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やはり「サンタの秘密」が一因? 元・玩具店員が語る「コレジャナイ」プレゼントの背景

マグミクス / 2023年12月24日 7時10分

やはり「サンタの秘密」が一因? 元・玩具店員が語る「コレジャナイ」プレゼントの背景

■プレゼントを選ぶサンタさんも苦労している?

 今も昔もクリスマスといえば、子供たちがオモチャを欲しがる時期。サンタクロースが活躍するシーズンです。なかには、誤って「コレジャナイ」ものを用意してしまうサンタさんもいました。

※これ以降の文章には、サンタクロースに関する大人の事情が書かれています。閲覧はご注意ください。できれば子供たちはこの先を読まない方がいいかもしれません。

 クリスマスにはサンタが子供にプレゼントを渡す。……そういう風習は筆者の子供時代からありました。古くは明治時代からあったそうで、日本に定着した行事としては長いものだったと思われます。

 ここから本音でお話しますが、みなさんは子供時代、何歳までサンタの存在を信じていましたか? 自分は4歳まで信じていました。その時にダイヤブロックをプレゼントされていたのですが、両親の小芝居がわざとらしくて妙に記憶に残っていたのでおぼえています。

 近年ではサンタの扱いはとてもシビアで、子供向け番組に類する作品では「サンタは謎の人だが実在する」というスタンスで作られていることがほとんどでしょうか。TVという子供が簡単に見られる環境のメディアは、まるで戒厳令がひかれているかのごとく、サンタという存在が現実にいるような描き方をしています。

 もっとも自分の子供時代はおおらかで、サンタの正体が両親だということは子供向け作品でも当たり前のように描かれていました。これが一転したのは、TVアニメ『ママはぽよぽよザウルスがお好き』(1995年)に対して、新聞投書によるクレームがあってからだったと記憶しています。

 このアニメのクリスマス回では、両親がサンタ役で大変だというエピソードを放送したのですが、それを見た子供が「サンタはいない、親が代わりにプレゼントを買っていた」ということを知ってしまい、隠していたクリスマス用のオモチャを見つけ出してトラブルになった。……そういう投書がありました。

 それがすべての原因とは考えづらいのですが、コンプライアンスを重きに置くようになった昨今、腫れ物に手を触れるかのようにサンタの正体に関しては口をつぐむようになったわけです。そんな理由から、このような文章にも気を使わざる得ず、冒頭のような注意警告が必要となるのでした。

 しかし、サンタの秘密はいつか子供も知るものです。むしろ知らないことで起こる悲劇もあるでしょう。それは、いわゆる「コレジャナイ」オモチャをプレゼントしてしまうことです。今回は恥ずかしながら筆者の体験を交えて、それをご紹介していきましょう。

■トラウマになった「コレジャナイ」オモチャ

筆者が子供時代に買ってもらった「コレジャナイ」プレゼントのひとつが、『ウルトラマンレオ』に登場した防衛チームのメカを立体化した、タカトクトイズの「マッキー3号」だった

 子供の頃のクリスマスプレゼントで前述のダイヤブロックと同様に、筆者が今でも記憶に残っているのが1974年の出来事です。

 いつもならクリスマスプレゼントは両親と買いに行くのが筆者の家の定番でした。しかし、この年は母親が入院していて、その機会を作れなかったのです。子供心にプレゼントはあきらめていたのですが、父親が気を利かしてクリスマスに用意してくれました。その中身が、この年に放送していた特撮番組『ウルトラマンレオ』に出てくる戦闘機「マッキー3号」のタカトクZ合金だったのです。

 これをもらった筆者の気持ちは、うれしいよりもコレジャナイ感に包まれていました。この年は秋にTVアニメ『グレートマジンガー』が始まったばかりで、その超合金が欲しかったからです。しかも一度、玩具屋で見本しか置いてなかったので買えなかったということがありました。

 そんな理由からコレジャナイんだとも思いましたが、事を荒立てることなく喜んだふりをします。ちなみにグレートマジンガーの超合金は、当時は買わないまま現在に至りました。持っていたオモチャから推測するに、合金オモチャから「ミクロマン」に興味が移ったらしいです。

 ちなみにこの話のオチは、翌月放送された『ウルトラマンレオ』第40話「恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった!」でMACが全滅してしまい、買ってもらったマッキー3号は活躍する場面を見ることなく退場してしまいました。そういうことから余計に記憶に残っているわけです。

 皮肉なことに喜んでいたオモチャより、コレジャナイオモチャの方が記憶に強く残るという典型例でしょうか。みなさんも、そんなトラウマオモチャがいくつかありませんか?

 そんなことがあったので、後年に筆者が玩具屋で仕事していた時は、同じような目にあう子供をひとりでも減らそうと、親御さんの接客には注意を払いました。というか、お孫さんにプレゼントするおじいちゃん、おばあちゃんが曖昧な記憶でオモチャを買おうとしているケースが非常に多かった印象です。

 たとえば「つぶれたロボットのオモチャ」と言われてSDガンダムかと思ったら龍神丸だったとか、「走る車」でラジコンかミニ四駆かで迷ったことなどザラにありました。女の子向け人形はだいたい「リカちゃん」と言ってくるのも玩具屋あるあるです。

 事前に入念なリサーチをすれば間違えることはないでしょうが、やはり子供と一緒にオモチャを選ぶのが一番でしょうか。その選ぶ時間も良い思い出になるかもしれないからです。

 そんなわけで、サンタを信じる子供たちに贈るプレゼントは、いつの時代も苦労するんだろうなぁと思う筆者でした。

(加々美利治)

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