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「ポケモンのパクリ」議論巻き起こる『パルワールド』  ヒットの一方で「怒り」の声上がるワケ

マグミクス / 2024年1月29日 18時50分

「ポケモンのパクリ」議論巻き起こる『パルワールド』  ヒットの一方で「怒り」の声上がるワケ

■世界的にブームで大人気な『パルワールド』が怒られるワケ

 2024年1月19日に発売された『パルワールド』が大人気となっています。本作は日本のゲーム開発会社ポケットペアによって制作された作品で、ジャンルはオープンワールド・サバイバル・クラフトゲームです。

 本作の舞台は、「パル」と呼ばれる不思議な生き物がたくさん生息する島。プレイヤーはパルと戦ったり、木材や鉱石などの資源を確保したりしつつ、この島でサバイバルしていきます。一番の大きな特徴は、スフィアと呼ばれるボール状のアイテムでパルを捕獲して、拠点で働かせることができる部分です。

 ざっくりいうと、いま流行りのサバイバル・クラフト系をベースにし、ポケモンをパロディしたゲームとなっています。リリースから5日半で売上本数は800万本を越え、Steam(PC版)の同時接続プレイヤー数も185万人を突破。日本のみならず、世界で大人気のゲームといえるでしょう。

 一方で、『パルワールド』に対して反感を持っている人も少なくありません。なぜこのゲームは怒りを買うのでしょうか?

 第一の理由としては、宣伝が刺激的だったことが挙げられます。たとえばPVでは、明らかにポケモンに似せたパルが出てきますし、プレイヤーがパルたちと戦うところがフィーチャーされています。紹介文章では、パルを倒して肉を食べたり、強制労働させられたりするという部分が強調されているのです。

 今はゲームを売るのにも話題性が重要で、とにかくユーザーの目に留まるプロモーションが求められます。すでに人気のある続編ものはともかく、まったく新しいゲームタイトルはSNSなどで話題になるような工夫が必要です。

『パルワールド』はその手段として、ポケモンに似たパルを前面に押し出しているのです。当然ながらその行為には「ポケモンのパクリじゃないか」「ポケモンのような生き物がこんなことをしていいのだろうか」といった意見が出てきます。

 話題性を獲得するということは、ある意味で反発を得るということでもあります。『パルワールド』はそういった手段を選んだゲームだと捉えることも可能です。

『パルワールド』が怒られる理由はこれだけではありません。実は、ポケモンが持つタブーに触れてしまったところも大きいのです。

■『パルワールド』が触れてしまった「ポケモンのタブー」とは?

拠点防衛もパルたちの役目。一見かわいいパルも銃を持てば頼りになる存在に。『パルワールド』画像はSteamより (C) Pocketpair, Inc.

 ご存じのように、ポケモンは世界で大人気のゲームかつキャラクターコンテンツです。もともとはゲームボーイの作品からはじまったわけですが、いまやグッズ・イベント展開も多数行われており、老若男女に愛されています。

 こういう状況になってくると、ポケモンにはタブーが発生します。つまり、キャラクターコンテンツなのだから無茶苦茶なことはしていけないのです。たとえばアニメでは、ポケモンを無理やり捕まえるよりも、心を通わせて仲間になるほうがベターな描写になっていきます。

 すでに論じたように、『パルワールド』ではこのあたりのタブーに積極的に触れていきます。プレイヤーがパルを殴ったり銃で撃ったりすることもできますし、パルの肉や卵も食べられます。死ぬまでパルを無理やり働かせることも可能です。タブーをおかしたと怒る人が出てきても当然ですよね。

 もっとも、ポケモンの世界にも悪人がいるわけで、もしかするとそういう人たちが同様の悪事を働きかねないわけです。とはいえ、そこはタブーとして触れられない(誰も手をつけていない空白地帯となっている)ので、『パルワールド』はチャンスを掴めているとも考えられます。

 もうひとつの理由として、パロディに対する抵抗感も挙げておくべきでしょう。パロディとは元の作品の特徴を模倣しつつ、風刺や皮肉を用いて強調することです。

 風刺や皮肉はユニークなものですが、同時に刺々しいものであり好みが分かれます。その昔、サザエさんと天才バカボンを合体させた「サザエボン」という非公式グッズがありました。これは人気があった一方、当然ながら問題視されたわけです。

 あるいはネット上であれば、アンパンマンやドラえもんがファンアートでよくムキムキになっていたりしますし、有名になったものはすぐ真似されてYouTubeの動画になったりするわけです。パロディは嫌われがちですが、われわれのそばにいつも存在します。

 そもそも、パロディ自体は犯罪ではないことを念頭に置く必要があります。ゲームの場合、ゲームの素材(画像・音楽・3Dモデルなど)を盗用していたり、特許権を侵害していたりすると大きな問題になりますが、記事執筆時点では『パルワールド』にそういったものは見つかっていないようです。

(すすだま)

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