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初代『ガンダム』大人になって観ると苦しい…「人間」が犠牲になるリアルな戦争描写

マグミクス / 2024年2月2日 6時10分

初代『ガンダム』大人になって観ると苦しい…「人間」が犠牲になるリアルな戦争描写

■第1話から「戦闘に巻き込まれる民間人」の姿が

 子供の頃はメカに夢中になって観ていたTVアニメ『機動戦士ガンダム』(1979年~放送)には、大人になって改めて観ると切なくなる場面や、やりきれない場面などが描かれています。大人になった今だから分かる、本作のリアルな戦争描写を振り返ります。

 第1話「ガンダム大地に立つ!!」では、大勢の民間人が爆撃に巻き込まれて亡くなるシーンがあります。

 宇宙で暮らす人びとの居住空間「スペースコロニー」のサイド7で、地球連邦軍が密かにモビルスーツ(以下、MS)を開発していました。そこに敵対する組織「ジオン公国軍」のMS「ザクII」が偵察に現れます。新兵のジーンが手柄を立てようと暴走し、地球連邦軍のMSを破壊するため攻撃を仕掛けます。地球連邦軍が迎撃を始めると、コロニー内はたちまち戦場と化しました。

 フラウ・ボゥは、戦艦が出入りするコロニーの港に向かって避難していました。その途中でフラウは砲撃の爆風に巻き込まれたアムロ・レイを見かけると、避難している民間人の列から出て彼のもとに駆けつけます。

 その瞬間、フラウの後方が爆撃されます。そこは、彼女が先ほどまでいた民間人の列でした。

 フラウが振り返ると、そこには地面に横たわるたくさんの亡きがら、さらに母親の姿もありました。「……母さん……おじいちゃん」とつぶやくフラウは母親のもとへ歩き出し、「母さん、母さん」と返事がない母親の亡きがらを何度も揺さぶり、泣き崩れるのでした。

 アムロから避難するようにうながされると、フラウはよろけながら歩いてその場をあとにします。子供の頃は、このあとの「アムロがガンダムに乗り込む」シーンに夢中になりました。大人になった今は、母親や祖父の死を受け入れることができないフラウの心境を想い、なんともやりきれない気持ちが残ります。

 続いて、第9話「翔べ!ガンダム」では、戦争中の食糧事情にあ然とする場面がありました。

 この回では、地球連邦軍の戦艦「ホワイトベース」内の食糧事情が描かれています。艦長のブライト・ノアの命令で、民間人であるアムロにも、地球連邦軍の正規パイロットと同じ食事量が支給されます。アムロが特別扱いされていることに対し、ホワイトベースのクルーでもあるカイ・シデンは不満を漏らしています。ホワイトベースの食糧事情は決して余裕のある状態ではなく、一時的に避難していた民間人にも影響が出ていました。

 アムロがホワイトベースの食堂に来たとき、年配の女性と子供が話しながら食事をとっていました。すると、その隣に座っていた男性が、子供が目を離している間に、食べかけのパンを盗み取ったのです。

 大の大人が子供の食事を盗み取る瞬間を見たアムロは、言葉を失います。食糧不足になった人は容赦ない行動に出ることを描いた場面で、大人になって改めて観なおすと、心にズシリときます。

■ほんの数秒にもリアルな戦争描写が?

主人公アムロ・レイの愛機。画像は「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.G30th (機動戦士ガンダム)」(BANDAI SPIRITS) www.amazon.co.jp/dp/B002BRUGHM

 戦場での人の生死が描かれている本作には、さらに胸が痛くなるような場面も登場します。

 第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」では、戦死する瞬間の兵士の心境が描かれました。地球連邦軍とジオン公国軍の戦いも終盤に差し掛かり、アムロとライバルのシャア・アズナブルの対決もクライマックスを迎えます。

 宇宙要塞ア・バオア・クー宙域で、アムロのガンダムとシャアが乗るジオングの戦闘が始まろうとしていました。すると、ガンダムの前に1機のザクIIが現れます。ザクIIはガンダムのシールドで攻撃を受け、さらにジオングの武器であるメガ粒子砲がコックピットを直撃します。運が悪いことに、ガンダムに向けられたジオングの攻撃が、ザクIIに被弾してしまったのです。

 攻撃を受けたザクIIのコックピット内では火花や炎が広がり、爆発寸前の状態に。男性のパイロットは死を悟ったのか「ああ……、火が……、母さん!」と叫びながら爆発に巻き込まれながら戦死します。

 ほんの数秒にも満たない場面ですが、パイロットが死に直面して最後に母親を呼んで戦死するシーンは「敵キャラだから死んでもいい」などとは思えず、胸が痛みます。

 本作は「悪との戦い」ではなく「人同士の戦い」である戦争が舞台です。全編を改めて観返すと、戦争を背景とした物語を演出するため、一つひとつのシーンから「悲惨さ」がこれでもかと伝わってきます。感情移入しすぎると苦しくもなりますが、これもまた『機動戦士ガンダム』の魅力のひとつなのかもしれません。

(LUIS FIELD)

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