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人気インディーゲーム『8番出口』大ブームのワケ 2013年ヒットの「クッキーババア」の面影あり?

マグミクス / 2024年1月30日 19時10分

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■駅の地下通路は、やはりダンジョンだった!

 2023年11月29日、ネットでしばしば話題にされる「駅(の地下通路)はダンジョンである」という概念を形にしたようなホラーゲーム『8番出口』が、PCダウンロードゲームプラットフォームのSteamでリリースされ、発売初日から3万本超を売り上げる大ヒットを記録しました。

『8番出口』は、プレイヤーが迷い込んでしまった駅の地下通路からの脱出を目的とするゲーム。操作は前後左右への移動、歩行/ダッシュの切り替え、視点の移動のみというシンプルさで、誰でもすぐに慣れられます。

 脱出するためのルールも単純明快で「異変を見逃さないこと」、「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」、「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」、「8番出口から外に出ること」という4つの文章ですべてが説明されています。

 異変を見つけるというのは、言い換えるなら「間違い探し」です。「間違い探し+ホラー」という分かりやすさはゲーム実況とも相性がよく、日本のみならずさまざまな国で実況・紹介されたことが、初日からのヒットを後押ししてさらなるブームを呼びました。

 本作にはストーリーがありませんが、それも強みのひとつであると感じます。プレイしていてホラー描写にゾッとすることがあっても、物語や設定などが詳細に描写されないことでお化け屋敷のように後を引かないので、ガチガチのホラー作品は苦手な筆者も楽しく遊べました。

『8番出口』のような個人~少人数の制作体制による小規模なゲームは、インディーゲームと呼ばれます。フルプライスの本格的なゲームと比べるとシンプルかつ安価で、気軽に味わえるのが特徴で、ゲームを遊ぶうえで「タイパが良い」ともいえます。

 タイパ(タイムパフォーマンス/時間対効果)は令和になって生まれた言葉ですが、本作のブームはタイパを重視する若い人たちによってもたらされたかというと、そういうわけでもありません。筆者は『8番出口』のブームを見て、2013年の無料Webブラウザゲーム『Cookie Clicker』を思い出しました。

●2013年に日本でブームを呼んだ「クッキーババア」
『Cookie Clicker』はフランスのプログラマーが個人で手がけたゲームで、2013年夏にリリースされると、ほどなくして日本でも大きな話題になりました。

 画面上のクッキーをマウスで1回クリックするとクッキーを1枚焼けるというシンプルなゲームですが、すぐにグランマ(おばあちゃん)が代わりに焼いてくれるようになり、工場で大量生産するようになり、やがて宇宙を航行する貨物船で「クッキー惑星から新鮮なクッキーを大量輸入するようになり……と、画面を見ているだけでおびただしい数のクッキーが増えていくようになります。

「クッキーババア」というのは、前述したグランマの愛称です。まるで怪異か何かのような呼ばれ方ですが、ゲームを進めるとグランマひとりが1秒で何千枚、何万枚という人間離れした数のクッキーを24時間作り続けるようになるので、あながち間違いでもない気がします。

 筆者は『Cookie Clicker』のブームを実際に体感しましたが、当時も若い人たちだけが盛り上がっていたわけではありません。『8番出口』ともども、「おもしろいゲームがあるなら、即飛びつく」というゲーマーのサガが、SNSや動画配信者の定着という時代の流れとうまく噛み合って大きなブームを生み出したのだと捉えています。

 アップデートが継続的に行われる基本無料のスマホゲームや、大規模なプロジェクトによって作り込まれたフルプライスのゲームにはそれぞれ独自の魅力がありますが、『8番出口』はインディーゲームならでのは手軽さ、フットワークの軽さが色濃く出た1本になりました。PCをお持ちの方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。

(蚩尤)

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