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『スパイダーバース』続編に登場? 原作者も一目置く「日本発のスパイダーマン」とは

マグミクス / 2019年12月18日 17時10分

『スパイダーバース』続編に登場? 原作者も一目置く「日本発のスパイダーマン」とは

■「黒歴史」扱いの裏で愛されてきた、日本発のクモ男

 2019年のアカデミー賞で長編アニメーション部門を受賞したCGアニメ映画 『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編映画が2022年4月に全米公開予定ですが、その作中で日本版の「東映スパイダーマン」が登場することが明らかになっています。

 前作に続いて製作を務めるフィル・ロードがTwitterでこのことを明かしています。『スパイダーバース』では多次元のスパイダーマンが集結し、バラエティに富んだスパイダーマンたちが活躍しましたが、ファンの間でも伝説となっている「東映スパイダーマン」が続編に入るということで、大きな話題になっています。

 東映スパイダーマンは、東映とマーベルが契約して制作され、1978~79年に実写の特撮シリーズとして放送されたシリーズです。主人公はスパイダー星人から蜘蛛の能力を与えられ、スパイダーマンとなって活躍しますが、設定が日本であり、ストーリーのクライマックスでは巨大ロボット「レオパルドン」が登場するという、独特の設定や演出で知られています。ファンの間では「黒歴史」といわれることもありますが、約40年前に日本のスパイダーマンが公式に作られていたのです。

 スパイダーマンの生みの親であるスタン・リーは、「スパイダーマン 東映TVシリーズ DVD-BOX」に収録のインタビュー映像のなかで製作当時の思い出を語り、「番組は日本的なスタイルで好感が持てた。…(レオパルドンについて)とても格好いいロボットだった」と評しています。

 この東映スパイダーマンは、近年も動画サイトなどを通じてファンの間に浸透。『スパイダーバース』のコミック版「Amazing Spider-Man」誌12号で突如として登場したことでも話題になり、公式でもスパイダーマンの一員として認められていたと、ファンを大いに喜ばせました。

■「本家」の作品にチョイ出演を経て、いよいよスクリーンへ

2022年公開予定の『スパイダーバース』続編ティザーロゴ

 話題沸騰の東映スパイダーマンが、実は『スパイダーマン:スパイダーバース』第1作に「カメオ出演」していることも、ファンの間では知られています。主人公が自室でスケッチするシーンに、レオパルドンがイラストで登場しているのです。

 プレイステーション4用ゲーム『Marvel’s Spider-Man』にも、東映スパイダーマンの痕跡があります。プレイ開始の際に、「地獄からの使者スパイダーマン!」という、東映スパイダーマンの決めセリフが日本語音声で吹き込まれているという、憎い演出が入れられているのです。

「マーベルヒーロー」と「巨大ロボット」のギャップばかりが取り沙汰される東映スパイダーマンですが、実はストーリーも目を見張るものがあります。瀕死の少年のためにスパイダーマン自らの輸血したエピソードがあり、その後のエピソードでスパイダーマンが瀕死の場面で少年が名乗り出て輸血をするという熱い展開もあります。

 ちなみに、東映スパイダーマンよりも先に、日本のスパイダーマンと呼ばれた作品もあります。漫画家・池上遼一先生が1970~71年に連載していた『スパイダーマン:』を元祖・日本のスパイダーマンとする人もいるでしょう。

 約40年前に登場した日本のスパイダーマンがハリウッドのスクリーンに登場するという話は、ファンにとっては嬉しい限りです。『スパイダーバース』続編への期待は、日本国内でいっそう高まることでしょう。

(大野なおと)

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