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「ガンダム」主人公のちょっとクセが強めな父親たち 理想の父ちゃんには程遠い…?

マグミクス / 2024年1月20日 6時10分

「ガンダム」主人公のちょっとクセが強めな父親たち 理想の父ちゃんには程遠い…?

■父親として息子を愛していたが…

「機動戦士ガンダム」シリーズでは、しばしば主人公の父親が物語に大きな影響を与える形で登場します。彼らは物語の中でどのような行動を取り、そして最期を迎えたのでしょうか。いわゆる「宇宙世紀」シリーズから3人の父親の辿った歩みを見ていきましょう。

●テム・レイ 『機動戦士ガンダム』

 シリーズ第1作『機動戦士ガンダム』に登場した「テム・レイ」は、地球連邦軍の技術士官で、「ガンダム」「ガンキャノン」「ガンタンク」の開発において中核を担った人物です。モビルスーツ(MS)の開発に熱中しており、息子である「アムロ・レイ」の事は放置気味でしたが、アムロもメカいじりを始めると食事も忘れて熱中してしまうタイプなので、非常に似ている親子といえるでしょう。

 テムは、机の上にアムロの写真を置いていたり、アムロと同年代の少年兵の存在を気にしたり、戦闘中に再会したアムロに避難を強く促したりと、父親として息子への愛情はしっかり持っていました。ただし妻である「カマリア・レイ」との関係は希薄であり、別居する際にも特に引き留めた様子は無かったようです。

 アニメ第1話にて、スペースコロニー「サイド7」が、ジオン公国軍のMS「ザクII」の襲撃を受けた際には、「ガンダム」を「ホワイトベース」に戻して戦闘準備を整えるために「避難民より『ガンダム』が先だ」と、非情にも思える言葉を放っていますが、反撃しなければ「ガンダム」も避難民も一方的に蹂躙されてしまうため、これは致し方ないともいえるでしょう。

 なんとか「ガンダム」を搬送しようと奮闘していたテムは、アムロが撃破した「ザクII」の爆発により損傷したコロニー外壁の穴から宇宙に放り出され、生死不明となってしまいます。

 その後は運よく救助されたようで、物語も終盤に差しかかった第33話「コンスコン強襲」にて、サイド7からは遠く離れた別のスペースコロニー「サイド6」で暮らしているところをアムロに発見されます。ただ、漂流中に酸素欠乏症で脳に障害を抱えたのか(とアムロは推測)、奇跡的な出会いにも関わらずほとんど感情を動かした様子が見られない、異様な対応を取っていました。技術者としての能力も大幅に減退した様子で、時代遅れの(とアムロが評する)パーツを「ガンダム」に取り付けるよう、嬉々とした様子でアムロに手渡しています。

 続く第34話「宿命の出会い」では、アムロにパーツは効果があったはずだと詰め寄り、アムロがそれに話を合わせると大喜びをし、その後はまるでアムロの相手をせず机に向き直っていました。すでに技術者としての本能が辛うじて残っていただけだったのでしょう。その後、TV中継を通して熱狂しながら「ガンダム」の活躍を見届ける、というシーンで、TVアニメ版での出番は終了となりました。

 なお劇場版では、TVアニメ版同様に「ガンダム」の活躍を見届け、喜びを爆発させているさなか、足を滑らせて階段から落ちて動かなくなる、という描写がなされました。劇中でその生死については触れられていません。のちに富野由悠季監督が執筆した小説『密会~アムロとララァ』(角川スニーカー文庫)では、死亡したことが明かされています。

■父親としての役割から逃げた男たち

カミーユの父親は「ガンダムMk-II」の開発主任だった。画像はBANDAI SPIRITS「HG 1/144 ガンダムMk-II(ティターンズ仕様)」 (C)創通・サンライズ

●フランクリン・ビダン 『機動戦士Zガンダム』

『機動戦士Zガンダム』の主人公である「カミーユ・ビダン」の父親「フランクリン」も、テムと同様にMS工学のスペシャリストであり、「ガンダムMk-II」の開発主任を務めていた人物です。テストパイロットも務めているため操縦技術は高く、結果としてそれが死の遠因ともなっています。テムと同じく仕事に熱中する性格で、家族を顧みないため夫婦仲は冷え切っている上に愛人がおり、家庭環境は完全に崩壊していました。

 物語序盤、「ティターンズ」の「ガンダムMk-II」が「エゥーゴ」に奪われた際には、自身が開発したにも関わらず「あんなもの、くれてやってかまわないでしょう」と言い放っています。これは、技術の進歩が極めて早いためすぐに陳腐化することを見越した発言でもあり、技術者としての知見は高いことがうかがえるでしょう。

 ティターンズの策謀により妻である「ヒルダ」を殺害された際に、カミーユに愛人の事を咎められ面目を失うなど、紆余曲折あってエゥーゴに亡命しますが、「リック・ディアス」に並々ならぬ興味を抱き、これを強奪してティターンズへの帰還を試みます。しかしカミーユに追われるなかティターンズとエゥーゴの乱戦に巻き込まれ、あっけない最期を遂げました。

●ハンゲルグ・エヴィン 『機動戦士Vガンダム』

『機動戦士Vガンダム』の主人公「ウッソ・エヴィン」の父親、「ハンゲルグ・エヴィン」は、ウッソを幼いころから鍛え上げ、優れた戦士へと育てた人物です。「ザンスカール帝国」に対抗して結成されたレジスタンス組織「リガ・ミリティア」の創設者「ジン・ジャハナム」を名乗る人間のひとりでもあり、組織運営や交渉人として卓越した手腕を持ち、地球連邦軍やMSメーカー「アナハイム・エレクトロニクス」との人脈を築いて戦力の強化に大きな役割を果たしました。

 しかし、父親としてはウッソと上手くコミュニケーションできておらず、その「父親」という役割からは逃げ出そうとするそぶりが多く、ウッソがわずか13歳でエースパイロットになったことは想像を超えていたようで、戸惑いすら見せています。

 最終決戦時には「リガ・ミリティア」の旗艦である「ジャンヌ・ダルク」に乗艦し、リーダーとして指揮を執りますが、艦に致命的なダメージを受けてもはや特攻しかなくなった際には、いつの間にか姿を消しています。

 脱出したといわれていますが、特攻時には一瞬、顔のイメージが映し出され、ウッソも死を感じ取っている描写があるため、戦死した可能性も残されています。なお、小説版では生き残り、今後の脅威となる木星開発公団の調査に向かったことが確認されました。

(早川清一朗)

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