「ガンダムだけじゃない」 アムロ・レイが搭乗した「知られざる愛機たち」

■「RX-78-2 ガンダム」の性能を超えた「G-3ガンダム」

　TVアニメ『機動戦士ガンダム』や、劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主人公アムロ・レイは、シリーズ屈指の人気キャラとして知られています。パイロットとして卓越した才能を持つアムロは、「RX78-2 ガンダム」や「RX-93 νガンダム」といった愛機を駆り、圧倒的な強さを見せつけてファンを魅了しました。

　そんなアムロの活躍の場はアニメだけにとどまりません。マンガや小説では、アニメと異なる機体に乗り込んで戦果をあげています。そこで今回はアニメ以外の作品でアムロが搭乗したモビルスーツを振り返ります。

　小説『機動戦士ガンダムII』（角川スニーカー文庫）のなかで、アムロは「G-3ガンダム」という機体に搭乗しています。

「G-3ガンダム」の型式番号は「RX-78-3」で、RX-78ガンダムの3号機にあたり、TVアニメでおなじみの「RX-78-2ガンダム」とはカラーリングが異なります。2号機は白を基調とした赤・青・黄のトリコロールカラーでしたが、「G-3ガンダム」は深いグレーのカラーリングが施されていました。

　また「G-3ガンダム」は最新の核融合炉のレーザー加速器を搭載したことに加えて、機体の駆動系をスムーズにする「マグネット・コーティング」が施されています。「G-3ガンダム」の実証テストを行ったアムロが、「RX-78-2 ガンダム」の2倍近いパワーとスピードを手に入れたかもしれないと感じるほど、機体性能が向上しています。

　そしてG-3ガンダムは、ジオン公国軍のサイコミュを搭載したモビルアーマー「エルメス2号機」を相手に戦闘を繰り広げます。敵のメガ粒子砲やサイコミュ兵器「ビット」の攻撃を余裕でかわしながら、最後はビーム・ライフルでエルメス2号機を撃墜し、サイコミュを搭載したモビルアーマー相手にも活躍しました。

　しかし、小説版ではアムロは戦死するストーリーになっており、G-3ガンダムは最後の愛機になりました。

　続いて、マンガ『機動戦士ムーンガンダム』（角川コミックス・エース）のなかでアムロは「リック・ディジェ」という機体に搭乗しています。

　同機は地球連邦軍のロンド・ベルが、アムロのパイロット能力を十分に発揮させるために用意したモビルスーツで、TVアニメ『機動戦士Zガンダム』でアムロが乗っていたディジェを宇宙用に改修した機体になります。

　コミック第1巻のepisode01「機械仕掛けの大地」で、アムロの乗るリック・ディジェは、旧ティターンズの残党が開発した「サイコ・ガンダムMk-IV G・ドアーズ」と交戦します。

　サイコミュ兵器を有する相手に、アムロはリック・ディジェで一歩も引かない戦いを展開。機体に軽微な損傷を負いながらも、見事撃破しました。

　またアムロは、同機をさらにカスタムした「リック・ディジェ改」というモビルスーツにも搭乗しています。

■アムロがジュドーと一緒に搭乗したMSとは？

アムロとジュドー、そしてシャアとの共闘シーンもアツかった　画像は「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」（学習研究社）

　クロスオーバー作品ではありますが、長谷川裕一氏によるマンガ『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』（ノーラコミックスDELUXE）のなかで、アムロは「メガゼータ」というモビルスーツにも搭乗しています。

　本機は「プロトタイプZZガンダム」を改修した機体で、「Gアタッカー」と「Gソニック」がドッキングしてメガゼータになります。それぞれのコックピットからメガゼータを操縦するため、アムロはTVアニメ『機動戦士ガンダムZZ』の主人公ジュドー・アーシタと一緒に乗り込みました。

　この機体の出力は「ZZガンダム」の2倍を誇り、漂流隕石をパンチ一撃で粉砕するほどの破壊力があります。また、額の部分にはハイ・メガ・キャノンも装備されていました。

　そしてメガゼータの最大の特徴は、腕の部分を切り離して射出し、遠隔操作が行える「サイコミュ・ハンド」という武器を搭載している点にあります。

　メガゼータが複数の敵機に包囲された場面も、アムロはサイコミュ・ハンドを使って切り抜けていました。

　アムロ・レイは、どのような機体に乗っても期待以上の活躍を見せてくれる安心感があります。ガンダムファンの皆さんにとって、一番心に残っているアムロの搭乗機は何だったでしょうか。

（LUIS FIELD）