でミオリネ・レンブランと出会い成長していく物語です。

　2022年10月から放送が開始され、2023年7月2日に迎えた第2期の24話ではスレッタとミオリネが笑顔で手を取り合い、ハッピーエンドを迎えました。すると翌週の7月9日には、「水星の魔女第25話」の集団幻覚が起こりました。

　その内容には「スレッタちゃんとミオリネちゃんの最高の結婚式回だった」「日常のみのほのぼの回、あー最高だった」「ひたすらいちゃつくスレミオにごちそうさま！」などの声もでています。

　集団幻覚はそれぞれの妄想により内容が異なることも多いですが、この幻の25話の内容は「結婚式回」「ふたりのイチャイチャ回」があったはずという解釈の意見が多かったようです。ハッピーエンドの最終回だったからこそ、さらに「幸せな生活の続きが見たい！」という思いが一致したのかもしれません。ちなみに翌週も「水星の魔女26話」がトレンド入りしました。

（マグミクス編集部）