クリスマス回で「メインキャラが死ぬ」は真実? 仮面ライダーの恐ろしいジンクスにせまる
マグミクス / 2023年12月25日 7時10分
■クリスマス回の視聴は覚悟が必要?
毎年この時期になると、多くのエンタメ作品で「クリスマス」にちなんだエピソードが展開されます。毎週日曜日に放送されている「仮面ライダー」シリーズも、その例外ではありません。ただ、同シリーズはちょっとしたいわくつきで、クリスマスシーズンになるとレギュラーキャラクターの誰かが退場(死亡)するといわれています。
そんな物騒なジンクスがささやかれるようになったのは、おそらく2016年12月25日に放送された『仮面ライダーエグゼイド』のクリスマス回がきっかけでしょう。
同エピソードの前半はにぎやかな雰囲気で、仮面ライダーエグゼイドや仮面ライダーブレイブがクリスマス仕様となり、ヒロインのポッピーピポパポが歌う『ジングルベル』に合わせてバトルが繰り広げられます。しかし後半でその空気は一転、監察医である九条貴利矢(くじょう きりや/仮面ライダーレーザー)が敵に敗北し、主人公たちの目の前で消滅するという壮絶な展開を迎えました。
実をいうと次回予告の時点で貴利矢の退場は示唆されていたうえ、前話にて何かと衝突の多かった主人公と和解を果たしており、ある意味「死亡フラグ」が立っていたともいえる状況でした。それでも、にぎやかだった前半とのギャップも相まって界隈では「貴利矢ショック」と命名されるほど、多くの視聴者に衝撃を与えたのです。
そんな事件から約1年後、今度は『仮面ライダービルド』第16話「兵器のヒーロー」でも衝撃的なエピソードが展開されます。主演の犬飼貴丈さん演じる桐生戦兎(きりゅう せんと)は天才物理学者を名乗る一方で記憶を失っており、その正体は「佐藤太郎」なる人物だとほのめかされていました。
ところが第15話で「ナイトローグ」こと氷室幻徳(ひむろ げんとく)の口から、戦兎の正体が太郎ではなく、死んだと思われていた悪魔の科学者「葛城巧(かつらぎ たくみ)」だと語られます。しかも問題の第16話で太郎はすでに死亡しており、殺害された際に彼の顔と巧の顔が入れ替えられていた……という衝撃の事実が飛び出すのでした。
これによって回想とはいえ、前年に続いてクリスマスシーズンに連続で犠牲者が出た形になります。さらに太郎自身がかなりインパクト強めのキャラクターだったこともあって、放送当日には「佐藤太郎」がTwitter(現:X)のトレンド入りを果たすほど大きな話題になりました。
1年空けて、2019年12月22日に放送された『仮面ライダーゼロワン』の第16話「コレがZAIA(ザイア)の夜明け」では、敵組織「滅亡迅雷.net」の「迅」が爆散、翌年の『仮面ライダーセイバー』第15話「覚悟を超えた、その先に。」では、かつて幼き主人公を守った先代の「仮面ライダーセイバー」こと上條大地がその命を散らしており、たしかにクリスマスシーズンになると高確率で犠牲者が出ています。
■実は「貴利矢ショック」以前にもクリスマスの悲劇が……
剣の正体を知った時の衝撃がすごかった 画像は『仮面ライダーカブト』Blu‐ray BOX 1(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))
そもそも『仮面ライダーエグゼイド』の「貴利矢ショック」から始まったとされる「クリスマスのジンクス」ですが、実はそれ以前から不穏な展開が繰り広げられていました。たとえば2001年12月23日に放送された『仮面ライダーアギト』第46話では、敵から受けた傷が致命傷となり、バトル後に「アナザーアギト」こと木野薫(きの かおる)が静かに息を引き取っています。
なかでも印象的だったクリスマス回が、2006年12月24日に放送された『仮面ライダーカブト』46話です。同話では実の姉をスコルピオワームに殺され、それをきっかけにワーム狩りを始めたという過去を持つ、「神代剣(かみしろ つるぎ/仮面ライダーサソード)」が退場しました。
かねてより慕っていた岬祐月(みさき ゆづき)との恋がようやく芽生えた矢先に、実は自身こそがスコルピオワームであったことが発覚し、仮面ライダーカブトの手によって葬られてしまうのです。その戦闘中には「岬、許してくれ。一度でいい。最期に君とデートしたかった」と剣のモノローグが語られるとともに、実現できなかったクリスマスデートの回想シーンまで流れ、なんとも悲しい最期を迎えました。
このクリスマス回は今もなお多くの視聴者の心に刻まれているようで、ネット上には「神代剣の最期は何度見ても泣く」「すべてのワームを倒すために己自身さえも死ぬというのがまた……」「ミサキーヌとデートする予定だったのに、叶うことなく死んじゃったのはあまりにも悲しすぎる」といった声が多く見受けられます。
ちなみに『仮面ライダーアギト』と『仮面ライダーカブト』はいずれもクリスマスシーズンの放送である一方、最終回目前のエピソードという共通点があります。シリーズを通して物語の佳境にメインキャラクターが退場する展開はそれほど珍しくなかったため、今ほどジンクスとされていなかったのかもしれません。
「ジンクス」が発動するのは物語が最初に大きく動く15話から16話あたりで、現在放送中の『仮面ライダーガッチャード』は2023年12月24日(日)のクリスマスイブにちょうど16話を迎えます。昨年の『仮面ライダーギーツ』では回避されましたが、はたして今年も犠牲者の出ないクリスマス回となるのでしょうか。それとも……。
(ハララ書房)
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