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「スイッチ後継機」は値上げする? 「高性能と低価格の両立」に挑んだ任天堂の過去事例

マグミクス / 2024年2月6日 7時10分

「スイッチ後継機」は値上げする? 「高性能と低価格の両立」に挑んだ任天堂の過去事例

■「高性能」と「低価格」 両立に挑んだ任天堂の歩み

 7周年の足音も聞こえ始めてきた「Nintendo Switch」(以下、スイッチ)は、長きにわたって活躍を続け、今現在も高い人気と支持を集めています。その勢いは未だ衰え知らずですが、昨今ではスイッチの次の世代を担う「後継機」の予想や話題など盛り上がり、次世代への関心も高まるばかりです。

 まだ噂の段階に過ぎないものの、「スイッチ後継機」に向けるユーザーの興味は大きく、まずは性能の向上を求める意見が目立ちます。スイッチ向けゲームのなかには、処理落ちやカクつきが発生する作品もあるため、快適なプレイ環境を求めて「高性能」を要望するのも自然な話です。

 一方、スイッチの成功は低価格路線も理由のひとつと言われており、「1家庭に1台」ではなく「ひとり1台」として普及した側面もあります。親がプレゼントするにしても、子供たちが自分で買うにせよ、スイッチ後継機の価格が跳ね上がってしまうと購買意欲を減退させかねません。それはユーザーも自覚しており、「低価格」を望む声も多数見られます。

 処理や描写の向上に欠かせない「高性能」と、手軽に買いやすい「低価格」。両立が難しいふたつの方向性を、スイッチ後継機は求められています。性能を上げれば価格が増し、価格を抑えれば性能が下がる。そんなシーソーのような関係にあるこのふたつの要素を、両立させるのは実に困難です。

 ですが、「性能を高めつつ、価格面のニーズに応える」という妙手は、なくもありません。しかも任天堂自身が、そうした試みを過去に何度も行ってきました。「高性能と低価格」に挑んだ歴史を振り返り、スイッチ後継機が辿(たど)るかもしれない未来に想いを馳せてみましょう。

●ユーザーに選択肢を与えた「Wii U」
「高性能」と「低価格」を両立するひとつのゲーム機を出すのではなく、それぞれの路線に向けたゲームを出す、という方法で解決する手があります。スイッチのひとつ前の世代となる「Wii U」が、この施策を行いました。

 Wii Uより前に任天堂がリリースした家庭用ゲーム機は、14800円だった「ファミリーコンピュータ」のみ例外で、そのほかは全て25000円前後で発売。他社のライバル機と比べ、価格を抑える路線で差別化を図ってきました。

 ですが、Wii Uの時代は性能競争が特に激しくなり、任天堂のゲーム機にも高性能を求める声が押し寄せます。そんな折に登場したWii Uは、「プレミアムセット」と「ベーシックセット」の2バージョンを同時に展開しました。

「プレミアムセット」はメモリーが32GBで価格は31500円(税込)、「ベーシックセット」はメモリーを8GBに抑え、価格も26250円(税込)と控えめに。歴代初の30000円超えとなった一方で、手頃な「ベーシックセット」も用意してユーザーに選択肢を与えます。

 高性能を求める人には、その分価格も増す上位版を、低価格路線を望む人にはスタンダードなものを。こうした施策も、「高性能」と「価格」に折り合いをつけるひとつの手段と言えるでしょう。

 発売時期に時間差はありますが、従来型のスイッチと、携帯型に特化して価格も安くなった「Nintendo Switch Lite」も、性能と価格の折り合いをつける選択肢のひとつと考えれば、同じような手法をスイッチ後継機にも当てはめる可能性は十分あります。

■「高性能と低価格」を両立する手段は、バリエーションだけじゃない!

後継機がスイッチの特徴を受け継ぐ場合、周辺機器を共用することで価格を抑える手もある

●拡張性で対応した「NINTENDO64」
 発売日時点で性能差のある同系機器をリリースするのも手ですが、後々性能に物足りなさを感じた時、買い替えるしかありません。しかし、任意で性能をカスタマイズできる機器であれば、買い替えほど費用の負担はなく、ユーザーが好きなタイミングで増設することができます。

 パーツ単位で増設・換装できるPCの場合、ある程度慣れた人ならさほど問題なくスペックアップが可能です。PCほどの自由度はありませんが、増設が可能な家庭用ゲーム機は存在します。例えば、スイッチならmicroSDカードで、PS5ならM.2 SSDで容量の拡張が可能となり、これも性能の向上と言えます。

 任天堂のゲーム機で、増設によるスペックアップが顕著だったのは、「NINTENDO64」です。周辺機器の「メモリー拡張パック」を取り付ければ使用できるメモリが増え、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』や『ドンキーコング64』を遊ぶには必須の拡張機器でした。

 また、展開としては伸び悩んでしまいましたが、NINTENDO64に接続し、専用のディスクを読み込むドライブ「64DD」も、性能を拡張する機器のひとつ。大容量を読み込め、そして書き込みも可能と、遊びの幅を広げてくれる機器として注目を集めました。

 スイッチ後継機の基本性能は低価格路線にしつつ、増設で高性能化を実現できれば、幅広いユーザー層のニーズにも応えられるかもしれません。

●周辺機器を共用し、付属品を減らした「3DS LL」や「New 3DS」
 今回最後に紹介する事例は、ここまでの2例と比べ、方法自体はシンプルです。しかし、分かりやすく価格を抑えられるうえに、現行のスイッチユーザーにもメリットがあります。

 かつて任天堂は、「New 3DS/New 3DS LL/New 2DS LL/3DS LL」の本体セットにACアダプターを同梱させず、別売りで販売しました。付属品を減らすことで、その分本体セットの価格が抑えられ、当時の販売価格になったものと思われます。

 価格が安くなったとはいえ、購入した該当機器を遊ぶにはACアダプターが欠かせません。結局買うなら何の意味もないのでは……と考える人もいるかと思いますが、実は「ニンテンドーDSi」や「ニンテンドー3DS」に同梱されていたACアダプターが流用できたため、継続して遊んでいるユーザーからすれば、「同じ機器が重複せず、その分安く買えた」という図式になります。

 こうした機器の流用と、その付属品を同梱しない手法を、スイッチの後継機に当てはめてみましょう。まず、単品販売で8000円ほどの「Joy-Con(L/R)」が流用できるだけで、後継機の価格がぐっと抑えられるのが分かります。

 また、スイッチのゲーム画面をTVに出力させる「Nintendo Switchドック」も、単品で6500円ほどかかるので、流用できれば後継機の価格をさらに抑えられるでしょう。この数字は販売時の価格なので、8000円と6500円という金額分が丸々下がるわけではありませんが、仮に半額程度の価格減で考えた場合でも、合算で7000円以上安くなるのは侮れません。

 ただし「Nintendo Switch Lite」ユーザーの場合、コントローラーは外せず、Nintendo Switchドックもないので、流用の恩恵を得るのは難しいところ。ですが、ACアダプターが流用できる可能性は残されています。

* * *

 性能と価格が異なるバリエーションを展開する。増設可能な構成にし、任意のスペックアップを可能にする。スイッチと機器を流用し、付属品を省いて価格を抑える。こうした、任天堂自身が行った過去の事例に倣(なら)い、スイッチ後継機の「高性能」と「低価格」に上手く折り合いをつけるかもしれません。

 しかし、こうした手段だけで全て解決するほど、「高性能」と「低価格」の両立は簡単な問題ではありません。また任天堂は、「新たな遊びの提案」も大事にしており、全く予想外の提案を行う可能性も低くはないでしょう。次世代でどんな驚きを与えてくれるのか、その一端だけでも早く知りたいものです。

(臥待)

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