「可愛い見た目は全部フリ」「全方位的にアウト」 危険な「R指定」アニメ映画
マグミクス / 2024年2月29日 21時10分
■アメリカ発の下品すぎるコメディアニメ映画
最近ではアニメ映画とひと口にいっても、さまざまなタイプの作品があります。子供を対象にしたハートフルな作品や、大人向けのシリアスなものなど多岐にわたりますが、なかにはかわいらしいキャラが登場するにもかかわらず、「R15、18指定」に区分されている作品も存在します。今回は、「かわいい見た目とギャップがある危険なR指定アニメ映画」を振り返りましょう。
●『ソーセージ・パーティー』
全世界興行収入1億ドル突破の大ヒットを記録したアメリカのCGアニメ『ソーセージ・パーティー』は、2016年に日本に上陸した際、その過激で下品な内容によって、公式サイトで「お子様は絶対に観ちゃダメ!」と書かれているように「R15+」で公開されました。
同作の主要キャラは、商品として購入されて旅立つことを夢見ていたソーセージやパンといった食材たちです。しかし、自分たちは人間に食べられて死ぬ運命にあることを知り、決死の抵抗をしかけます。登場する意思を持った食材たちは、アメリカのアニメーションならではのコミカルでポップな見た目ですが、作中で披露されるのはゴア、下ネタ、社会風刺といった不謹慎な描写ばかりです。
たとえば調理のために食材が加工される際はソースや汁が飛び散ってスプラッター描写のようになったり、ソーセージとパンを合体してホットドッグになる場面を性的に描いたりと、子供には見せられない場面がいくつも登場します。
悪ふざけが過ぎる同作に対し、ネット上では「最初だけ見れば『トイ・ストーリー』に近い雰囲気だけど、途中から下ネタ、グロのオンパレードでギャップが激しすぎる」などのレビューが数多く出ており、やはり見た目からは想像できない下品な作風に驚いた人は多いようです。しかし、好きな人にはたまらないブラックユーモアにあふれた『ソーセージ・パーティー』は、少ない上映館ながら話題を呼び、日本でもヒットしました。
●『サウスパーク 無修正映画版』
過激なアメリカのアニメ作品といえば、『サウスパーク』を思い浮かべる人も少なくないでしょう。コロラドのサウスパークという町に住む4人組の小学生を中心としたコメディアニメで、シーズン26まで続いている人気作です。
特徴はストップモーションの切り絵のようなキャラたちが繰り出すブラックジョークの数々で、その下品な世界観をたっぷり詰め込んだアニメ映画が、2000年に日本で公開された『サウスパーク 無修正映画版』でした。映画のあらすじも悪ふざけが過ぎており、内容は「カナダのオナラ芸人テレンス&フィリップによるふざけた映画をきっかけに、アメリカとカナダの全面戦争が始まる」というもので、もちろんR15指定です。
小学生4人組のスタン、カイル、ケニー、カートマンはテレンス&フィリップの映画「燃えよ コウモン」を見た影響で汚い言葉を使うようになり、作中では小学生の会話で「ビッチ!」「タマしゃぶりのアンクルファッカー」などのワードが飛び交います。ほかにも「ユダ公にはやらない」という差別的な発言が多いだけでなく、サダム・フセインが登場、地獄でヒトラーとガンジーが一緒に登場するなど、不謹慎な政治的なネタも遠慮なく描かれていました。
根強い支持を受ける同作には「日本じゃ考えられないほど下品で、躊躇ない政治ネタに圧倒された」「大人たちの暴走が笑えるけど怖い」「ウィノナ・ライダーの○○は一生忘れない」とさまざまなレビューがあがっていました。
■愛くるしいキャラなのにグロ、ゴア、エロ描写
●『メイドインアビス 深き魂の黎明』
R15指定の『劇場版「メイドインアビス」-深き魂の黎明-』ポスタービジュアル (C) つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会
日本の過激アニメ映画では、『メイドインアビス』(原作:つくしあきひと)の劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』は見過ごせません。
「人類最後の秘境」と呼ばれる巨大な縦穴「アビス」に挑む少年少女を描いたTVアニメシリーズが人気を博し、第1期の続編として2020年に劇場公開されたのが『深き魂の黎明』です。アニメシリーズに引き続き登場する、探窟家を志す少女のリコや人間そっくりなロボットのレグ、毛に覆われた元人間のナナチは子どものようなかわいらしい見た目で、初見であれば「痛々しいシーン」が続出する作品とは思わないでしょう。
過激なグロ、ゴア、エロ描写が特徴的で、たとえばアビスの下層に降りれば降りるほど「アビスの呪い」が強くなり、身体への負荷がかかるという設定によって、「全身の穴から血が噴き出す」「人の姿を保てなくなる」という描写が登場します。さらに、悪役のボンドルドが開発した「アビスの呪い」を肩代わりさせる装備「カートリッジ」の中身は、生きたまま解体された子供だったという衝撃的な事実も描かれます。
ちなみに、当初は「PG12」と告知されていたのですが、公開直前にレイティングがR15+に引き上げられました。X(旧、Twitter)の公式アカウントでは、「映画倫理機構さんから【R15+】のプレゼントをいただきました」「こちらが思っていたより、ずっと負荷がかかってしまったようです」とのコメントが出されています。
さらに、そのコメント直後に、原作者のつくし先生も自身のXで、レイティングが引き上げられた理由であるボンドルドに対して「おのれボンドルド!」と恨みをぶつけた投稿をしていました。
(LUIS FIELD)
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