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フリーレンの中の人は元会社員 声優たちの前職が「ちょっと面白い」「特殊だな」

マグミクス / 2024年2月28日 16時50分

フリーレンの中の人は元会社員 声優たちの前職が「ちょっと面白い」「特殊だな」

■実は前職がある人気声優たち

 声優がデビューするまでの道のりといえば、養成所を経てオーディションによってアニメ業界に入ることが一般的といえるでしょう。しかし実際にはそのキャリアは千差万別であり、意外な職歴を持っている有名声優も少なくありません。

 たとえば『エヴァンゲリオン』葛城ミサト役や『美少女戦士セーラームーン』月野うさぎ役などで知られる三石琴乃さんは、デビュー前にアルバイトで生計を立てており、そこで「サンシャイン60」のエレベーターガールやスポーツクラブの受付といった仕事を体験しました。さらにその後20歳になると就職し、東京都庁の「環境保全局大気監視課」にて、光化学スモッグ注意報の放送などを担当したといいます。

 社会人として働きながら声優の勉強も続け、1989年にOVA『エースをねらえ! ファイナルステージ』の友代役で声優デビューを果たします。自身の代表作となるTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』の放送が始まったのは、それからおよそ2年と半年後のことでした。

 同じように社会人時代を経て夢を追いかけた声優としては、『SPY×FAMILY』アーニャ・フォージャー役や『葬送のフリーレン』フリーレン役などで知られる種崎敦美さんが挙げられます。

 種崎さんは『美少女戦士セーラームーン』の影響で幼い頃から声優という職業に興味を持ち、カセットテープに自分の声を吹き込むなどの遊びを行っていたそうです。ただ、高校卒業後は専門学校や養成所には行かず、まずは地元の大分県から上京して会社員生活をスタートさせました。そして堅実に資金を貯めてから養成所に入所し、本格的に声優の勉強を進めたといいます。

 その後本格的に声優としてブレイクしたのは2020年の頃であり、長い下積み期間があったことでも知られています。1月12日にYouTube上で公開された「日テレNEWS」のインタビュー動画では、そうした人生経験を踏まえた上で、夢を追う人に向けて「本当にやりたいことだったらいろんなものに惑わされずに信念大事に突き進んでいったら良いのではないか」というエールを送っていました。

※種崎さんの「崎」は、「大」ではなく「立」が正しい表記

■「ブルボン」就職から声優になるまでの紆余曲折

画像は、金田朋子さん演じるおしりかじり虫が描かれた「おしりかじり虫 かじり屋、本日開店!?」DVDパッケージ(アミューズソフトエンタテインメント)

 声優を夢見ながら社会人経験を積み重ねるのではなく、そもそも別の夢を目指していた……という人も存在します。たとえば『NARUTO -ナルト-』のはたけカカシ役や『夏目友人帳』ニャンコ先生役などを代表作に持つ井上和彦さんは、声優ではなくプロボウラーに憧れていたらしく、夢を叶えるためにボウリング場に就職したほどです。

 しかしそこで職場の人間関係がうまく行かず、半年で夢を断念し、当時は人と話すことすら苦手になってしまったそうです。そんな折、友人が声優を目指すという話を聞きつけ、「養成所に行けば人と話す訓練になるかも」という考えから一緒に入所試験を受け、見事合格を収めることになりました。

 1973年に放送された『マジンガーZ』の兵士役でアニメデビューを果たした井上さんですが、もし職場の人間関係がうまくいっていたら、あるいは友人が声優を目指していなければ……、「声優」井上和彦は存在していなかったかもしれません。

 また金田朋子さんは声優が天職だと思われるほど独特の声で知られていますが、実は紆余曲折を経ています。もともと大学では建築を学んでおり、その後自分には不向きだと考えて別の道へ進むことを選びます。そして「お菓子が好き」という理由で製菓会社「ブルボン」に入社し、新潟本社に配属されたのですが、新潟県の積雪が高くて自分の背が埋もれてしまうため……という一風変わった理由から、わずか数カ月で退職するのでした。

 退職後は高島屋のおもちゃ売り場で働いていましたが、その頃に姉から声優の養成所に通うことをすすめられたそうです。そして夜間レッスンに通いながら腕を磨き、現在のキャリアを築くに至るのでした。

 ちなみに金田さんは2017年に、「ブルボン」のCMソングを担当するという運命的な再会を果たしています。当時のブログには「前からお仕事できたら嬉しいなぁ~と思っていたブルボンさんとお仕事ご一緒できました!!」「めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しかったです」と喜びがつづられていました。

 声優業界は、最初から声優を夢見ながら追いかける人もいれば、成り行きでたどり着く人もいるようです。こうして見てみると、何がきっかけになるのか分からないものですね。

(ハララ書房)

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