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僕もヒーローになれる! 子供の夢を叶えた「子供が変身する」特撮ヒーロー番組3選

マグミクス / 2024年1月24日 7時10分

僕もヒーローになれる! 子供の夢を叶えた「子供が変身する」特撮ヒーロー番組3選

■小学5年生のふたりが友情パワーで変身!

 特撮ヒーロー番組の視聴者は子供が中心であるものの、変身する主人公はおおむね青年以上の大人である、といえる昨今でしょう。過去には子供がヒーローに変身する作品も制作されてきました。

 1972年に放送された『超人バロム・1』は、そうした「子供が変身する」数少ない特撮ヒーロー番組のひとつで、『仮面ライダー』と同じ東映の平山亨プロデューサーが手がけています。原作は『ゴルゴ13』でおなじみ、さいとう・たかを先生のマンガ作品です。小学校5年生の優等生「白鳥健太郎」と、そのクラスメイトで豪腕の「番長」こと「木戸猛」が、右腕をクロスさせ(バロムクロス)「バロム・1」に変身します。

 地球を悪に染めるべく暗躍する悪の化身「ドルゲ」は、悪のエージェント「ドルゲ魔人」を次々と送り込んできます。健太郎と猛は、その最初のドルゲ魔人「オコゼルゲ」の襲撃で窮地に陥るものの、そこへ現れた善の化身「コプー」により「善の力」を授けられ、そして正義のエージェント「バロム・1」に変身する能力を獲得しました。

「バロム・1」のパワーの源は友情で、ふたりが対立していると変身できなかったり、力が発揮できなかったりします。ときに喧嘩をし、ときに協力しながら試行錯誤して「バロム・1」の能力をひとつずつ学んでいくふたりの少年の友情と成長は、物語の主軸のひとつです。

 くしくも同時期に放送された『ウルトラマンA』とは、「ふたりでひとりに変身する」という設定が被りました。『ウルトラマンA』は、青年男女ふたりが変身するというもので、こちらは物語半ばで解消され男性主人公ひとりで変身するようになりましたが、『超人バロム・1』は最終回まで「友情変身」を通しました。

 その『ウルトラマンA』が1年間、全52話放送されたのに対し、『超人バロム・1』は全35話、9か月で終了しました。比較的短期だった理由は、視聴率での苦戦などさまざまあるようですが、劇中の悪役と同姓の外国人家族から名前の使用でクレームが入り、これが報道され騒ぎとなったことも要因のひとつと見られています。

 子供受けは良かったというこの番組、騒動さえなければ、子供が変身するシリーズができていたかもしれません。

■僕の家は宇宙人と戦う秘密基地!

黄色のドラゴンとラビットが兄弟。東宝『円盤戦争バンキッド Vol.1 【名作セレクション】』(東宝) (C)1976 TOHO CO.,LTD

『円盤戦争バンキッド』が放送された1976年は、日清食品のロングセラー「日清焼そばU.F.O.」が発売された年でもあり、世の中はいわゆるUFOブームに湧いていました。『バンキッド』は、そのブームに乗っかった特撮ヒーロー番組で、俳優の奥田瑛二さんが初主演したドラマです。

 物語において、世界各地に飛来するUFOは「ブキミ星人」の円盤とされます。20年後に母星が滅亡すると判明している彼らは、秘かに星全体で地球への移住を画策し、将来的に計画の障害となるであろう地球人の子供達を秘かに洗脳しようと暗躍していました。

 その事実を知っているのは、「宇崎家」のご隠居「宇崎巌(いわお)」ただひとりです。実は巌はすぐれた宇宙科学者で、ブキミ星人の侵略に備えて秘かに「少年円盤遊撃隊」、通称「バンキッド」を組織し、自宅をその秘密基地に改造していました。

「バンキッド」は、奥田さんが演じた宇崎家に出入りする家庭教師「天馬昇(てんまのぼる)/バンキッドペガサス」をはじめとする5人組の変身ヒーローです。巌の孫で小学生の「竜一」は「バンキッドドラゴン」、竜一の弟「純二」は「バンキッドラビット」、竜一の同級生である「牛島二郎」は「バンキッドオックス」、同じく同級生で紅一点の「白鳥ほのか」は「バンキッドスワン」にそれぞれ変身して、人間世界へ秘かに忍び込んだブキミ星人を暴き出し倒していきます。

 一見して普通の日本家屋が、実は秘密基地に繋がっているというのもフックのひとつでしょう。家のアンテナがレーダーであったり、壁に取り付けられたボードゲーム『沈没ゲーム』が秘密基地の扉を開くガジェットであったりと、「もしも自分の家が実は秘密基地だったら」と子供たちが抱く空想を、そのまま映像にしたようなイメージです。このあたりも「普通の子供が変身ヒーローになれる」という願望を叶えてくれているといえるでしょう。

 ちなみにピンク・レディーが『UFO』をリリースしたのは、『円盤戦争バンキッド』終了後である1977年12月のことでした。

■豪華ゲスト! グアムロケ! 潤沢な予算で作られているかと思いきや…

『【甦るヒーローライブラリー 第38集】小さなスーパーマン ガンバロン Blu-ray』(ベストフィールド) (C)サット

『バンキッド』の後番組として放送されたのが『小さなスーパーマン ガンバロン』でした。同じように子供が大人顔負けの活躍をする作品です。

 子供新聞「少年タイムス」の記者でもある小学生「天道輝(てんどうてる)」が、科学者だった祖父の残したシステムを使って「ガンバロン」に変身し、「ワルワル博士」の正体怪人「ドワルキン」と対決します。ちなみにガンバロンに変身した後は、小柄な大人のスーツアクターが演じていました。

『ウルトラマン』で「ハヤタ」を演じた黒部進さんが執事役、『仮面ライダー』で「死神博士」を演じた天本英世さんがワルワル博士役を務めるなど、豪華なキャストで脇を固めています。さらに番組開始当初は「フォーリーブス」や「ザ・リリーズ」などアイドルのゲスト出演や、グアムロケなど、さぞかし潤沢な資金があるのだろうと思わせる内容でした。

 ところが、途中でメインスポンサーが倒産してしまいます。潤沢だったと見られる資金面で困難が生じたようで、シリーズ後半は大人のキャストがこぞって降板し、子供キャストと解説の石川進さんだけの出演となり、大きくスケールダウンしました。敵のワルワル博士も、怪人ドワルキンの姿で固定です。

 やがて迎えた第32話、石川さんが「また来週も見てね」と視聴者に語りかけたにもかかわらず、放送は最終回を迎えます。「ガンバロン」は突如、物語上ではなんの理由もなく、子供たちの前から姿を消したのでした。

* * *

 上述した3つの番組は、いずれも短期で終了しているものの、子供が大活躍する変身ヒーローは珍しいだけに、印象深い作品です。

(LUIS FIELD)

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