ホワイトベース「最モテ女子」ミライさんをブライトさんはいつの間に口説いていたの?
マグミクス / 2024年2月20日 6時10分
■出会って2話で呼び捨てあう仲に
アニメ「ガンダム」シリーズに登場した「ブライト・ノア」は、「一年戦争」の終結後、「ホワイトベース」の操舵手だった「ミライ・ヤシマ」と結婚し、「ハサウェイ」と「チェーミン」の、ふたりの子供をもうけました。出会いから終戦までの3か月に及ぶ濃密な闘いの日々の中、ブライトはいつどのようにしてミライを口説いていたのでしょうか。
ブライトとミライが初めて出会ったのは、第2話「ガンダム破壊命令」となります。ホワイトベースはジオン公国軍のモビルスーツ「ザクII」2機の襲撃により多くのクルーを失い、パイロット(操舵手)すらいない状況でした。それでも出航が急がれる状況のなか、ここで「スペースクルーザーのライセンスが役に立つとは思いませんが」と手を挙げたのがミライだったのです。ただしこのときミライとやり取りしたのは艦長の「パオロ・カシアス」で、ブライトは口を開いてはいません。
ブライトが最初にミライの名を呼んだのは2話の後半で、大型ミサイルを回避する際に「ミライ!」と呼び捨てにしています。戦闘時なので「さん」を付けていないのは仕方が無いのでしょう。
続く第3話「敵の補給艦を叩け!」では、ふたりの会話がかなり増加しています。パオロ艦長が重傷を負い、士官候補生のブライトが責任者を務めなければならない状況で、理知的で包容感のあるミライは早くも頼りになる存在となっていたようです。なお、3話のブライトとミライはお互いに「さん」付けで呼び合っていますが、続く第4話「ルナツー脱出作戦」ではふたりとも呼び捨てになっています。協力して命の危機を乗り越えたことにより、早くも親しくなり始めていることがうかがえます。
その後もミライは、ブライトの相談相手として重要なポジションを占めていき、そして両者の関係が一歩進んだことがわかるのは、第17話「アムロ脱走」です。
ブライトは命令を無視したアムロを「ガンダム」から一旦降ろす判断を下す際に、ミライに相談をしています。アムロの処遇はクルー全員の命に係わる一大事です。このときミライは「ブライトがアムロを降ろすと決めた」と察した上で、アムロを擁護しました。しかしブライトはミライに賛成して欲しいと願っており、ミライの考えや判断を重視しているようです。第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」でブライトが倒れた際、翌第23話「マチルダ救出作戦」でミライに代理の指揮官を任せたことからわかるように、信頼度の高さはかなりのものなのでしょう。
■立ちはだかるふたりの男 カムランとスレッガー
ともにブリッジ勤務ということで、ふたりセットで描かれるシーンも多かった。画像はキャンペーン「ノア家のアルバム」より
なお、『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』では、「オデッサ作戦」の最中に苛立ちを隠せないブライトに対して、ミライが「イライラしないで」とたしなめ、ブライトが言い返すシーンがあり、まるで夫婦喧嘩のようです。この時点でたしなめても言い返しても崩れない関係性が築かれていることを示すシーンといえるでしょう。
ブライトのミライへの好意が明らかになるのが、第33話「コンスコン強襲」です。中立コロニーの「サイド6」に入港したホワイトベースを、ミライのかつての婚約者、「カムラン・ブルーム」が訪れました。このときブライトは、親しげに振る舞うミライとカムランの様子を見て、チラ見をしたりそっぽを向いたりと、感情が揺れ動いている人間特有のしぐさを見せています。
その後もホワイトベースきってのモテ女性であるミライは、カムランを振り切ると、今度は「スレッガー・ロウ」にアプローチされ、そしてそちらに惹かれていき、もちろんブライトもそのことに気付いていました。第36話「恐怖!機動ビグ・ザム」の序盤、スレッガー機が被弾して帰投した際には、ミライがスレッガーの元に駆けつけたがっているのを悟り「君の気持ちはわかっている。が、僕はいつまでも待っているよ」と、ブライトは愛を告白しつつミライを応援するという矛盾した、しかし人間としての強さを感じさせる言葉を伝えています。ブライトがミライを口説いた決定的な瞬間です。直後にスレッガーが戦死したことにより、ブライトとミライが結ばれるカタチは確定しました。
一年戦争後に結婚したブライトとミライは、冒頭でふれたようにハサウェイとチェーミンのふたりの子供をもうけました。しかしその後は、ブライトの仕事の都合上、一緒に暮らすのは難しい状況がずっと続きます。
富野由悠季監督による小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』にて、ブライトは、退役したらミライとふたりでレストランを開きたいと考えていました。しかし、ハサウェイがテロリストである「マフティー」として活動していた以上、安穏な暮らしは難しいでしょう。厳しい人生を共に生き抜いたふたりには、少しでも幸せな未来が待っていてほしいものです。
(C)創通・サンライズ
(早川清一朗)
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