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『マイトガイン』伝説の最終回から30年 視聴者を驚かせたラスボスの正体は!?

マグミクス / 2024年1月22日 6時10分

『マイトガイン』伝説の最終回から30年 視聴者を驚かせたラスボスの正体は!?

■大人気作だったゆえに期待の集まった最終回

 本日1月22日は、「勇者シリーズ」第4作のアニメ『勇者特急マイトガイン』の最終回「嵐を呼ぶ最終回」が1994年に放送された日です。放送から30年を迎えたエピソードですが、その与えたインパクトは現在でもファンの間では語り草になるほどでした。

 もともと「勇者シリーズ」は男児向け作品でしたが、それよりも上の層にも特に人気が高かったのが本作『マイトガイン』です。当時のアニメ雑誌の表紙を飾り、何度も特集を組まれていました。今でも、「勇者シリーズ」のなかで特に人気のある作品のひとつです。

 その魅力のひとつに挙げられるのが、主人公である「旋風寺舞人」の存在でした。ロボットアニメといえばリアルな世界観で、主人公が悩むことで成長していくというパターンが主流となった時代とは真逆で、往年のヒーローを思わせる熱血漢の舞人は当時のファン層のハートをガッチリつかみました。

 ヒロイン「吉永サリー」の存在も、多くのファンを生んでいます。やさしく礼儀正しく可憐ながらも芯の強い女性というのも、往年のテンプレートヒロインですが、時期的にあまりなかったタイプだったことが人気に拍車をかけたのでしょう。

 このふたりの他にも、舞人の好敵手となる雷張ジョーも人気の高いキャラでした。他にも1話限りのゲストながらブラックガインや、胡蝶といったキャラも人気があり、幅広い層の視聴者が楽しめた作品だったのです。

 本作は基本的に1話完結スタイルでさまざまな悪と戦う物語でしたが、重要なエピソードは複数回にわたって繰り広げられました。最終回も当然、連続ストーリーになっていて、その伏線は第43話「悪魔の洗礼」から始まっています。

 この43話であらゆる損傷を瞬時に回復する、「魔のオーラ」を持った「洗礼ロボ」が登場しました。舞人もジョーも苦戦するなか、なぜか再生能力が止まってしまうという奇跡が起こり、かろうじて勝利を得ることになります。

 続いての第44話「最後のクリスマス」ではクリスマスパーティー終了後から、本作のラスボスであるブラック・ノワールによる「クリスマス・オペレーション」という世界征服計画が発動、物語は最終回まで怒涛の展開となりました。

 この44話から最終回までの脚本を担当したのが、ベテラン脚本家の小山高生さんです。小山さんは本作のメインライターであり、その世界観構築を担った人でした。過去には『タイムボカン』シリーズ、『魔神英雄伝ワタル』や『ドラゴンボールZ』といった作品のシリーズ構成も手掛けています。『マイトガイン』躍進の立役者のひとりと言えるでしょう。

 ちなみにこのクリスマス・オペレーションという作戦名は、玩具会社に対する皮肉とも言われています。オモチャがもっとも売れる時期はクリスマスということで、どの玩具会社も「クリスマスまでは商品を売れるよう努力するように」という要望をアニメ制作会社に言うのが通例でした。

 つまり、クリスマスが終わったので、これからの展開は製作会社が好きにやらせてもらう。……そうとらえられるわけです。そして、この皮肉はブラック・ノワールというラスボスの正体に直結していたとも言えます。

■予想外のメタ発言に視聴者はポカン

「スーパーロボット超合金 マイトガイン」(BANDAI SPIRITS)

 これ以降の本作の展開は、絶望的な局面が続きます。洗礼ロボが全世界に進撃を開始し、仲間の勇者ロボは次々と倒れていきました。残る敵も少しとなりましたが、決定的な打開策がないまま、舞人たち勇者特急隊は徐々に追い詰められていきます。

 どうにか空中要塞の最深部にいるブラック・ノワールの前までたどり着いた舞人でしたが、そこで衝撃的な発言を聞くのでした。それはブラック・ノワールの正体が、「三次元人」だというものです。

 これにはリアルタイムで観ていた視聴者も、ポカンとしました。なぜなら、三次元は我々視聴者たちの住む世界です。つまり舞人たち『マイトガイン』の作品は二次元、すなわち平面世界と言っているようなものでした。『マイトガイン』は絵のなかの作りもので、今風に言えば「メタ発言」ということになるでしょう。

 もっとも、これは個々の受け取りようだと筆者は思います。ここでブラック・ノワールが別次元から来た異次元人と言われても、使い古されたパターンでインパクトは薄いでしょう。ここで三次元人という言い方をしたことで、視聴者に絶大なインパクトを与えられたわけです。まさしく「コロンブスの卵」と言えるかもしれません。

 この後、魔のオーラを封じ込めた力がサリーの持っていた「イノセント・ウェーブ」だと判明し、その力で舞人はブラック・ノワールを倒すことに成功しました。その最期にブラック・ノワールは、自身も何者かに作られた存在であることを示唆して消えていきます。

 こうしてハッピーエンドを迎えた本作の物語は、舞人とサリーの結婚式で締めくくられました。そしてエンディングでは、そのカットが1枚のセル画だったことが明かされるというところで、『マイトガイン』の物語は幕を閉じます。

 この終わり方について監督だった高松信司さんは、後に「あれは若気の至りだった」「悪趣味でやり過ぎた」というコメントを残していました。このエンディングをどうとらえるかは人それぞれですが、筆者はこんな終わり方もアリではないかと思います。三次元人という言葉にとらわれ過ぎては、その面白さの本質を見失うでしょう。

 この後、高松監督には『黄金勇者ゴルドラン』や『機動新世紀ガンダムX』の最終回でも、盤面をひっくり返すような展開で楽しませてもらいましたし、あの『銀魂』を原作マンガに優るとも劣らぬTVアニメ作品にしたのですから、その手腕は大きく評価されてもいいと思います。

(加々美利治)

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