ヒット中の劇場版『ガンダムSEED FREEDOM』 歴代シリーズの興行収入トップ1、2を抜けるか

■『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が空前のヒット中

　2024年1月26日に映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開されました。シリーズ第1作のTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』は2002年の放送開始であり、その劇場版はシリーズ開始から20年以上を経ての公開ながら、待ちわびたファンを魅了し、大きな盛り上がりを見せています。

　なおシリーズのファンはご存じでしょうが、これまでも多くの「ガンダム」作品が劇場で公開されてきました。今回はそのなかでも興行収入が上位の作品をチェックしてみましょう。

●『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』

『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』ビジュアル　(C)創通・サンライズ

「ガンダム」シリーズにおいて興行収入が歴代トップの作品は、1982年3月13日に公開された『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』で、23億円です。『機動戦士ガンダム』三部作はTVシリーズを再編集したものでしたが、その最終作となった本作は新規のカットも多いものでした。

　この三部作とガンプラの盛り上がりが相乗効果を起こし、社会現象といえるほどの「ガンダム」ブームを形成します。現在に至るまで絶え間なく続く「ガンダム」シリーズを語るうえでは絶対に外せない作品であり、ほかのシリーズ作品が好きという人も「ガンダム」を改めて知る際にはぜひチェックしてほしい3作です。

●『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ビジュアル　(C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』に迫る22億3000万円の興行収入を叩き出したのが、2021年6月11日に公開された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』です。同作は30年ほど前に刊行された富野由悠季さんによる小説をアニメ化したものです。

　なお、本作は三部作の第1作として公開されたものであり、第2部となる『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ サン オブ ブライト』は、タイトルこそ発表されているものの続報はなし。もちろん制作は進んでいるはずですが、待ち望んでいるファンも多いでしょう。

●『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』

　上映が始まったばかりの『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』も出だしは絶好調で、公開から3日間のみで興行収入が10億円を超え、歴代トップの好スタートを切りました。この数字は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の2倍以上であり、同作や『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』を超えた歴代トップはほぼ確実という状況です。公開から10日では、興行収入19億6500万を記録しています。なかには、このペースであれば50億円という「ガンダム」では異例の成績を残すのではないか、という報道も出ています。

『機動戦士ガンダムSEED』はシリーズにとって「中興の祖（ちゅうこうのそ）」的な存在とされていますが、その劇場版である『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、TV放送当時に多く生まれたファンにとって「最高」といえる内容でした。しかし、それ以外の面でも語り継がれる作品となりそうです。

●劇場公開された「ガンダム」であなたが好きなのは？

　あくまで興行収入はひとつの指標であり、別の角度で語りたい作品もあるでしょう。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』同様にTVシリーズの続編として完璧な完結作となった『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』や、OVAのイベント上映というスタイルを定着させた『機動戦士ガンダムUC』、宇宙世紀ファンにとっては決して外せない『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』など、「ガンダム」の劇場公開作品は語るべきものがたくさんあります。

　もちろんみなさんそれぞれの思い入れもあるはず。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』で熱が高まった人は、久々にお気に入りの劇場公開された「ガンダム」作品を見返してみるのも楽しいかもしれません。

（はるのおと）