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そこには悲恋しかないのか? 「ガンダム」シリーズの強化人間に待ち受ける残酷な末路

マグミクス / 2023年12月28日 6時10分

そこには悲恋しかないのか? 「ガンダム」シリーズの強化人間に待ち受ける残酷な末路

■強化人間を待ち構える悲しき宿命

「機動戦士ガンダム」シリーズでお約束のように登場するのが、薬物や精神操作などによって能力を向上させた、いわゆる「強化人間」です。そして多くの強化人間は、人間の深い業からか、悲しい結末を迎えてしまう傾向があります。そのなかでも特に主人公や周囲の登場人物たちと心を通わせながらも、悲しい最期を迎えてしまった強化人間を見ていきましょう。

●フォウ・ムラサメ 『機動戦士Zガンダム』

 悲劇的な強化人間の代表例ともいえるのが『機動戦士Zガンダム』に登場するフォウ・ムラサメです。

 もともと戦災孤児だったフォウは強化の過程で記憶を操作され、過去の記憶を失っていました。フォウの名前はムラサメ研究所で作られた4番目の被検体「ナンバー4」だったことが由来で、本当の名前は分かっていません。

 ティターンズ所属のフォウはホンコン・シティで、敵対する反連邦組織「エゥーゴ」のカミーユ・ビダンと出会ってお互いに惹かれあいました。結局、敵と味方に別れたカミーユとフォウでしたが、自らの使命とカミーユを思う気持ちとの間で揺れ動いた結果、フォウはカミーユが宇宙に向かう手助けをすることを選びます。その際にフォウは輸送機の爆発に巻き込まれ、1度は死んだかと思われました。

 しかし第35話「キリマンジャロの嵐」でカミーユとフォウは再会を果たします。ところがフォウは精神状態を悪くしており、その影響でカミーユのことを忘れてしまって彼の呼びかけに答えませんでした。続く第36話「永遠のフォウ」で、カミーユの呼びかけにようやく彼のことを思い出すものの、最後は戦いのさなかでカミーユの盾となって散ってしまいました。

ステラとシン、背後に「デストロイガンダム」。バンダイナムコフィルムワークス『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 8』DVD (C)創通・サンライズ・毎日放送

●ステラ・ルーシェ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』

 そのようなフォウをオマージュしたと思われるのが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する「ステラ・ルーシェ」です。本作では「エクステンデッド」と呼ばれる強化人間で、地球連合軍の特殊部隊に所属するパイロットとして登場しました。

 強化の影響で性格に幼さが強く現れるステラは海で溺れそうになっていたところを、その場に偶然居合わせた主人公のひとり「シン・アスカ」に助け出されます。そして救助を待つ間のやり取りで、ステラはシンの大切な存在になっていきました。

 やがてステラは、シンの所属するザフト軍の捕虜になってしまいます。必要な措置ができず衰弱していく彼女を救うため、シンは軍規に反してまで敵対するステラの元の部隊へと彼女を返したのでした。この時ふたりは「ステラを戦いから遠ざける」という約束を交わします。

 しかしその約束は残念ながら破られ、ステラは通常のモビルスーツよりひと回り大きな「デストロイガンダム」のパイロットになってシンと対峙することになってしまうのでした。

 暴走するステラは戦いのなか、シンの説得で1度は正気を取り戻すのですが、再び暴走を始めたため、シンの眼前で「フリーダムガンダム」によりトドメを刺されてしまいます。

 もともとシンは、家族を失ったきっかけを作った「フリーダムガンダム」に対して良くない感情を持っていましたが、ステラの死によってさらに憎しみを募らせていくことになりました。

■自らの生きがいを見つけた強化人間

エラン・ケレスこと強化人士4号と、その搭乗機「ガンダム・ファラクト」。画像は角川コミックス・エース『小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女(2)』(KADOKAWA)

●強化人士4号/5号(仮名:エラン・ケレス) 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

 シリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』にも、「エラン・ケレス」こと「強化人士4号(以下4号)」という強化人間が登場しています。

 本物の「エラン」の影武者として、アスティカシア高等専門学園に通う彼は、寡黙でミステリアスな性格のキャラクターでした。しかし面倒見の良さもあってか、学園に転校してきたばかりだった主人公の「スレッタ」が悩んでいると、すかさず助け舟を出します。そうした4号の親切な態度もあって、スレッタは心を動かされ、ふたりで外出する約束も交わす仲となっていきました。

 ところが4号は、課せられた任務の成果を上げられなかったことが災いし、自身を作り出したペイル・テクノロジーズ社に処分されることになります。

 最期の時を迎える4号は、「ハッピーバースディ」の歌を口ずさんでいました。それはかつてスレッタが「誕生日などない」という4号に向け、「今日を誕生日に」と歌っていたものです。そのような状況などつゆ知らず、4号との外出の待ち合わせ場所で彼を待つスレッタもまた、同じ歌を口ずさむのでした。スレッタ、4号、ふたりの姿と歌が重ねられていき、やがて4号を焼却するビームの光に、スレッタの見上げる青空(の映像)が交錯します。悲しい展開に衝撃を覚えた視聴者も多かったでしょう。

 その4号の後を継いだ強化人士5号もまた、悲しい別れを経験することになりますが、それでも多少はマシな結末を迎えます。

 地球からやってきた「ガンダム」のパイロットである「ノレア」の「使い捨ての駒」という、自身と似たような境遇に5号は共感を覚えるものの、やはり戦いのなかでノレアは死んでしまいました。やがて物語が幕を下ろすなか、ノレアの残した地球の風景画の場所を探す5号の姿が描かれます。「エランの影武者」という役割から解放され、5号はようやく自分の足で自身の人生を歩み始める、という最後でした。

 フォウを始めとして悲劇的な結末を迎えた強化人間が多いですが、5号のように未来を見つけた強化人間もいます。強化人間だからといって必ずしも悲劇的な結末を迎えているとは限らないようです。

※記事の一部を修正しました。(2023年12月28日 20:43)

(LUIS FIELD)

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