【漫画】うつ病の漫画家、復職するも絶望…涙が止まらない日々を変えた「あるある」とは？【作者インタビュー】

■復職するも、思うように仕事ができない

　うつ病で約2週間、仕事を休んでいたものの、「このままではいけない」と復帰を果たした漫画家の如月あいさん（@kisaragi_I）。しかし、病気の影響からか、集中力にムラがあり以前のように仕事が進められなくなってしまいます。このまま無理して続けていても、作品の質が下がるだけではなく、病気が再発してしまうと思い、漫画家に戻ることを諦めることにしました。

　次の方向性を模索しているときに、「一番やりたいこと」として思いついたのは、お菓子作りでした。思い切ってマンガの仕事から距離をとってみると、状況は徐々に変わっていって……？

　如月あいさんによるエッセイマンガ『うつ病から仕事復帰の壁』がX（旧：Twitter）上で公開されました。いいね数は1万を超えており、読者からは「一番いいのは原因から遠ざかることですよね。私も仕事が原因だったので、思い切って辞めて数か月間、趣味を楽しみました」「本来やりたかったこととか、それ以外に目を向けてみるのも大切ですよね！　素敵な話を聞いて勇気が湧きました」「一番の私のうつの原因って何だろう、考えたこともありませんでした。とても勉強になりました！」などの声があがっています。

　如月あいさんは、ご自身の闘病記を描いたうつ病エッセイマンガを毎週日曜にSNSにて発信中です。今回の作品について、如月あいさんにお話を聞きました。

ーー今作『うつ病から仕事復帰の壁』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。

　うつ病になってから、以前のようにマンガが描けなくなってしまい「ほかの漫画家さんには私と同じ道を歩んで欲しくない！」「漫画家さんをうつ病から救いたい！」という思いがあふれてきて、この作品を描きました。

ーー前にできたことができなくなるのはとてもつらいですよね。今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか？

　お優しいお言葉をありがとうございます。こだわったポイントは、「うつ病になるとマンガが描けなくなりますよ」と言うだけでは、うつ病に対する危機感を持ってもらえないと思ったので、どのくらい描けなくなるのかを、できる限り詳しく描きました。昔は何ページ描けたのに、今はこのくらいしか描けない。といった感じですね。

　また、今現在うつ病に苦しむ人の参考になればと思い、うつ病のつらさだけでなく、どのようにしてうつ病から回復していったのかも描かせていただきました。

症状は改善せず状況は悪化するばかり…（如月あいさん提供）

ーー実際にうつ病を経験されたかたなど、たくさんのコメントが寄せられています。特に考えさせられた読者の声や、うれしかったコメントなどがありましたら教えて下さい。

　今まさに、うつ状態で苦しんでいる漫画家さんから相談のコメントをいただいたことです。私なりにアドバイスをさせていただいたのですが、少しでも救いになれていたら本望です。

ーー如月あいさんはご自身の闘病経験をもとにうつ病に関する情報やエピソードを日々アップされていますね。うつ病に関する発信をしようと思ったきっかけや理由を教えて下さい。

　うつ病エッセイは、うつの病状をマンガにして、自分自身を客観視することを目的に描き始めました。なので最初は配信するつもりはありませんでした。

　ですがとあるうつ病患者さんの闘病記を読んだことで、気持ちの変化がありました。闘病記にすごく共感して「わかるわかるっー」と読み進めていくうちに不思議と心が軽くなっていったんです。私のマンガも、もしかしたらうつ病の患者さんの救いになるかもしれない、と思い配信するに至りました。

ーー2024年はどのような創作活動をする1年にしたいですか？

　うつ病エッセイの動画版を配信したいと思っています。実は今制作中で、自分で動画を作ってアテレコにもチャレンジしています。公開日は未定ですがYouTubeでの配信を予定しています。また、うつ病以外のエッセイも描いてみたいと思っています。「便秘を放置したら10万円消えた話」「相撲が好きすぎて力士に会いに行った話」などを計画中です。見ていただけたらうれしいです！

（マグミクス編集部）