【見逃し厳禁】23秋アニメのダークホース4選 「途中から大化け」「いきなりホラー」
マグミクス / 2023年12月28日 16時10分
![【見逃し厳禁】23秋アニメのダークホース4選 「途中から大化け」「いきなりホラー」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_204797_0-small.jpg)
■隠れた名作をスルーするのはもったいない!
2023年の秋アニメは「豊作」と呼ばれ、さまざまな作品が話題になりました。なかでも『呪術廻戦』『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』などのビッグタイトルが大きな注目を集めていましたが、アニメファンを唸らせた作品はそれだけではありません。今回は予想以上の面白さを見せつけ、ネット上で話題になった秋の「ダークホース」アニメを振り返ります。
●『ミギとダリ』
恐らく今期で一番予想外な展開を見せたのは、アニメ『ミギとダリ』ではないでしょうか。同作はひとりの少年「園山秘鳥(そのやま・ひとり)」として生きる双子の「ミギ」と「ダリ」の復讐劇を描いた作品で、裕福で穏やかな園山夫妻に養子として迎えられるところから物語が展開していきます。
彼らの目的については本編を見てもらうとして、復讐劇といっても第1話の時点ではそこまでおどろおどろしい印象は受けないでしょう。謎の入れ替わり技、門外不出の高速肩叩き、やたらカサコソ動き回るミギとダリ……と、むしろ視聴者の目には、シュールなギャグアニメとして映るはずです。
しかし物語が進むにつれて、シュールなギャグアニメは骨太サスペンスへと形を変え、ふたりの復讐劇は思いがけない真相へとたどり着きます。第9話に至ってはもはや本格ホラーと化しており、ネット上でも「なんじゃこの展開は……」「下手なホラーよりホラーしてる」といった声が相次いでいました。
ちなみに問題の第9話のタイトルは「コロスコロスコロスコロスコロス」です。気になるその内容は、ぜひご自身の目で確認してみてください。
●『豚のレバーは加熱しろ』
「中盤から化ける」という意味では、『豚のレバーは加熱しろ』も負けていません。内容を平たくいえば、豚のレバーを生で食べて意識を失った主人公が異世界の豚に転生するという、いわゆる「異世界転生もの」です。
剣と魔法の世界を舞台に、豚に転生した主人公は、天使のようにやさしい少女「ジェス」と出会い仲を深めていきます。なんでもジェスは人の心を読むことができる「イェスマ」と呼ばれる種族だそうで、豚の心を読むこともお手のものでした。
ここからただの豚と心が読める美少女による、いちゃラブファンタジーが始まるのかと思いきや、物語は意外な方向へ舵を切り始めるのです。それもかなりエグい方向に……。
ジェスの口から衝撃の事実が語られるのは、第4話「豚の乗り方には注意しろ」です。ここから物語がシビアになるとはとても思えないタイトルですが、4話以降の展開についてネット上では「ここまで化けるとは思わなかった」「イェスマの宿命がなかなかにエグい」「8話があまりにもつらかった」などの声があがっていました。まずは試しに第4話まで視聴してみてはいかがでしょうか。
■ラブコメの皮を被った『ボボボーボ・ボーボボ』?
●『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』
TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』ティザービジュアル (C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』は、ひとりの主人公が100人の彼女と付き合うという、かなり突飛な設定のラブコメ作品です。原作は「週刊ヤングジャンプ」で連載中の同名マンガで、「次にくるマンガ大賞 2020」ではコミックス部門第2位に選ばれました。その異名は、誰が呼んだか「ラブコメ界のボボボーボ・ボーボボ」です。
物語の主人公、愛城恋太郎(あいじょう・れんたろう)は中学で失恋100回を経験した人物で、「高校でこそ彼女を!」と藁にもすがる想いで神社を訪れます。すると恋愛の神様から「高校で出会う運命の人は100人いる」と告げられるものの、運命の人に出会った人間は、その相手と愛し合って幸せにならなければ死んでしまうといいます。「だったら100人全員と付き合えばいいじゃーん」という結論に至るところから、このとんでもラブコメは展開していくのでした。
しかも作中に登場するヒロインたちはいずれも個性が爆発しており、どこまでもカオスな展開が繰り広げられます。実際に作品を観れば、『ボボボーボ・ボーボボ』と同じフィーリングを感じられるのではないでしょうか。
TVシリーズにはまだ100人のヒロインは登場しておらず、原作ですら今のところ3割程度の人数にとどまっています。すでにアニメ第2期の制作は決まっているので、今後本当にヒロイン100人を達成できるのか、前代未聞のラブコメ作品の行く末を見守りましょう。
●『アンダーニンジャ』
アニメ『アンダーニンジャ』は、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』や『アイアムアヒーロー』の作者である花沢健吾先生の同名コミックスを原作にした作品で、文字通り「忍者」の物語です。「忍者」を扱った作品といえば『NARUTO-ナルト-』『NINKU-忍空-』『バジリスク~甲賀忍法帖~』などの名作が存在しますが、同作はそのどれにも当てはまらない世界観といえるでしょう。
まず物語の舞台となるのは、およそ20万人の忍者が潜伏している現代日本です。主人公の雲隠九郎(くもがくれ・くろう)は忍者組織「NIN(National Intelligence of NINJA)」に所属する末端の忍者で、ニート同然の暮らしを送っていました。
物語序盤はそんな九郎と、彼の住むアパートの住人たちによるシュールな日常が展開されるうえ、話が過去に遡ったり現代に戻ったりと、時系列がかなり入り乱れます。あるいは前知識がない状態で視聴すると、ちんぷんかんぷんになるかもしれません。
ただ同作が凄いのは、今まで散りばめられていた点と点が徐々に結びついていき、話を理解するころには、そのクセのある世界観にどっぷりハマってしまうところです。忍者になりたい外国人も、隈取のJKも、母乳を飲ませようとする汚いおっさんも、一見荒唐無稽のように見えて、ちゃんと物語につながっていきます。
そして「NIN」と敵対するもうひとつの忍者組織「UN(アンダーニンジャ)」が暗躍し始めたとき、序盤のゆるい日常からは想像もつかない展開が幕を開けます。1話切りせずに、ぜひ最後まで物語を見届けてみてください。
ウワサに違わず、粒ぞろいだった2023年の秋アニメに関して、ノーマークだった作品がある人は、お正月休みを使って一気に視聴してみてはいかがでしょうか。
(ハララ書房)
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