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「ガンになりました」から始まる作品が「医療マンガ大賞」に。背景にある危機感とは? 

マグミクス / 2019年12月7日 14時30分

「ガンになりました」から始まる作品が「医療マンガ大賞」に。背景にある危機感とは? 

■「人生の最終段階」がテーマの作品が大賞に

 高齢化社会が進み、医療に対してのニーズが高まる現代で、市民や医療従事者と行政が「医療に関する共通認識を持つことが重要」といわれています。そのことを背景に、「医療マンガ大賞」が横浜市とコミチ(マンガ家向けコミュニティサービス運営会社)の連携で開催されました。

 患者と医療従事者では、同じ出来事に対する受け取り方や感じ方が異なることが少なくありません。そうした医療に対する視点の違いや想いを可視化することを目的に、「医療マンガ大賞」を開催したといいます。

 医療従事者が監修したエピソードや、SNS上で募集した体験エピソードを原案に、マンガ形式の作品を募集。2019年9月30日から10月10日までに55作品の応募があり、大賞1作品・入賞7作品・特別賞3作品が選ばれました。いずれも、同公式サイトで閲覧できます。

 大賞に選ばれたのは、油沼さんの「患者」という作品。“人生の最終段階”をテーマに、独特のタッチで親子の最後の別れが描かれています。「どんな風に人生の幕を下ろしたいのか」といった本人の意思を確認し、本人も家族や医師に伝えておくことで、いざという時の選択の際に迷わず本人の希望を反映できることが伝わる内容です。

 審査員の佐渡島庸平さん(コルク代表取締役会長/編集者)は、大賞作品について「シンプルな絵柄ゆえに、大胆な言葉が辛くなりすぎずに逆にしっかりと伝わるようになっている」と述べています。

■転院に対する「患者」の妻の心の動きを描いた作品も

「医療マンガ大賞」で入賞した「患者」(LOGLINEさん)、「医療従事者」(ヒヅキオキさん)(画像:医療マンガ大賞)

 そのほかにも、「転院/退院」のテーマで入賞したLOGLINEさんの「患者」は、介護する妻の心の動きとともに、転院を勧められる様子とその後の回復の様子が描かれています。

 医療従事者の立場として、良い結果を生むために決断をしなくてはならない場面もありますが、患者側としては病気に寄り添うなかで悲観的になってしまいがちな心情があります。医療のプロとして真摯な説明行うことで、納得して治療を受けられるということが伝わる内容です。

 今回の「医療マンガ大賞」を開催した横浜市では、市民にも医療を「他人ごと」ではなく自分自身のことと考えてもらえるよう、民間企業等との連携による手法で医療広報を実施する「医療の視点」プロジェクトに取り組んでいます。その背景には、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達し、介護・医療費などの社会保障費が急増する「2025年問題」があります。特に横浜市は、全国でもトップクラスのスピードで高齢化が進むと懸念されています。

(川崎晴代)

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