1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. アニメ・コミック

セクハラ・持ち逃げ・捏造、殺人も? ハードモードすぎる「アイドル」アニメ3選

マグミクス / 2024年1月9日 21時40分

セクハラ・持ち逃げ・捏造、殺人も? ハードモードすぎる「アイドル」アニメ3選

■社長がお金を持ち逃げ、客にセクハラされるアイドルアニメ

 2023年のアニメを代表する作品といえば、『【推しの子】』を思い出す人も多いのではないでしょうか。可愛らしい絵柄を見て華やかなアイドルアニメかと思ったら、思いのほかシビアな物語が展開して驚いた人もいたかもしれません。今回は、ほかにもある「ハードモード」な展開が続くアイドルアニメを3本介します。

●『Wake Up, Girls!』

『Wake Up, Girls!』は2014年1月から2018年1月まで、さまざまな形で続いたオリジナルアニメです。オーディションの合格者で結成された声優ユニット「Wake Up, Girls!」は、アニメへの出演のほか、単独で全国ツアーを行うなど多彩な活動を行いました。

 2014年1月公開の映画『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』では、「アイドル戦国時代」のさなかに仙台のローカルアイドルグループとして「Wake Up, Girls!」が結成される経緯が描かれます。しかし、キャッチボールをする子供たちのほかは誰もいないような場所でライブをするなど、地道すぎる活動を始めたと思ったら、なんと事務所の社長がお金を持ち逃げしてデビューライブは中止となるのです。

  そして、グループは即解散の危機に陥ります。ラストは衣装も揃わず、それぞれの学校の制服のまま、人もまばらな会場で1曲歌うというものでした。

 TVアニメ『Wake Up, Girls!』は、突然現れたインチキなプロデューサーに露出度の高い水着を着せられた上、健康ランドの男性用休憩所で歌わされるだけでなく、セクハラじみた接待までさせられるという、アイドルとしてはありえないほどのどん底の状態からスタートします。

 それでも帰ってきた社長とともに、地元のローカル局でなんとか地道に活動をスタートするも、単独ライブは客が不入りで失敗。その後、メンバー同士のケンカや、アイドル活動を認めない親とのいさかいなどを乗り越えて、全国的なアイドルイベントへの出演が決まりますが、直前にリーダーがケガをしてしまうという不運が続きました。

 映画『Wake Up, Girls! 青春の影』では、メジャーデビューしたもののプロデューサーが適当に決めた2枚目のシングルが爆死で苦境に陥りますが、映画『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』ではボロボロのワゴン車でライブツアーをするなどコツコツと知名度を上げ、メンバー一丸となって再びアイドルイベントに挑む姿が描かれました。華やかさより厳しい現実が印象に強く残りますが、泥まみれ汗まみれになりながらも地道に夢に向かって進む主人公たちの姿が、さわやかな感動をもたらす作品です。

■活動が徹底的に妨害されるアイドルアニメ

●『アイドル伝説えり子』

『アイドル伝説えり子』レジェンド Blu-ray BOX(メディアファクトリー)

『アイドル伝説えり子』は、1989年4月より放送されたオリジナルアニメです。実在のアイドル・田村英里子さんとタイアップして制作されたことが話題になりました。

 主人公の田村えり子(CV:矢島晶子、歌のパートは田村英里子)は、大手芸能事務所社長の父と元歌手の母のもとで何不自由なく育ちますが、いきなり交通事故で父が死亡、母も昏睡状態に。えり子は歌の才能を見出されてアイドルとしてデビューしますが、父の芸能事務所と財産を乗っ取った叔父・項介(CV:飯塚昭三。名演!)があらゆる手を使って、えり子の活動を徹底的に妨害しはじめます。

 全51話にわたって主人公が次々と降りかかる不幸や苦難と戦いながら、アイドルとして歩み続けるというストーリーが展開します。項介の妨害はさまざまでした。生放送番組に出演するえり子のメイクに細工をする姑息なものから、ステージのセットに置かれた何台もの車を次々とえり子にぶつけようとするという、犯罪としか思えないようなものまで多数ありました。PV撮影でグアムに出かけたときは、屈強な男たちにえり子を襲わせますが、間一髪で元タレントの男に助けられます。

 しかし、これも項介の罠でした。えり子が思わず男に抱きついた瞬間を撮影させて、スキャンダル記事を捏造したのです。仕事が激減したえり子は、地方でのドサ回りを余儀なくされることに……。

 この後も、意識が回復した母が記憶喪失になっていたり、突然えり子の声が出なくなってしまったりと、さまざまなアクシデントが襲いますが、彼女はひとつずつ乗り越えて人気アイドルとして成長していきます。日本を代表するメロディメイカー・筒美京平さん作曲による主題歌、挿入歌が数多く流れるのも重要なポイントです。放映当時は「アイドル冬の時代」に突入しており、けっして注目度は高くありませんでしたが、アイドルアニメの名作と言っていいと思います。

●『パーフェクトブルー』

『パーフェクトブルー』は1997年に公開されたアニメ映画です。『千年女優』『パプリカ』などを手がけた、今敏監督の初監督作品として知られています。公開時は世界で高い評価を受けました。

 3人組アイドルグループ・CHAMのセンターだった霧越未麻は、グループ脱退を宣言して女優に転身します。しかし、やっと出演できたドラマは出番が少なく、激しいレイプシーンまで撮影することに。未麻はバストトップも露わに熱演し、ヘアヌード写真集も出して、少しずつ人気が上昇します。

 しかし、開設されたホームページに書かれた詳しすぎる自分についての日記を読み、ストーカーじみたファンへの不安と自分自身のキャリアへの不安が重なって、未麻の自我は女優としての自分とアイドル時代の自分に引き裂かれていきます。

 同時に未麻の関係者たちが惨殺されていきます。未麻の精神は追い詰められますが、ラストでは事件の意外な真相が明らかになりました。

 美麗な作画と美術、劇中劇を活かした巧みな脚本と卓抜な演出で描かれる残酷でサイコロジカルなアイドルの物語は、徹頭徹尾ハードモードですが、アニメ映画史上に残る作品だと言っても過言ではないと思います。多くのアイドルファン、アニメファン、アイドルアニメファンにぜひ観てもらいたい作品です。

(大山くまお)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください