【漫画】店の予約を忘れた忘年会の幹事 しぼりだした打開策に「いっそ清々しい」【作者インタビュー】

■絶体絶命の状況に、まさかの提案をする幹事

　忘年会の当日、若手会社員の宮本は絶体絶命の窮地に追いやられていました。幹事を任されたのにもかかわらず、お店の予約を忘れていたのです。結局言い出せずに、同僚たち15人を案内するふりをしながら街を歩き回り、お店に関する質問にも適当な嘘をついてしまったため、状況はますます悪化していきます。果たして、無事に忘年会は開催されるのでしょうか？

　サレンダー橋本さん（@surrender_h）が「忘年会幹事の失敗」として掲載した『明日クビになりそう』が話題です。いいね数は6000を超えており、読者からは「オチが最高」「清々しいくらいにテキトーでウケた」「このマンガ、ちょっとこうなったらヤバいけどさすがに会社でここまでやらんよなーという「リアルなアウトなライン」スレスレなことやっているからおもしろい」などの声があがっています。

　サレンダー橋本さんは会社員として働く傍ら、漫画家としても活躍しています。お気楽リーマンコメディーマンガ『明日クビになりそう』（秋田書店）が発売中です。

　作者のサレンダー橋本さんにお話を聞きました。

ーー今作『忘年会幹事の失敗』が生まれたきっかけや、理由を教えてください。

　若手時代よく忘年会や送別会の幹事をやっていて、店に向かいながら予約が取れていなかったらどうしようかとよく考えていたので。あとはプレッシャーのかかる場面になると、どうすればこの嫌な予定が中止になるかよく考えてしまうので。日々の積み重ねです。

ーー幹事なのに忘年会の予約を忘れてしまったら、と考えただけで背筋が凍ります。今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか？

　どうやったら忘年会を中止に追い込めるか、あれこれ知恵をめぐらせるシーンでしょうか。自分が熱を出したり、車にぶつかったりしたら同情されて許してもらえるかな、みたいな発想は普段からよくします。

現代社会を生き抜くリーマンたちの日常を描いた『明日クビになりそう』第5巻　著：サレンダー橋本（秋田書店）」　(C)サレンダー橋本（秋田書店）2018

ーー主人公が焦る姿や苦し紛れの発想に思わず笑ってしまいました。特にうれしかったコメントや印象に残った読者の声があれば教えて下さい。

「ワロタ」「テキトー過ぎてクソ笑った」というコメントや、「店員のせいで予約できなかったって言い張ればいいのに」などのコメントが印象に残りました。あとは、「やっぱ忘年会は焼肉だぜ！」みたいなコメントも良かったです。

ーー今作はお気楽リーマンコメディーマンガ『明日クビになりそう』（秋田書店、全5巻）の収録作品です。書籍化の経緯を教えてください。

　連載が始まったのは6年ぐらい前で、当時まだネームも何も描いていなかったのですが、当時の担当さんから「3月号から『明日クビになりそう』という連載がスタートすることに決定したので、話を考えて下さい」と連絡があり、大急ぎで考え、描き、今日に至る感じです。

　そのため、この連載のタイトルも私が考えたものではなく、鴻池剛という漫画家が担当編集との雑談のなかで出したアイデアだそうです。ここまで続くとは夢にも思わず。ありがたいことです。

ーー『明日クビになりそう』の第5巻が2023年4月20日に発売されています。あらすじや見どころを教えてください。

　あらすじは特になく、毎話会社員宮本が仕事でミスを犯す話です。ポコチン・マスクというポコチンにマスクをしたキャラクターが登場するので、強いていえばそこが見どころでしょうか。5巻から読み始めても問題ありません。

ーーサレンダー橋本さんは漫画家のほかに会社員もやっているとのことですが、マンガを描き始めたきっかけはなんだったのでしょうか？

　ちゃんと描き始めたのは「オモコロ」というサイトに入れてもらってからです。

ーー今後、Twitter（現：X）で発表される作品や書籍については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　pythonなどのプログラム言語で自動投稿できないか考えています。どなたか作って欲しいです。

（マグミクス編集部）