「観なきゃ後悔?」「ロスが止まらん…」 良い最終回だった秋アニメ3選
マグミクス / 2024年1月21日 21時10分
![「観なきゃ後悔?」「ロスが止まらん…」 良い最終回だった秋アニメ3選](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_207981_0-small.jpg)
■観て良かったと思える作品の数々
2023年の秋アニメは近年稀に見る大豊作と呼ばれ、さまざまな作品がしのぎを削っていました。大きな盛り上がりを見せた分、最終回の放送によって、軽い「ロス状態」になっているアニメファンもいるのではないでしょうか。今回はそんな人のために、「完璧な最終回だった」と評判を呼んだ作品を振り返ります。
終盤に盛り上がりを見せた秋アニメといえば、まずGEEKTOYS×CompTownがアニメーション制作を行った『ミギとダリ』を挙げられるでしょう。神戸市北区にあるとされる「オリゴン村」を舞台とした作品で、とある老夫婦の家に養子として潜入した双子の美少年「ミギ(CV:堀江瞬)」と「ダリ(CV:村瀬歩)」が、「園山秘鳥(そのやま ひとり)」というひとりの人間を装いながら復讐に邁進(まいしん)していきます。
あらすじだけ聞くとちょっと怖い雰囲気のホラーサスペンスといった印象ですが、むしろこの作品の魅力はシュールなギャグにありました。ミギとダリを始めとした登場人物たちの行動が無駄にスタイリッシュだったり、「それはさすがに無理があるでしょ」とツッコミたくなるような方法で一人二役を演じたりと、所々でシリアスな笑いを挟み込んでくるのです。
それもそのはずで同アニメの原作者は、2023年8月に亡くなった漫画家の佐野菜見先生で、代表作のひとつであるマンガ『坂本ですが?』も、スタイリッシュでシュールなギャグで多くの人びとを楽しませてきました。
しかし『ミギとダリ』はただ笑えるだけのギャグアニメではなく、中盤以降はかなり本格的なホラーサスペンスに姿を変えます。サスペンスの皮を被ったギャグではないことに、視聴者は一周回って驚いていたようですが、なんと最終回はかなり綺麗なハッピーエンドで幕を閉じました。
しかも物語のラストでは、原作者の佐野先生を偲ぶメッセージがアニメのなかで描かれ、こちらも大きな話題に。原作に多大なリスペクトを寄せ、その魅力を余すところなく再現した、幸せなアニメ化だったように思えます。
■「おでこぱしー」が尊すぎた「きらら系」作品
画像はTVアニメ『星屑テレパス』キービジュアル (C)大熊らすこ・芳文社/星屑テレパス製作委員会
Web発の人気ライトノベルをアニメ化した『陰の実力者になりたくて! 2nd season』もまた、最終回が話題になった作品です。文字通り2022年秋に放送されたアニメ第1期の続編で、今回の2ndシーズンでは原作4巻の中盤あたりまでのエピソードが描かれました。
設定としては、主人公がチート級の能力を誇る異世界ファンタジーなので、中身を確認せずに何となくスルーしてしまった人も多いかもしれません。しかし同作の真骨頂は、そんなテンプレともいえる要素を逆手に取ったすれ違いギャグや、観ているこっちにまで影響を及ぼしそうな主人公の中二病ネタなどにありました。「なろう系」にあまり親しんでいなくとも、キレキレなコメディ要素に笑っているうちに、気付けば作品の虜(とりこ)になってしまうはずです。
そしてアニメ2期の最終回は物語の区切り方もさることながら、第1期を踏襲した粋な演出が話題になりました。1期のOP主題歌「HIGHEST」をサブタイトルとし、エンディングで同楽曲を流すという「エモい」サプライズ演出があったのです。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』もそうでしたが、最終話で1期のOPが流れるアニメはだいたい神アニメだと相場が決まっています(多分)。
「エモい」という意味では、2023年秋のきらら枠『星屑テレパス』も負けていません。同作は「まんがタイムきらら」で連載中の大熊らすこ先生による4コママンガを原作とした、女子高生たちがロケットを作る青春ストーリーとなっています。
本作の見どころのひとつといえるのが、コミュニケーションが苦手な小ノ星海果(CV:船戸ゆり絵)と、自称宇宙人の明内ユウ(CV:深川芹亜)による異文化コミュニケーションでしょう。ユウは人と額を合わせることで相手の考えていることを読み取る「おでこぱしー」という能力を持っており、これが百合的な意味で非常に美味しい設定なのです。
特に最終話で描かれた「おでこぱしー」にまつわるふたりの関係性の変化は、歴戦の百合ファンも「なるほど! そうきたか!」と膝を叩いてしまうほどでした。「おでこぱしー」の尊さだけで、この作品を最後まで見て良かったときっと思えるはずです。
今期も多くの話題作が放送されているため、アニメファンは多忙な日々を送っているかと思いますが、合間を縫って2023年に見逃した作品を追ってみてはいかがでしょうか。
(ハララ書房)
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