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『鬼滅の刃』最終回はTV? 映画? 『柱稽古編』の次の展開について考える

マグミクス / 2023年12月26日 21時40分

『鬼滅の刃』最終回はTV? 映画? 『柱稽古編』の次の展開について考える

■2024年も鬼滅が熱い!

『鬼滅の刃』は累計発行部数1億5000万部を突破し、原作完結後もアニメで圧倒的な人気を誇るコンテンツです。2024年2月2日(金)には原作15~16巻に該当する『柱稽古編』のアニメ放送に先駆けて、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』が上映されます。きっとこれまで以上の盛り上がりを見せることでしょう。

 しかしそこで早くも気になるのは最終エピソードです。『無限城編』や感動のエンディングはどうなるでしょうか。その後の展開について考えてみます。

●TVアニメと劇場公開の新しい連携

『鬼滅の刃』はテレビアニメと劇場アニメを有機的に連携させることで、これまでにない成功パターンを作り出したコンテンツだと言えます。たとえば2020年に公開されて全世界興行収入517億円を突破する大ヒットを達成した映画『鬼滅の刃 無限列車編』です。同エピソードは映画上映終了後に、テレビアニメとして映画の余白を埋める形で再構成され、高い人気を博しました。

 物語の展開が同じでもファンに支持されるのですから、『鬼滅の刃』の人気にはとんでもないものがあります。みんな映画で語り尽くせなかった煉獄さんについてもっと知りたかったのでしょう。

 ほかにも2023年にはテレビアニメ『刀鍛冶の里編』開始前には映画館で『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が上映され、放送前に期待感を高めました。同映画は『遊郭編』のラストバトル(第10、11話)と『刀鍛冶の里編』の1話の合計3話で構成されています。

 この形は『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』も同様で、『刀鍛冶の里編』の11話とこれから放送される『柱稽古編』の1話の組み合わせです。このような映画上映のスタイルはこれまでにほとんど見られませんでした。大抵は『ONE PIECE』や『名探偵コナン』のように、テレビアニメの成功をうけて特別なエピソードが映画として作られていたのです。

 管見の限りにおいて、テレビ放送を盛り上げるために映画上映を使うマーケティングが一般化したのは『鬼滅の刃』以降だと思われます。直近だと『ダンジョン飯』がTV放送前に1話から3話までを劇場公開しており『鬼滅の刃』のマーケティングと似ています。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

■無限城編はバトル&回想&バトル!

炭治郎が描かれた『鬼滅の刃』Blu-ray/DVD Vol.1 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『柱稽古編』に続く『無限城編』は単行本16巻から23巻までの最終エピソードです。上弦の鬼たちや鬼舞辻??無惨との熾烈なバトルが展開されており、何百ページにもわたるアクションシーンに大半の紙幅が割かれています。

※この記事にはTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里』以降の内容を含みます。

『刀鍛冶の里編』や、これから放送される『柱稽古編』と同様に、映画館でお披露目をしてからテレビアニメを放送する流れを踏襲する可能性は高いですが、完璧なエンディングは映画館の大画面、大音響で楽しみたいと考える人は多いのではないでしょうか。

 もし『無限城編』が映画化されるなら、おそらく2時間以上の尺になるか、前・後編に分かれるでしょう。バトルが多い『無限城編』ですが、過去からの因縁を紐解く回想も多く、とても120分では収まらないと思われます。

 戦いの途中までテレビ放送して「最終回は劇場で」というケースも可能性のひとつとして考えられますが、ひとつのメディアで完結しないコンテンツはライトな視聴者を切り捨ててしまうため、『鬼滅の刃』には似合わないでしょう。

●最終回に向けて「溜め」をつくる『柱稽古編』

 ページ数にすると1巻分程度しかない『柱稽古編』ですが、鬼殺隊内のコミュニケーションが多く、柱の掘り下げもあって読み応えがあります。また、無惨とお館様こと産屋敷耀哉(うぶやしき かがや)の緊張感あふれる会話シーンも魅力です。鬼とのバトル展開こそありませんが、最終決戦をより楽しむための「溜め」の段階だといえます。

 そして『柱稽古編』ラストは、産屋敷が妻子もろとも自爆し、集まってきた柱たちと無惨が対面するシーンでしょう。まだ放送されていませんが、個人的にはかなりハッキリとしたイメージが浮かんでくるほど印象的なシーンです。『無限城編』への導入として、もっとも「引き」が強い展開をするとしたらここしかないと思われます。

『鬼滅の刃』の魅力のひとつはキャラクターです。どんな人物なのか情報量が増えれば増えるほど理解が深まり、思い入れを持って作品を楽しめます。TVアニメ『柱稽古編』では修行を通じてこれまで語られていなかった柱たちの存在感が高まります。

 どのようにキャラクターが深掘りされ、あるいは再構成されるのか、もう少し楽しみに待ちましょう。

(レトロ@長谷部 耕平)

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