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状態によっては400万円超えも? 「プレミア化」している幻のマンガ3選

マグミクス / 2024年1月13日 20時50分

状態によっては400万円超えも? 「プレミア化」している幻のマンガ3選

■超人気作家の幻の作品にとんでもない値段が?

 私たちが普段何気なく購入し、読んでいるマンガの単行本や掲載誌は、「作者のサインが入っている」「絶版になっている」「単行本に未収録のエピソードが掲載されている」といった理由から、やがて「プレミア化」することも珍しくありません。

 特に人気作家が初期に発表した作品は、驚くほどの高値で取引されるケースもあります。今回は、そんなプレミア化している作品を紹介します。

●水木しげる『妖奇伝』

『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズでおなじみの水木しげる先生が、貸本作家として活動していた際に発表した『妖奇伝』は、全2巻でプレミア化している作品です。

 水木先生は今でこそ大人気作家ですが、「鬼太郎」が注目される前の貸本時代は、ヒット作に恵まれず貧しい生活を余儀なくされていました。そんなときに発表した『妖奇伝』はおどろおどろしい妖怪が描かれた装丁が特徴であり、特に2巻の表紙を怖がった子供たちは手に取らず、貸本屋から返品が相次いだといわれています。

 そんな背景から『妖奇伝』は個人のもとに残されている数が少なく、2012年放送のTV番組「開運!なんでも鑑定団」において、2冊揃った状態でプロが鑑定した際は150万円もの値段がつけられていました。

 ちなみに『妖奇伝』は「復刻版」も出版されており、内容を読むことそのものは難しくありません。水木先生の生誕100周年記念作品として公開された映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』に関連する短編作品も収録されており、映画をきっかけに水木先生の作品に興味を持った方は必見の内容となっています。

●藤子不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』

 数々の人気作品を世に送り出した藤子不二雄(藤子・F・不二雄、藤子不二雄A)先生は、1953年に「足塚不二雄」名義で、初めての単行本作品『UTOPIA 最後の世界大戦』を出版しています。

 タイトル通り科学が著しく進歩した都市「ユートピア」を舞台に、少年の冒険を描いたこの作品は、現存している数がとても少ないです。『銀河鉄道999』などで知られる松本零士先生は、この単行本を長年所有しており、2017年にこちらも「開運!なんでも鑑定団」にて査定された際は280万の値が付けられています。鑑定士の長島昭利さんのコメントによれば、「背表紙の線がなければ300万円、初版(松本先生所有のものは再販本)で状態が良ければ400万円以上」「まさに幻の本として、マニアが追い求めたもの。現在は20冊弱ぐらい残っている」とのことでした。

 そんな『UTOPIA 最後の世界大戦』のプレミア化については、実写ドラマ、実写映画も制作されたライトノベル『ビブリア古書堂の事件手帖』のエピソードでも取り上げられています。

 なお、『UTOPIA 最後の世界大戦』は、2011年に完全復刻版が刊行されています。以前にも復刻版は刊行されていたものの、表紙や収録作品が異なることから完全なオリジナル通りではありませんでした。しかし、完全復刻版は松本零士先生が保存していた原本をもとに、オリジナルのカラーを忠実に再現していたほか、出版後に発覚した誤植もそのまま再現されているそうです。

●秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

 かつて「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されていた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(通称:こち亀)の作者・秋本治先生は、もともとデビュー時は「山止たつひこ」というペンネームを使っていました。

 これは『こち亀』の連載がスタートした頃に、「週刊少年チャンピオン」で人気を誇っていた作品『ガキでか』の作者・山上たつひこ先生をもじったペンネームです。秋本先生はさらに新人賞へと応募した際は「岩森章太郎改め山止たつひこ」とのもじりも加えていましたが、これは「長いペンネームが編集者の目に止まるように」という理由によるものでした。

『こち亀』はヒットしたものの、山上先生からクレームを受けたことから100話を機に本名に改めた秋本先生は、記念本「超こち亀」にて「本当に申し訳ないことをした」と反省の弁を述べていました。

 そんな本名に改める前の「山止たつひこ」名義で出版されたこち亀の単行本は、1冊1000円~2000円ほどの価格がつく傾向にあります。その背景には、旧ペンネームに加えて差し替えとなった幻のエピソード「派出所自慢の巻」が4巻に収録されていることも関係しています。

 このエピソードは、大原部長が両津、中川に別の派出所への応援を命じたことから始まります。応援を要していた水元公園前派出所は旧日本軍の銃などが飾られており、班長も過激な発言を繰り返していました。班員が全員出払った際、両津と中川は暖を取ろうと飾っていた銃や国旗を燃やす暴挙に出る……という、今では考えられないような内容です。

 今回ご紹介したプレミア化している単行本は、今では誰もが知る人気作家の若かりし頃の作品が中心でした。最初の『妖奇伝』や『UTOPIA 最後の世界大戦』は100万円以上の価値がついているため、手に取ることは難しいですが、復刻版で当時の作風をそのまま楽しむのも良いかもしれません。

(田中泉)

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