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「ホビットと勘違い?」ドラクエ世界で「ドワーフ」が地位を確立するまでの苦難

マグミクス / 2024年1月1日 21時50分

「ホビットと勘違い?」ドラクエ世界で「ドワーフ」が地位を確立するまでの苦難

■「ホビット」を「ドワーフ」と勘違い? それとも大人の事情?

「エルフ」という北欧の民間伝承に登場する「種族」は、今やすっかり浸透しているといえるでしょう。「elf」という言葉自体は「妖精」「小人」などを意味しますが、J・R・R・トールキン氏の『指輪物語』をはじめとするファンタジーに欠かせない存在へと成長していきました。日本における知名度では、やはり「ドラゴンクエスト」シリーズが大きな貢献を果たしています。

 例えば社会現象にまでなった『ドラクエIII』では、「ノアニール」という現実世界のノルウェー(北欧)をモデルとした国付近に「エルフの隠れ里」という場所が登場し、人間とエルフの悲恋の物語が描かれました。続く『IV』でも、魔族の王・ピサロの恋人ロザリーもまたエルフ族です。さらに『V』以降では、「エルフのおまもり」「エルフの飲み薬」といったアイテムも登場します。物語面でもフィールド面でも、大きな役割を果たしてきました。

 一方、エルフに比べて割りを食っている気がしてならないのが、同じく北欧神話に登場する「ドワーフ」です。アニメ放送中のエルフが主人公の作品『葬送のフリーレン』にも登場しており、彼らもまた、ファンタジー作品には欠かせない種族でしょう。

 一般的に現在、浸透している「ドワーフ」のイメージは、やはり『指輪物語』以降のものと言えます(背が低く、豊かな髭を蓄え、筋骨隆々、鍛治職人が多い、など)。ところが「ドラクエ」世界だと「ドワーフ」が正式に登場するのは、なんと『V』以降なのです。

 とはいえ、「いや普通にもっと前からドワーフいなかった?」と思われる方も多いでしょう。そう実際、『V』以前より洞窟などに住み、髭を蓄えたいかにも「ドワーフ」風のキャラクターは登場していました。彼らは、「ドワーフ」ではなかったのでしょうか。ここに「ドラクエ」世界における、「ドワーフ」の憂き目があります。

 というのも、どうにも『V』まで彼らは「ホビット」と混同されていたようなのです。そもそも「ドワーフ」と「ホビット」は、異なる種族で、さらにいえば「ドワーフ」は伝説上の存在とはいえ一般名詞ですが、ホビットはトールキン氏が創った架空の種族名でした。

『指輪物語』を原作にした映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのフロドやサムたちを思い出していただければ分かる通り、彼らは髭面でもなく、筋骨隆々というわけでもありません。

 ところが、「ドラクエ」のホビットはどうでしょうか。例えば『III』に登場したホビットの「ノルド」の外見は、どう見ても上述の「ドワーフ」そのものです。この混同に関しては、『IV』までカタカナの「ワ」が使用できず、苦肉の策として「ホビット」に代替したのではないかという説もありました。

 確かにファミコン時代の「ドラクエ」は、容量の関係でカタカナの文字数が限られていたのは事実で、極めて妥当性の高い説といえそうです。

 こうした大人の事情があったかどうかはさておいて、晴れて「V」以降、「ドラクエ」世界にドワーフがやってきます。エルフと比べると随分と遅れをとりましたが、さらに2012年発売の『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』では、主人公の種族の選択肢に「ドワーフ」が採用されました。洞窟のなか、ひっそりと暮らしていた彼らがついに日の目をみることになったのです。

(片野)

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