『鬼滅』柱稽古でも容赦なし！ 久々に見られる炭治郎のお見事な「KY発言」集

■炭治郎の悪気のない「お見事KY発言」の最初の犠牲者は！？

『鬼滅の刃』の「柱稽古編」は、2024年2月からのワールドツアー上映と、2024年春のTVアニメ放送が発表され、「その時」に向けて刻一刻、ワクワクドキドキの胸の高鳴りを募らせているファンの方も多いことでしょう。

「柱稽古編」は鬼の始祖・鬼舞辻無惨との最終決戦を目前に、主人公の竈門炭治郎をはじめ、鬼殺隊の一般隊士たちが、最高位の剣士である「柱」たちのもとで稽古をつけてもらうストーリーです。鬼との戦いこそありませんが、同期の伊之助、善逸、玄弥はもちろん、村田さんたち先輩剣士と一緒にごはんを食べるほのぼのシーンがあったり、元音柱の宇髄天元と3人の妻たちの懐かしい顔が再登場したりします。

　さらに、これまで登場の少ない蛇柱の伊黒小芭内、風柱の不死川実弥、岩柱の悲鳴嶼行冥ら超個性的な柱たちの、「人となり」を知れたりと、見どころが満載となっています。

　そんななかで注目していただきたいのが、久々に炸裂する炭治郎の「KY発言」です。炭治郎といえば、家族思いの心優しい少年で、敵である鬼に対してすら優しさを見せることもあります。そのうえ努力を惜しまず、鬼を倒すために懸命に心身を鍛える、本当に「いい子なのです。

　ただ、ちょっとばかり真面目過ぎて、天然過ぎるのが欠点で、とってもナチュラルに周りがドン引きするような、「KY発言」をしてしまうことがしばしばありました。普段が「いい子」なだけに、彼のKY発言の破壊力は抜群です。

　この記事では、「柱稽古編」で久々に見られる、炭治郎の「お見事すぎるKY発言」をご紹介します。

※この先の記事には『鬼滅の刃』の「柱稽古編」以降のストーリーのネタバレを含みます。

●水柱の冨岡義勇を「点目」、「髪ピョン」にさせるKY発言

「柱稽古編」での炭治郎の「KY発言」の最初の犠牲者は、水柱の冨岡義勇です。お館様から、「（義勇と）根気強く話をしてやってくれないか」と書かれた手紙を受け取った炭治郎は、その言葉に忠実に従い、義勇のもとを訪ねます。

　炭治郎が何度も声をかけても玄関に出てこず、居留守を決めこんでいた義勇ですが、炭治郎はそんなことはお構いなしです。「ごめんくださーい」「冨岡さーん」「こんにちはー」「すみませーん」と繰り返しても無反応なところで、「じゃあ　入りますー」と、「ヒョコーッ」道場に入ってしまうのは、さすが炭治郎のKYぶりが突き抜けている点と言えます。

　これを見た無口でクールな義勇の「目点」「髪ピョン」という、いつもと違うかわいい姿が見られるのなら、炭治郎のKYも悪くはないとニンマリしてしまうファンも少なくなさそうです。

　その後、炭治郎に外出先やトイレにまでついて回られ、話しかけられ続けた義勇は、4日目にして炭治郎の言葉をきっかけに、心の奥にしまい込んでいた一番大切なことを思い出します。そして、そのおかげで、やっと前を向くことができたのです。

　ただ、義勇はいつも説明などの言葉が足りず、蟲柱の胡蝶しのぶからも注意されるほど寡黙すぎるため、彼の心の内はまったく炭治郎には伝わっていません。そのため炭治郎は、「ションボリ状態」の義勇を元気づけるために、寡黙な義勇の負担にならない、「しゃべる必要がないこと」で、柱稽古に参加するきっかけになることを必死に考えます。

　そして、彼なりの最善で最高の「名案」として、「ざるそば早食い勝負」を提案するのです。この炭治郎のナナメ上過ぎる心遣いは義勇をとまどわせ、真顔で「なんで？」と目を点にさせました。

　しかし、これは炭治郎が心遣いにあふれすぎて、思考があらぬ方向に進んだ結果出た言葉なので、KY発言にはカウントしなくても良いかと思われます。その後、並んで蕎麦をすするふたりがどんな風に描かれるのか、TVアニメが楽しみです。

「柱稽古編」では、義勇と炭治郎水の呼吸の兄弟弟子が、最強のコンビネーションで風柱の不死川実弥をKY責めにすることになります……。

■水の呼吸兄弟弟子が繰り広げる「KY波状攻撃」とは！？

●岩柱の悲鳴嶼行冥に真っ向から歯向かうKY発言

豪華メンバーがそろう『鬼滅の刃　柱合会議・蝶屋敷編』キービジュアル(C)吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable

　岩柱の悲鳴嶼行冥のもとで、滝と丸太、大岩による「体力の限界突破」修行に挑んだ炭治郎に、悲鳴嶼さんは訓練をやり遂げたことに加え、「刀鍛冶の里で鬼の妹の命より里の人間の命を優先した…」ことで、「私は君を認める…」と言葉をかけました。

　しかし、炭治郎はその言葉を「認められては困ります」と真っ向から拒否します。刀鍛冶の里で鬼を倒すことができたのは、自分の手柄ではなく、妹の禰豆子や他の人たちの助けがあったからだと言うのです。

　悲鳴嶼さんといえば、現役の柱たちのなかでは最年長で、個性派ぞろいの柱たちをまとめる存在であり、性格は心優しく穏やかとはいえ、戦闘力は鬼殺隊最強と言われる存在です。そんな人が涙を流しながら褒めてくれるのですから、素直に「ありがとうございます！」と受けて良いのではないか、否定するなんて失礼だと普通なら考えそうですが、そんな「普通の枠」からはみ出るのが炭治郎です。

　前述の「認められては困ります」に続いて、さらに真顔で「だから俺のことを簡単に認めないでください」と、超直球のKY発言を繰り返しました。

　しかし、そんな炭治郎だからこそ、悲鳴嶼さんは自分の過去を話し、炭治郎の素直さに接して、疑い深くなる前のように思わず頭をなでてほほ笑みを見せたのでしょう。炭治郎のKY発言は、こんな風に予想外の良い結果をもたらすこともあるから、憎みきれないのかもしれません。

●風柱の不死川実弥へのKY波状攻撃

「刀鍛冶の里編」では、優しくて頼れる兄の一面を見せた風柱の不死川実弥ですが、柱合裁判で箱ごと禰豆子を日輪刀で刺した、あの凶悪なイメージを完全に払拭できたわけではなく、まだ彼に対してマイナスのイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか？　それは妹思いの炭治郎も同じでした。

　柱稽古で実弥の稽古に行った際、「調子乗んなよォ　俺はテメェを認めてねえからなァ」と、すごむ実弥に、「全然大丈夫です！　俺も貴方を認めてないので！　禰豆子刺したんで！」と、キリッと正面から返すほどです。鬼殺隊では最高位である柱に対して、そして「あの」実弥相手にこんな返しをするなんて、あまりにも「怖いもの知らずなKY発言」と言えます。

　さらに、「柱稽古編」で最大級の「炭治郎のお見事すぎるKY発言」も、実弥に向けて発せられたものです。

　実弥と玄弥の兄弟ケンカに端を発した大乱闘によって、炭治郎が実弥との修業中断と接近禁止を命じられた後のことでした。義勇のもとに向かう途中で目撃した実弥と義勇の柱同士の手合わせをケンカだと勘違いした炭治郎は、ふたりの間に割って入ると、いきなり「おはぎの取り合いですか？」と言い出すのです。

「ふざけてやがるなァァ…」と、どす黒いオーラを発しまくる実弥に対して、炭治郎が「不死川さん　おはぎ大好きですよね（臭いで気付いていた）」と追い打ちをかけ、そこにまったく悪気なく義勇が「不死川は…おはぎが好きなのか…」と、えぐってくるという、水の呼吸の兄弟弟子の見事な「KYの波状攻撃」を繰り広げます。

　原作ファンの間では、レジェンド級とされる「こしあんですか？　つぶあんですか？」の名ゼリフも、この兄弟弟子の波状攻撃の一連の中で飛び出しました。これまでとは違った意味で、目が離せない「神回」となりそうです。

　おはぎがらみのKY会話は、炭治郎が実弥にぶっ飛ばされて気絶して目覚めた後も続き、原作マンガではトータルで4ページにも及びます。ちなみに、音柱の宇髄天元、霞柱の時透無一郎との稽古がそれぞれ約1ページ、恋柱の甘露寺蜜璃は再会のご挨拶からおやつの話まで含めても2ページでした。

　アニメでは、それぞれの柱たちとの稽古がどのようにビジュアル化されるのかも楽しみですし、今回の「KYの波状攻撃」シーンへの期待も高まります。「柱稽古編」の放送が待ち遠しいですね。

（山田晃子）