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「現代のサムライ」藤岡弘、が主演した特撮4選 映画『日本沈没』は公開50周年!

マグミクス / 2023年12月29日 7時10分

「現代のサムライ」藤岡弘、が主演した特撮4選 映画『日本沈没』は公開50周年!

■「奇跡の喜寿」藤岡弘、77歳

 仮面ライダー1号こと本郷猛といえば、俳優の藤岡弘、さんです。1971年~73年にテレビ放映された特撮ドラマ『仮面ライダー』に主演し、たちまち人気者に。端正なルックスに加え、さまざまな武道に通じており、77歳になる今も、テレビや映画で大活躍中です。「奇跡の喜寿」と呼びたくなります。

 そんな藤岡さんは『仮面ライダー』で大ブレイク後に、東宝の特撮映画『日本沈没』(1973年)で主人公を演じています。お正月映画として公開された『日本沈没』は、日本映画史に残る大ヒットを記録しました。

 2023年12月29日(金)は映画『日本沈没』が公開されてから、ちょうど50年になります。この機会に、藤岡さんが主演した特撮&SF映画を振り返ります。

■ラブシーンの瞬間に、火山が大噴火!

藤岡弘、さんが主役を演じた、1973年公開の映画『日本沈没』DVD(東宝)

 マントル流の異変によって、日本列島がすべて海に沈んでしまう。小松左京原作のSF小説『日本沈没』は、高度経済成長を遂げた日本でセンセーショナルな話題となり、大ベストセラーとなりました。東宝は小説の執筆段階から映画化を進め、小説の刊行からわずか9 か月で特撮シーン満載の映画『日本沈没』を完成させています。

 主人公の小野寺(藤岡弘)は、深海調査艇「わだつみ」の操艇者です。地球物理学者の田所博士(小林桂樹)との海底調査中に、日本海溝で異変が起きていることを目撃。このことから小野寺は、大異変に備えた超極秘計画「D計画」のメンバーに加わるのでした。

 日本沈没を予言する田所博士役の小林桂樹さん、有史以来となる最大の国難に直面する日本国総理に丹波哲郎さん、日本を影で操る謎のフィクサー・渡老人に島田正吾さんと、個性の強いキャストが並んでいます。当時は若手俳優だった藤岡さんですが、濃い顔と熱い演技でしっかりと存在感を示しています。

 ヒロイン・阿部玲子役のいしだあゆみさんと夜の海辺で、大人のキスを交わし合うシーンも忘れられません。ふたりの恋心が爆発した瞬間に、天城山も大噴火を始めます。大人になって見返すと、思わず吹き出してしまう日本沈没の始まりです。

 首都圏が壊滅する大火災シーンもインパクトがありますが、単なる特撮パニック映画では終わっておらず、島国で暮らす日本人に「日本とは? 日本人とは何か?」というアイデンティティ を問い掛ける作品にもなっていました。「現代のサムライ」とも呼ばれる藤岡さんにとって、若手時代を代表する映画となっています。

■お色気シーンに目を奪われがちな『エスパイ』

映画『エスパイ』DVD(東宝) (C)TOHO CO., LTD.

 大ヒットした『日本沈没』に続いて、藤岡さんの主演映画が東宝で次々と公開されることになります。『日本沈没』の翌年のお正月には、同じく小松左京原作のSF映画『エスパイ』(1974年)が封切られました。

 エスパイとは、エスパー(超能力者)とスパイとを組み合わせた造語です。藤岡さん演じる田村は、国連の秘密組織「エスパイ」に所属する諜報員です。彼らはサイキック能力を使い、世界平和のために闘います。エスパイ仲間を由美かおるさん、草刈正雄さん、加山雄三さんらが演じています。悪い逆エスパイのボスは若山富三郎さんと、かなり豪華なキャスティングです。

 逆エスパイに催淫剤を注射された由美かおるさんがセクシーダンスを踊るシーンに意識が集中してしまいがちな『エスパイ』ですが、クライマックスに藤岡さんの見せ場が用意されています。

「愛だ。それがすべての超能力の源なんだ」

 どんな超能力よりも、胸に響く名ゼリフです。並の俳優が口にするとクサい言葉になってしまいますが、藤岡さんは気合の入った声で決めてくれます。劇中のセリフとしてではなく、藤岡さんが本気で断言していることが伝わってきます。

■現代に甦った武士を演じた『SFソードキル』

 ハリウッド映画に初主演した『SFソードキル』(1984年)も、記念すべき作品です。藤岡さん演じる戦国時代の武士・多賀義光が氷漬け状態で発見され、現代の米国で目覚めるというぶっ飛んだ物語です。『仮面ライダー』と同様に、藤岡さんはオーディションでこの役をつかみました。

 もともとの脚本では、義光はLAの街で日本刀を振り回す「殺人マシン」的なキャラだったのですが、藤岡さんはこの設定に反論。監督やスタッフを集めて、真剣で竹を斬ってみせる演武を披露したそうです。藤岡さんが見せた所作の美しさや日本刀の見事な切れ味に、ハリウッド側のスタッフは驚き、脚本を修正しています。

 LAの日本食レストランに現れた義光が、三船敏郎と間違えられるギャグシーンもある『SFソードキル』ですが、藤岡さんはこの作品で全米映画俳優組合に加入することにもなりました。

■45年ぶりの変身『仮面ライダー1号』

 ここまで『仮面ライダー』以外の主演作を紹介してきましたが、やはり「藤岡弘=仮面ライダー」という印象が強い人は多いでしょう。70歳になった藤岡さんが企画・主演したのが、『仮面ライダー1号』(2016年)です。

 キャリアを積んだ藤岡さんならではの重みのある変身シーンに、大杉漣さん扮する「地獄大使」との共闘シーンもあり、見どころの多い劇場映画となっています。「体をいたわれ、地獄大使」という名言も飛び出します。

 テレビやスクリーンのなかで数々のヒーローを演じてきた藤岡さんは、実生活でもボランティア活動にいそしむなど、ヒーローとしての心を忘れずに毎日を過ごしていることでも知られています。

 藤岡さんのお宅を取材で訪問したことがありますが、藤岡さんは特製のオーガニックコーヒーを淹れて、温かくもてなしてくれました。「おいしいです」と伝えると、うれしそうな笑顔を見せる藤岡さんでした。スタッフや共演者たちからも愛されているからこそ、藤岡さんは今も大活躍しているのでしょう。

 子供の頃にあこがれたヒーローが、年齢を重ね、さらにかっこよくなっているなんて、すごいことだなぁと思います。

(長野辰次)

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