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「スパロボの敵でしょ?」孤高の狙撃手「ジェノバM9」を知っているか アニメ登場50年

マグミクス / 2024年3月3日 6時10分

「スパロボの敵でしょ?」孤高の狙撃手「ジェノバM9」を知っているか アニメ登場50年

■自らのポリシーに殉じた機械獣「ジェノバM9」

 本日3月3日は、1974年にTVアニメ『マジンガーZ』(原作:永井豪とダイナミックプロ)第66話「姿なき殺し屋 ジェノバM9」が、フジテレビ系列にて放送された日です。タイトルにある「ジェノバM9」は敵役のロボット「機械獣」の名前で、その独特の設定はそれらのなかでも異彩を放っていました。

 このジェノバM9をはじめ、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズ(以下スパロボ)ではこれまで、何体もの機械獣が登場しゲームを彩ってきました。そうした、世代を越えて広く知られる機械獣たちを振り返ってみましょう。

 ジェノバM9といえば、狙撃能力に特化した機械獣でした。人間では目視できないほどの長距離の目標を、いともたやすく狙撃する能力を持っています。その有効射程距離は数十kmに及ぶでしょう。

 それよりも特徴的な点は、プライドが高く、自らのポリシーを曲げないその性格にあります。このため、指揮官である「あしゅら男爵」や「ブロッケン伯爵」の命令も聞かないことがあり、気に食わないと威嚇射撃をする有様でした。機械獣は基本的に自立思考型と見られますが、ジェノバM9は感情すら持ち合わせていると思えます。

 一度は目に見えぬ場所から、「マジンガーZ」のレーダーを破壊する見せ場を作りますが、再戦時には接近されたところを弾切れに追い込まれました。ここで万策尽き、己の敗北を悟ったジェノバM9は、自らの手でその頭を撃ち抜いて自決します。この最期には本作の主人公である兜甲児(かぶとこうじ)も哀悼の意を表し、手向けとして愛銃をその亡骸へと握らせました。

 こういったプロフィールを持つことからジェノバM9にはファンも少なくなく、そのなかには女性ファンも見られます。「スパロボ」シリーズには『第2次スーパーロボット大戦』から敵役で登場し、原作再現ともいえる長射程からの攻撃に苦戦したことを記憶している人も多いことでしょう。

 この射程距離は「ガンダム」シリーズのMS(モビルスーツ)に装備された「ファンネル」とほぼ同じくらいあり、機体によっては近づく前に攻撃を食らうという原作再現がなされていました。その後、多くの「スパロボ」でレギュラー的な立ち位置にいましたが、近年では出番が減少しています。

 ちなみに機械獣は、基本的に1話で倒され、毎週登場する「やられメカ」の元祖かもしれません。そしてこれ以降のロボットアニメで登場する、いわゆる「やられメカ」に、大きな影響を与えることになりました。そうしたやられメカの名前の多くが「○○獣」というのも、機械獣の影響でしょう。

 機械獣という名称は、機械でありながら獣の様な動きをすることから、本編中でそう名付けられています。それが後続作品で使われることで「巨大ロボなのに獣」という、不思議な組み合わせとなりました。

 この機械獣は前述の通り、毎週違ったタイプが登場し、時には2体、3体と出ることもあったので、100体を超える数が存在しています。そうした多数の機械獣のなかから、「スパロボ」シリーズに登場し広くその存在を知られるであろう、おなじみの人にはすっかりおなじみの機械獣を見ていきましょう。

■「やられメカ」って言うな! ゲームではボスを務めた機械獣も

エボリューショントイ「GRAND ACTION BIGSIZE MODEL」より、「ダブラスM2」(左)と「ガラダK7」 (C)永井豪/ダイナミック企画

 機械獣でもっともメジャーな存在といえば、「ガラダK7」と「ダブラスM2」の2体でしょうか。マジンガーZの最初の敵として、第1話と第2話に登場しています。原作者の永井豪先生の描いたマンガ版でも、同じく初戦の相手でした。

 機械獣の宿命で登場は一度だけだったものの、前期オープニングに登場していることから、「機械獣の顔」のような存在といえるでしょう。それゆえに立体化にも恵まれており、『マジンガーZ』の登場メカを多く手掛けるエボリューショントイが手掛けたもののほか、BANDAI SPIRITSが展開する合金玩具の看板ブランドである「超合金魂」にも、やられメカとしては異例のラインナップ入りを果たしています。

「スパロボ」シリーズでは、共に1作目の『スーパーロボット大戦』から登場しており、参戦回数も機械獣では最多を誇っていました。ちなみにガラダK7は、「スパロボ」シリーズの、記念すべき第1作の第1話におけるボスとしての登場です。

 超合金魂として発売されたといえば、本年5月に発売予定の「ラインX1」もそうでしょう。機械獣としては特殊な存在で、頭脳となる女性アンドロイドの「ローレライ」が合体することで真価を発揮します。考察すれば、後に登場する敵メカ「戦闘獣」と同じシステムだったといえるかもしれません。

 アニメでは珍しい、マンガ版が初出の機械獣で、そのストーリーもマンガ版とほぼ同一でした。ちなみにマンガ版では「ドナウα1」という名前でしたが、アニメ版では本家ローレライの伝説に合わせてライン川から名前を引用しています。

「スパロボ」においては、こちらも最初から登場していますが、印象的だったのはやはり『第二次スーパーロボット大戦』でしょうか。この時は「間接攻撃無効」という、特殊能力を持つ強敵として登場しています。この能力は「射程1」、すなわち隣接した位置からの攻撃以外はダメージを受けないというものでした。

 強敵機械獣といえば、筆者がアニメ版でもっとも強いと思っているのが「スパルタンK5」です。その戦闘力はマジンガーZと互角以上で、あと一歩のところまで追い詰めました。

 しかし、基本的に自衛以外では戦わない性格で、業を煮やした「Dr.ヘル」は爆弾を仕掛けて処刑しようとします。ところが偶然に聞いた太鼓の音に闘争本能を呼び覚まされました。こうしてマジンガーZを窮地に追い詰めますが、その途中で爆弾が爆発して最期を迎えます。

 その強さからか、登場した「スパロボ」での性能は、機械獣のなかでもっとも高いことが多くなっていました。とはいえほかの機械獣と同じく量産された機体扱いですから、中ボスキャラとしての登場はありません。

 このほかにも「スパロボ」に登場している機械獣といえば、後期オープニングにて最初に登場する「アブドラU6」、水中用ということでマップによっては強敵の「グロッサムX2」、TVアニメでは登場しなかったものの、マンガ版と劇場版『マジンガーZ対デビルマン』での見せ場が有名な「トロスD7」などが常連組でしょうか。

 逆にアニメ版では印象的だったのに、いまだに「スパロボ」未登場の機械獣として、三つ首を持つ空飛ぶ機械獣「ゲルベロスJ3」、サンタクロースの意匠を持った「サタングロースP10」、マジンガーZの倍以上ある大型機械獣の「ジャイアンF3」、頭が連発式のミサイルになっている劇場版登場の「ヘッドホークM3」などが挙げられます。

 やられメカゆえに異なったデザインで毎週登場して、作品を盛り上げてくれた機械獣たち。『マジンガーZ』の陰の主役といってもいいほどの存在でした。その偉業を次世代にも知ってもらうためにも、今後も「スパロボ」シリーズで活躍してほしいと思います。

(加々美利治)

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