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【漫画】体育館倉庫に閉じ込められた男女 物静かな女子が豹変? 展開が「思ってたのと違う」【作者インタビュー】

マグミクス / 2024年1月25日 11時10分

【漫画】体育館倉庫に閉じ込められた男女 物静かな女子が豹変? 展開が「思ってたのと違う」【作者インタビュー】

■倉庫内で始まったゲームとは 想定外の展開が面白い

 体育の授業後、体育館の倉庫を片付けていた常深くんと綴野さん。ふたりはあるきっかけで友達に。清楚で物静かな綴野さんですが、突然倉庫の扉を勢いよく閉めました。倉庫内で男女がふたりきり、始まったのは「脱出ゲーム」で……。

 ヨウハさん(@yoouhaaa)が「しまった!!体育館倉庫に閉じ込められた!!!!」としてX(旧:Twitter)で公開した創作マンガが話題です。本作は「サンデーうぇぶり」にて連載中の『私と脱出しませんか?』からの一編。考えすぎる主人公の常深くんが、脱出ゲームマニアのクラスメイトである綴野さんから仕掛けられた謎解きに挑みながらさまざまな場所から脱出していく異色のラブコメ作品で、読者も謎解きを楽しめる構成になっています。

 読者からは「面白かった」「ドキドキの展開かと思いきや、楽しそうでいいね」「こういう人がいたら学校生活楽しすぎる」「すごい真剣に謎解きしてしまった」などの声があがり、投稿には4.3万いいねの反響が集まっています。

 作者のヨウハさんに、お話を聞きました。

ーー『私と脱出しませんか?』のお話はどのように生まれたのでしょうか?

「サンデーうぇぶり」での連載を目指していろいろな企画を出していたのですが、連載会議まではいってもなかなか通らなかったという時期の話です。「もうアイデアなんて出ないよっ!!!」となっていた私を見かねた担当編集さんが「とにかく好きなもの、今までの習い事、趣味などを一覧にして出してみよう。そこから連載に向けたネタを何か考えよう」と打診してくれました。

 そのなかのひとつに、学生の頃から趣味で遊んでいた「リアル脱出ゲームをはじめとする謎解きゲーム」を入れたところ、「リアル脱出ゲームを題材に試しに描いてみましょうか」と言われたことがすべての始まりです。

「いやいや謎解きとか作ったこともないし無理だよ!」と内心思っていたのですが、いざ3話分のネームが完成すると、今までの苦労は何だったのかという勢いで、あれよあれよと連載が決まっていました。

『私と脱出しませんか?』の単行本が4巻まで発売中(小学館)

ーー作中では毎回謎解きがあり、複雑なしかけと解けたあとの爽快感が素晴らしいです。謎はどのように考えていらっしゃるのでしょうか?

 リアル脱出ゲームを運営するSCRAPさんが監修に入っているのでよく誤解されるのですが、作中の脱出ゲームはすべて自分で作成しています。SCRAPさんには担当編集さんを通して「謎として成立しているか」のチェックをしてもらっています。一度も「こういう脱出ゲームをやってくれ」とか「SCRAPの宣伝になるような内容にしてくれ」などといったことは言われたことがないです。(そもそも監修に入っていただくことが決定したのも連載決定からかなりあとのことでした。)

 私のゲームの作成方法は、おそらく通常の謎解き制作者さんとは全然違うと思います。まずは謎を抜きにしてマンガの大まかなストーリー面でのプロットを立てます。それに合わせて「ここではこういうリアクションを取らせたいから、こういう謎を入れた方がいいな」といった「キャラクターの感情ありき」で謎を作っています。

 一度始まってしまったゲームを途中で変更することはほぼ不可能なので、ひとつのゲームに対して、一気にキャラの行動なども含めてかなり細かく決めないといけないのがこのマンガの最大の難関かもしれません。

 また、「どうしてこんなにバンバン謎解きを思いつくんですか?」とよく聞かれますが、とにかく過去に遊んだゲームの経験や、なるべくインプットを絶やさないようにすることで、何とか騙し騙しやれている状態です。正直マンガを描いている時間よりも謎解きを考えている時間の方が長いので、自分の職業がたまによく分からなくなったりします。ただマンガを描くだけでも時間がかかるのに、なんでこの連載が続けられているのか分からない、と自分でも思うくらい常時切羽詰まった状態で、気合いで謎をひねり出しています……。

ーーX(旧:Twitter)で投稿された「体育倉庫編」にはたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「エロマンガだと思って読み始めたら謎解きが面白くてついつい読んでしまった」といったものですね(笑)。正直『私と脱出しませんか?』のマンガはX(旧:Twitter)と相性がとても悪いと思っていまして……。

 というのも、X(旧:Twitter)はささっと流し読みするのが主流のSNSだと思っているのですが、『私と脱出しませんか?』はじっくり読まないと謎解きはできないし、たまにページを行ったり来たりしなきゃいけない、とてもカロリーの高いマンガです。

 現に今までは、これほどたくさんの「いいね」をいただけることはありませんでした。今回の投稿では1ページ目に綴野さんが扉を勢いよく閉めるシーンを入れたことで、前述の通り「まさかこの流れから謎解きをさせられるとは思わなかった」という人にもリーチできたのかなと思っています。

ーー『私と脱出しませんか?』の単行本が4巻まで発売中です。単行本の見どころを教えて下さい。

 各巻で行われるさまざまな「リアル脱出ゲーム」を楽しんでほしいのはもちろんのこと、「リアル脱出ゲーム」を通して主人公の常深くんとヒロインの綴野さんの関係性が少しずつ進展していく様子をぜひ楽しんでいただきたいです。

 手前味噌で恐縮ですが、特に4巻の「お台場周遊謎編」は、ふたりの甘酸っぱいやりとりをこれでもかと詰め込んだ1冊になっているので、ぜひラブコメが好きな方にも読んでいただきたいです。

ーー現在の創作活動や、今後の活動のご予定などについて教えて下さい。

 現在『私と脱出しませんか?』の連載の方では、新たなキャラクターが登場し、作中の脱出ゲームも佳境となっています。「サンデーうぇぶり」のアプリでは初回全話無料で読めるので、まだ読んでない方はぜひとも追いついて一緒に今回のゲームのラストに挑んでいただきたいです。

 単行本派の方は、お待たせしており申し訳ないです。まだこれからですが、ちょっとずつ5巻の単行本作業も入ってくると思うので、気長にお待ちいただけましたらうれしいです。

『私と脱出しませんか?』を以前から応援して下さっている皆様、いつもありがとうございます。今後も面白いゲームや展開になるよう精いっぱい頑張って参ります。ぜひ変わらぬ応援のほど、よろしくお願いいたします。

 初めて『私と脱出しませんか?』を知ったという方へ、このマンガは「リアル脱出ゲームに興味はあるけどよく知らない」という方に少しでも魅力を届けられたらという思いで描いております。少しでも興味がある方はぜひ読んでみてください。

(マグミクス編集部)

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