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【ネタバレ注意】話題沸騰の劇場版『ガンダムSEED』 ファンが熱狂した単純明快な理由

マグミクス / 2024年1月30日 18時10分

【ネタバレ注意】話題沸騰の劇場版『ガンダムSEED』 ファンが熱狂した単純明快な理由

■劇場版『ガンダムSEED』が面白かった最大の理由とは?

 2024年1月26日(金)に公開された、劇場用完全新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、早くも話題沸騰中の作品です。週末3日間(1/26~1/28)で観客動員63万4千人、興行収入10億6500万円を記録し、「ガンダム」シリーズ最高の大ヒットスタートとなりました。何がファンを熱狂させているのか、その魅力について紐解いていきましょう。

※これ以降、映画の内容に関する情報「ネタバレ」と考えられる表現が多く含まれています。閲覧にはご注意下さい。

 20年近く待ち望まれていた劇場版『ガンダムSEED』が公開されると、初日から多くのファンが劇場に殺到し、座席もほとんど埋まる盛況ぶりだったそうです。そのためか、販売されていた劇場版グッズもほとんどが完売しました。パンフレットも売り切れる劇場が続出したようです。

 観終わったファンのなかには、本作を「最高傑作」と呼ぶ人も多く、何人もが「もう一度見たい」と口にしていました。劇場版『ガンダムSEED』の何がそこまでの熱気を生んだのでしょうか? それに関して拙いかもしれませんが、筆者が解説していこうと思います。

 未見の人が記事を閲覧する可能性があるので、事前に情報が公開されていない固有名詞に関しては濁(にご)しますが、それでも気付く人がいるかもしれませんので本文は「ネタバレあり」の記事とさせてください。

 率直な感想は、「面白い」のひと言に尽きます。これまで仕事で「ガンダムSEED」シリーズは何度見たか分からないくらいですが、今回の劇場版ほど見ていて心躍ったことはありませんでした。その理由を挙げるとすれば、ストーリーに意外性がないものの、王道的展開のエンターテイナー作品に仕上がっているということです。

 本作は起承転結のキレイな流れを持った作品です。冒頭の戦闘で、いまだ世界は平和になっていない現状を説明し、続いて新たな勢力の前に、主人公たちが完膚なきまでに敗退するさまを見せつけました。そして、反撃するための仲間たちの集結を経て、最終決戦ではこれでもかというくらいの熱いバトルが待っていたわけです。

 あえて誤解を恐れずにいうならば、難解なシナリオで見せる作品というよりも、場面ごとのインパクトを重要視した作品に徹していました。その点では「ガンダム」特有のリアル感があって考えさせられるようなドラマではなく、モヤモヤを引きずらない痛快な展開で物語を引っ張っていく映画だったわけです。

 そういう点ではTV版2作の最終回のような余韻のある終わり方でなく、物語の完結にふさわしいハッピーエンドでした。もっとも、この点が『ガンダムSEED』らしくないと考える人もいるかもしれません。しかし前述の通り、「SEED」シリーズの完結と考えれば、相応のエンディングだったといえるでしょう。

 ちなみに『ガンダムSEED』の「悪癖」もキチンと残っていました。大量破壊兵器で死んでいく人間をリアルに描いていた点や、時折、挟み込まれる過去の回想シーンなどです。でも、これは否定的な意見ではなく、こういった演出こそが『ガンダムSEED』なのだとも考えられるでしょう。筆者としては安定の演出だと思いました。

 もちろんこういったドラマだけでなく、個々のキャラクター、MS(モビルスーツ)の見どころも満載だったと思います。後半はその点も解説していきましょう。

■アスランの登場に劇場では声にならないリアクションが連発

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ティザーポスター (C)創通・サンライズ

 今回のキラ・ヤマトは、久々に「悩める主人公」でした。前作『DESTINY』での悟ったような感じではなく、1作目の時のような危うい雰囲気が目立っていたと思います。もっとも、これは「SEED」シリーズのお約束のようなもので、物語の中心にいるキャラクターの心の乱れが、作品を動かしていくからでしょう。

 そう考えると、今回の物語の中心から一歩置いた位置づけだったアスラン・ザラとシン・アスカのふたりの活躍は、そのパターンから外れた結果と言えるかもしれません。そういう意味では「主人公」だったために、中心にいたキラが割を食ったとことになります。

 キラは敗北し、自信喪失します。そこから仲間の叱咤激励で立ち直り、気持ちを新たにして敵に立ち向かうという流れは、鉄板の黄金展開と言っても過言ではありません。そして、仲間たちとMSが続々集まり、逆転劇が始まっていくというところが本作最大の見どころのきっかけでした。

 前述のアスランもそのひとりです。別チームでの登場が公開前から伝えられていたので、おそらくキラの危機にやって来るだろうと予想していた人は多いことでしょう。ただし、乗ってきたMSに関しては、誰も予測していなかったことと思います。

 このアスランが乗ってきたMSが「ズゴック」だったことは、本作の隠し玉のひとつだったのでしょう。機体名がX(旧:Twitter)で2日連続トレンド入りしていました。劇場で筆者が観ていた時も、この場面でリアクションする人も多くいたのを確認しています。その後、観た人と話をしても、アスラン登場の場面には度肝を抜かれたと口々に言っていました。

 今回のアスランは敵からの評価も高く、安定感のある活躍を見せています。TV版でも戦闘力がメンタルに左右されることが多かったので、悩みを持たないアスランの強さが際立ったのかもしれません。

 前半にいいところがあまりなかったシンでしたが、終盤の活躍はその分を補って余りあるほどのものでした。TV版ではあまり見られなかった「デスティニーガンダム」での八面六臂のバトルは、ついに真の実力を見せるに至ったという感じでしょうか。

 それも作品中盤までは「キラから信用されていない」と思い悩んでいたせいでした。最終決戦ではキラから全幅の信頼を寄せられたことで、一気に本来の力が解放されたのかもしれません。この変わりように、「シンはこんなにかわいいやつだったのか」と言う人もいました。

 そして、今作ではもうひとりの主人公的な位置にいたラクス・クライン。前述の通り、物語の中心にいる者の定めで悩めるヒロインとなっていました。しかし、相変わらずの芯の強さは不動のもので、どんな相手に対しても自分を曲げないところを貫きます。

 パイロットスーツを着て自ら戦場の真っただなかに飛び込むとはTV版の彼女からは想像もできない展開でした。この謎の羽が付いた独特のパイロットスーツはとても印象的で、フィギュア化を望む人が多いとうわさされています。観た人ならば、そう思うのも無理ありません。

 このほかにも、イザーク・ジュールとディアッカ・エルスマンが最終決戦で乗ってきた、核動力となったデュエルとバスターもファン感涙の展開だったと思います。『DESTINY』最終回で見たかったという人も多くいました。これだけでなく最終決戦に出てくるMSは見せ場が多く、ファンが目を離せない展開が続いていたと思います。

 とにかく、中盤までの暗雲を一気に晴らすかのような最終決戦の盛り上がり。『ガンダムSEED』ファンの多くが大満足だったことでしょう。筆者としては、早くディスク化されて、コマ送りで確認したい名場面がてんこ盛りでした。もちろん見せ場は人それぞれでほかにもあると思います。すでに劇場に足を運んだみなさんの、注目ポイントはどこだったでしょうか?

(加々美利治)

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