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『ドラクエ2』最初からサマルトリア王子が最強だったら 脳内で意外な「ラブコメ」が展開?

マグミクス / 2024年2月7日 21時50分

『ドラクエ2』最初からサマルトリア王子が最強だったら 脳内で意外な「ラブコメ」が展開?

■身も蓋もない呪文「ザラキ」で人助け(?)

 1987年にファミコンで発売され、さまざまなハードに移植されたRPG『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』は、「勇者ロトの子孫が統治する3つの国の王族が協力し、世界を破滅させようとする大神官ハーゴンを討伐する旅に出る」という物語でした。

 今年2024年で発売から37年を迎える節目に、「弱いことで有名」な、サマルトリアの王子を主役にした「こだわりプレイ」を、これまで2回にわたって紹介しました。前回は「サマルトリアの王子カインだけを最高レベル45まで育てて、ローレシアの王子アスアとムーンブルクの王女マリアとともに、港町ルプガナにたどり着いた」ところまでプレイしました。

 RPGなので、プレイヤーの数だけ物語があります。ストーリーのおさらいを兼ねて、筆者の脳内ストーリーを書いていきます。

* * *

 僕はカイン。サマルトリアの王子で、勇者ロトの子孫だ。僕に向けられたハーゴンの呪いを代わりに受けた、ローレシアの王子アスアを救うために「呪いを受け付けない究極の強さ」を身に着け、ハーゴンの呪いからアスアを解放。継いで、ムーンブルクの王女マリアも「ラーの鏡」により、呪いを解いた。

 3人揃った僕たちは、サマルトリアで僕の妹リルムにあいさつし、冒険に出る。修行を終えた僕にとって、勇者の泉や湖の洞窟の魔物は敵ではなく、冒険は順調に進む。

 だけど、武術の腕に自信があったアスアは、究極まで鍛え上げた僕の戦いを見て自信を失ってしまう。僕はアスアがマリアの婚約者であるのに、弱音を吐いたことにモヤモヤして突き放すが、マリアのとりなしもあり、アスアは自分を取り戻す。

 修行のために向かった「風の塔」で入手した「風のマント」の使い道を、好奇心旺盛なマリアが研究していたこともあり、ドラゴンの角の向こうに僕たちは辿りつけた。

 港町ルプガナにたどり着いたからには、なんとか船を借りないと……。

* * *

 というわけで、港町ルプガナで装備を整え、町はずれに向かいます。町はずれでは街中に侵入したグレムリンに少女が襲われていました。『ドラクエ2』最初のボス戦なのですが、レベル45のカインが最初に攻撃呪文「ザラキ」を使い、一瞬でグレムリンを倒します。

 町の長老の孫娘である少女を助けたことで、船を貸してくれるようになりました。
 というわけで、脳内ストーリー。

* * *

「カイン、気づいているか」

 アスアが道具屋で買った品物を整理していた僕に話しかけてきた。
 アスアが厳しい表情を向ける方角に、魔物の気配がする。天性の戦士なのか、殺気を感じる力は僕よりも高いと思う。そこで少女の悲鳴が聞こえた。

「た、助けてっ! 魔物たちがわたしをっ!」

 僕たちは町はずれに走った。町の囲いが一部壊れていて、魔物避けの結界が機能していないのがわかった。飛行する魔物・グレムリンは素早く、今にも少女に追いつきそうだ。
 魔物は大柄で、打たれ強そうでもあった。僕は「ベギラマ」では倒せないと判断し「ザラキ」を放った。死の言葉を解き放つ必殺呪文で、相手が打たれ強くても関係ない。

 2匹のグレムリンは苦悶の表情を浮かべて、倒れた。正直、あまり好きな呪文じゃない。

「危ないところをどうもありがとうございました。私についてきて、どうかうちのおじい様にもあってくださいな」

 少女はそう言って、町の長老ペンドルのところに僕たちを連れて行った。ペンドルは孫娘が助けられたことを喜び、船を貸してくれるという。長期航海を行うための物資積み込みに数日間かかるとのことで、僕たちが宿屋に向かうと、少女が付いてきた。

「あ、君は……ペンドルさんの」

「はい。孫のクリスと申します。命の恩人であるロトの子孫の方々のことを、もっと知りたくて、来ちゃいました。お時間大丈夫ですか」

「別に問題ないけど」とアスア。クリスは「ありがとうございます」と言い、宿の主人に耳打ちすると「町を救ってくださった方々ですので、特別室にどうぞ」と案内される。

 ふかふかベッドに腰掛けると、ムーンペタからの長旅の疲れが出てくる。

「素晴らしいお部屋ですね」とマリア。

 僕は「本当に快適です。景色もいいし、ずっとここに住みたくなっちゃいますね」と言った。クリスは「ずっと住んで頂いてもいいんですよ」と言って、僕の横に腰掛けた。

「魔物を一瞬で倒したカイン様の呪文、本当に凄かったです!」

 目を輝かせるクリス。マリアが当惑してたしなめた。

「あ、あの……初対面なのに、距離が近すぎると思うわ」

「わたし、カイン様のことを知りたいんですもの。あんなに強いのに、今も紳士的でお優しいし、運命、感じちゃいました。その……一目ぼれ、というやつですよ」

 言葉を失うマリア。僕は動揺しつつ「ありがとう。でも、僕たちには世界を大神官ハーゴンから救うという使命があるんだ。だから……」と返した。

「じゃあ、世界を救ったら戻ってきてください。わたしも貴族の娘ですから、いつかは結婚しなければなりません。できれば、自分の決めた人と添い遂げたいんです」

「ごめんね。今は、そういうことは考えられないんだ」。できるだけ、クリスを傷つけないようにと言葉を選ぶ。

「じゃあ、一旦引き下がります。世界を救ったら、その時に改めて考えてくださいね。お友達になっていただくのも、ダメですか?」

 あっけらかんと言うけど、そこに理性的な判断も見える。地頭がいいのだろうと思った。
 僕たちは何のかんのとクリスが宿屋に依頼した「おもてなし」で数日を過ごした。

* * *

 というわけで、船で出港します。「嵐で沈んだ船の財宝」の話を聞けるので、そちらに向かってもいいのですが、まずはアレフガルドに上陸し、ラダトームの城に向かいます。
 船で「竜王の城」に入り、深いダンジョンのなかで「ロトの剣」を拾った後、最深階で「竜王の曾孫」に会って「5つの紋章を集めると精霊の守りが得られる」ことを聞きます。

 話を聞かなくても、紋章は集められるのですが「なりきりプレイ」なので、冒険目的を聞いてからの方がストーリーを楽しめます。

■最強なのは確かだが… 胸の内を明かしたサマルトリア王子

魔物に襲われていた少女を助けたことがきっかけとなり、船を借りて海に出ることが可能に

 ルプガナから北上します。海の魔物は手ごわく、特にバピラスは攻撃力が75もある上に、2回攻撃をするので、守備力がないマリアが狙われると1ターンで倒されます。逃げれば(ファミコン版『ドラクエ2』では戦闘中に蘇生呪文ザオリクは使えません)立て直せるのですが、厳しいゲームバランスを実感する瞬間です。少し迷った後、沈没船の沈む浅瀬を発見。潜って調べると「ふねのざいほう」を見つけます。

 ここで再び脳内ストーリー。

* * *

「潜るのは得意だから、俺が行ってくるよ。やっぱりみんなの役に立ちたいし、さ」

 アスアが沈没船探査のために、潜って行く。
 しばらくすると、マリアが戸惑いつつ、話しかけてきた。

「ねぇ……カイン。カインは本当に大変ですよね」

「え、何が?」

「本当のカインはあんなに優しいのに、いつもアスアには心を鬼にして、厳しいことを言っていますよね。『そんな剣じゃ、ハーゴンは倒せないぞ』とか。わたしに魔法を教えてくれる時は、そんな言い方はしませんから。きっと、辛い思いをしているんだろうなって」

「君には何も隠せないな。アスアに厳しく振る舞うのは、理由があるんだ。見て」

 僕は竜王の城で入手した「ロトの剣」を抜こうとした。でも、剣は鞘から抜くこともできない(※ファミコン版『ドラクエII』では、サマルトリアの王子は「ロトのつるぎ」を装備できません)。予想はしていたけど、ここまで鍛えてもダメという事実に気持ちが沈む。

「僕は、伝説の装具に『勇者ロトの子孫』と認めてもらっていない。僕の城には『ロトの盾』があるけど、盾にも拒絶されている気配を感じているんだ。僕は『真の勇者』にはなれない。装具が認めるのはアスアだけさ」

「そんなこと……わたしだって、伝説の武具には認められていないですよ! ほら」

 ロトの剣を抜けないのを見せてくる。少しムキになって、マリアが反応したので、僕は驚いてしまう。

「なんで、君がそんなにムキになるの? 君は魔法使いで、伝説の装具に関わるわけじゃないだろうし、これは僕自身のことなのに」

「そ、それは……」

 そう言ってマリアは口ごもり、顔を真っ赤にして、小さく言った。

「……『わたしの勇者』はカインだから、です。例えアスアしか世界を救えないのだとしても、わたしの勇者は、貴方なのっ」

 こみ上げてくる気持ちがあふれてきて、マリアは泣いてしまった。

「貴方はわたしの城を踏みにじる魔物と、毎日戦ってくださいました。誰も顧みることがない犬のわたしを拾って、暖かい宿屋で食事をさせるようにもしてくれた! 途方に暮れていた私を、冒険から帰る度に、微笑んで……撫でてくれて……呪いも、解いてくれたわ」

 どうしていいかわからない僕に、マリアは続けた。

「……クリスさんが、貴方に政略結婚を持ちかけたとき、わたしは、とても嫌でした」

 思いが多すぎて、あふれて、言葉が滲み出てしまったように見えた。その一言で僕は覚悟を決めた。

「マリア……君はアスアの婚約者だから、この想いはずっとしまっておこうと思ったけど、僕には、貴女のことを、愛している、自覚が……ある。だけど……」

「……ありがとう。嬉しい。嬉しい、です。国同士のことは、どうにもならないけど。気持ちを確認し合えただけで、いいんです。今のこの一瞬だけでも、貴方は心を通じ合えて、わたしは本当に幸せ。でも……この思いは、しまっておきますね」

 気持ちを確かめ合ったふたりは、相手を抱きしめたりはしなかった。できなかった。

* * *

 というわけで「ふねのざいほう」を手に入れ、ルプガナで「やまびこのふえ」と引き換えます。そしてザハンに行き、犬の示す場所で「きんのカギ」を入手(マリアが「犬の気持ちは……何かわかるんですよね」という脳内場面が入ったり)。

 そのままペルポイの町に向かい、途中の「ほのおのほこら」で「たいようのもんしょう」を獲得。ペルポイの武器屋では「ミンクのコート」を購入。65000ゴールドもしますが、ゴールドカードで16250ゴールドも根引きされます。高額な「ミンクのコート」を無理に入手したのは「旅を急いでいる」という脳内設定で、あまりレベル上げをしていないので、マリアがバピラスなどの攻撃で一撃死するのを防ぐためです。

 ムーンペタ以来、持ち歩いてきた換金用の「はがねのたて」も売り払って、29723ゴールドに回復させ「ちからのたて」も購入しました。道具屋で「ろうやのカギ」を購入し、牢獄内に隠れているラゴスにも会って「すいもんのカギ」も確保します。

 海の魔物が強く、苦戦するため、鍵類を活かして、無料で獲得できるアイテムを集めて行きます。デルコンダルで「ガイアのよろい」を入手後、闘技場でキラータイガーに勝利して「つきのもんしょう」も獲得しました。

 そのままローレシア城に戻り、「ロトのしるし」を入手。牢屋内の「あくましんかん」も倒して、マリアの最強武器「いかづちのつえ」も手に入れます。サマルトリアで「ロトのたて」を入手した後で、船でムーンペタに戻り、ベビルと戦って「みずのもんしょう」を獲得。近くのアレフガルドに渡って、「せいなるほこら」で「ロトのしるし」を「ロトのかぶと」と交換します。

 そのまま「大灯台」に挑み、グレムリンを倒して「ほしのもんしょう」を入手します。灯台は広く、ひねくれたマップなので、レベルが低いと、上記は結構苦戦するのですが、カインの「ベギラマ」+マリアの「いかずちのつえ」は多くの場合で有効でした。MP切れにならないため、サクサクとゲームが進み「カイン最強」の効果を実感します。

■装備を充実させ、冒険の終盤へ

高い守備力と、呪文や炎による攻撃ダメージを半減させる効果を持つ「みずのはごろも」を入手。終盤の攻略に心強い装備となる

 大灯台攻略後、近くの「ドラゴンの角」の3階で「あまつゆのいと」を入手。ザハンに戻ります。ここの神殿はダメージを与えるバリアーだらけなのですが、最強カインは「トラマナ」を使えるので、ノーダメージで「せいなるおりき」を入手しました。

 いよいよ「テパの村」を目指すのですが、ここの周辺の魔物は非常に強く、パペットマンの「不思議な踊り」で、40近くのMPが一撃で削られます。レベル45のカインでもMPは160しかないので、数回戦うと回復不能となり、ベギラマやザラキも使えなくなるので、戦闘が苦しくなります。

 それでもカインは倒されないのですが、特にマリアが攻撃力の高い「くびかりぞく」や「ビババンゴ」に倒されることも目立ち、シリーズ有数の厳しさといわれる『ドラクエ2』のゲームバランスを再び実感します。

 なんとかテパにたどり着き、ドン・モハメに「あまつゆのいと」と「せいなるおりき」を渡した上で、「はやぶさのけん」を購入し、「ふっかつのじゅもんでゲームを再開した後で、再び「あまつゆのいと」と「せいなるおりき」を入手し、テパに戻ります。

 モハメは「みずのはごろも」を「娘さんが着るといい」と言って、マリアに渡しますが、直後に話しかけると、もう一回「みずのはごろも」を作ってくれます。再び「ふっかつのじゅもんでゲームを再開すると、カインにとっても最強の防具(呪われていない品では)「みずのはごろも」を2つ入手できます。

 こうなると「ミンクのコート」は不要なので売ると、48750ゴールドが手に入るので、ベホイミの効果がある「ちからのたて」を全員に。「はやぶさのけん」をアスアにも持たせ、装備が一気に充実しました(ただ「はやぶさのけん」は攻撃力が足りないので、アスアにはベラヌールで「ひかりのつるぎ」を買った方が、楽に進められると思います)。

 特に最強カイン+「はやぶさのけん」は、敵をほぼ2体ずつ減らしていくため、戦闘が非常に楽になっていきます(サマルトリアの王子は最高レベルに近づくほど、急速に成長します。レベル45カインの「ちから」は140。これはローレシアの王子が同じレベル45の時で150なので大差ないほどであり、中盤までは殆どの敵は一撃です)。

 そのまま「満月の塔」をクリアし、「つきのかけら」も入手。ベラヌールの町で「ふっかつのじゅもん」を聞き、ゲームは後半戦へと突入します。

■「水の羽衣を2つ入手し、月の塔クリア」の「ふっかつのじゅもん」
 やりそ わみえ じごぷげ
 ぎぺむ ずはや あごしひ
 くさげ れじそ なばぬお
 がにぜ ぐべり わべふつ
 よそあ ちぴゆ ば

 次回はいよいよクライマックス。お楽しみに!

(安藤昌季)

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