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『バイオマン』シリーズ存続を揺るがす「失踪事件」に駆けつけた「ハリウッド俳優」とは

マグミクス / 2024年2月27日 21時10分

『バイオマン』シリーズ存続を揺るがす「失踪事件」に駆けつけた「ハリウッド俳優」とは

■放送当時、視聴者に裏事情を知らせないままだった

 スーパー戦隊シリーズの第8作『超電子バイオマン』の第10話では、イエローフォーがなぜか仮面を被ったまま殉職します。これには、イエローを演じた女優さんの謎の失踪が隠されていました。そして、急遽2代目イエローフォーに抜擢された田中澄子さんを応援するために、ゲスト出演したのは現在ハリウッドで活躍する真田広之さんです。

 初代イエローフォーの小泉ミカを演じた矢島由紀さんは、JAC(ジャパンアクションクラブ)に所属し、1983年『宇宙刑事シャリバン』のベル・ヘレン役を好演して、演技もアクションもできる女優として『バイオマン』での活躍が大いに期待されていました。

 ところが、矢島さんは撮影中に謎の失踪を遂げます。アフレコもしないまま行方が分からなくなったので、第7話から第10話までの声を『ONE PIECE』のルフィ役などで知られている、田中真弓さんが担当していました。現在でも、矢島さんの失踪の理由や近況は明らかにされていません。

 突然の失踪に慌てた東映の鈴木武幸プロデューサーとスタッフが苦肉の策で作ったのが、第10話「さよならイエロー」の殉職劇だったのです。そして、選んでいる時間はないので矢島さんが所属していたJACから、田中澄子さんが2代目イエローの矢吹ジュン役に抜擢されました。

 鈴木プロデューサーは化粧をしたことがない田中さんを山野愛子美容室に連れていき、メイクしたのちに撮った写真を関係各社に配ります。しかし、「これでは交代劇にならない」と感じた鈴木プロデューサーが、真田さんにゲスト出演をお願いしました。

 当時の真田さんは1983年『里見八犬伝』、1982年『伊賀忍法帖』などで主演しているJACのトップスターでした。また1984年には『彩り河』『麻雀放浪記』などアクション抜きの作品にも主演し、演技力も高く評価されるようになります。本来ならスーパー戦隊に出演することはないでしょうが、矢島さんの失踪により制作サイドに迷惑をかけたJACはオファーを断れなかったようです。

 実は田中さんは真田さんのファンで、JACのオーディションに応募したのも真田さんに会いたかったためだそうです。思わぬ抜擢で、田中さんは憧れの真田さんと共演を果たしました。

 真田さんは第13話「ジュンよ」で、ジュンの先輩であるオリンピック強化選手のキャプテン早瀬健役で登場します。ジュンはオリンピック出場を諦め、バイオマンになったのです。

 早瀬は練習に来ないジュンを責めますが、バイオマンであることは秘密のため、彼女は本当のことを言えないままでした。そして、新帝国ギアとの戦いで気絶したジュンの姿を見て、早瀬はジュンがバイオマンであることを察し、激励の矢を放って去ります。

 鈴木プロデューサーの著書『夢を追い続ける男』には、「感心したのは撮影現場に誰よりも早く来るのが真田さんで、そんなに早く来なくてもいいですよとこちらが恐縮するほど礼儀正しく、さすがJACのトップスターだと頭が下がる思いがしたものです」と記されていました。

 そんな仕事に対する真摯な姿勢もあり、今や真田さんはハリウッドに拠点を移して数々の映画やドラマに出演しています。最新作の『SHOGUN 将軍』では出演だけでなく、プロデューサーとしても参加しています。そんな『SHOGUN 将軍』は、本日2月27日よりディズニープラスで配信開始です。

(LUIS FIELD)

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