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『FF7』エアリスの物語に続きがあった? 後日談小説で描かれていた「その後」

マグミクス / 2024年2月28日 17時55分

『FF7』エアリスの物語に続きがあった? 後日談小説で描かれていた「その後」

■後日談小説が綴る、ひとりの少女の戦い

 2024年を代表する作品のひとつとして注目を集める『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7 リバース)の発売が、いよいよ目前へと迫りました。

 3部作で再構成するこのリメイクシリーズは、原作『ファイナルファンタジーVII』(以下、FF7)の物語を踏襲しつつも、前作の段階から明らかに異なるセリフや展開などが一部にあり、「『FF7 リバース』ではさらに大きな変化を迎えるのでは?」と予想する声が絶えません。

 特に関心が寄せられているのは、『FF7 リバース』の最終盤で描かれるであろう「忘らるる都」での展開です。原作でもかなり話題となったあのシーンが、『FF7 リバース』で忠実に再現されるのか、それとも大きく変化するのか。その答えはまだ、関係者以外誰も知りません。しかしユーザーの一部は、「「忘らるる都」での結末が変わると、及ぼす影響が大き過ぎる」と考え、原作のままだろうと予想しています。

「忘らるる都」での出来事が、『FF7』世界全体にどんな展開をもたらしたのか。その一端を紐解く手がかりが、後日談を描いた野島一成氏の小説『On the Way to a Smile』に記されています。そこには、原作のゲームを遊ぶだけでは分からなかった、ライフストリームに関わる新たな物語の断片がありました。

 あの衝撃的な展開の結末が、リメイクシリーズで変わるのか否か。『On the Way to a Smile』で描かれたライフストリームの物語が、そのヒントとなるかもしれません。

 なお、ここから先は、「忘らるる都」の結末を含めた『FF7』のネタバレを含みます。また、それが『FF7 リバース』のネタバレに直結する可能性もあるため、『FF7』経験者やネタバレを気にしない人以外は、この先の閲覧をご遠慮下さい。

●「忘らるる都」で起きた、忘れえぬ悲劇
 まずは、「忘らるる都」で起きた出来事を簡単に振り返りましょう。セフィロスの暗躍により、この星の危機──「メテオ」による破壊が近づきつつあるなか、エアリスはメテオを防ぐ「ホーリー」を発動させるべく、単身で「忘らるる都」に足を運びます。

 そしてクラウドが駆けつけたその瞬間、エアリスが殺害され、その命が無慈悲にも散らされてしまいます。あまりにも容赦なく、そしてあっけないエアリスの幕切れに、言葉を失ったプレイヤーも多いはず。

 この悲劇を覆す手段はないかと、多くのユーザーがゲーム内を駆け巡り、「水中呼吸のマテリアがあれば、エアリスが生き返る!」といったデマも流れたほど。しかし、エアリスの死は助ける術も回避する道もない、不可避の悲劇でした。

 その後、エアリスが死の直前まで願っていたホーリーの発動自体は成功していたものの、セフィロスの妨害によって阻まれていたことが分かります。クラウドたちの尽力でようやく発動したものの、それはメテオ落下直前というタイミングで、ホーリーは十分な効果を発揮できません。

 万事休すかと思われたその瞬間、膨大なライフストリームがメテオを包み込み、星の破局は寸前で回避されました。

「忘らるる都」で迎えた、エアリスの死という結末。その悲劇を回避したいという想いは、今も多くのユーザーの胸に刻まれています。

●エアリスは、あの運命を回避できないのか……!?
 悲劇の回避を望む者もいれば、「エアリスの死があってこその『FF7』」と考える人もいます。

「あの衝撃的な展開があるからこそ、『FF7』の物語が成り立つというストーリー面の完成度を理由に挙げたり、ゲームというインタラクティブな体験を重視したりする視点など、その方向性はさまざまですが、いずれも一理あるのは確かです。

 また『FF7』世界の物語は、他の作品とも密接に関係しています。特に、エアリスが命を落とした影響は、本編のみならず、後日談の『ファイナルファンタジー7 アドベントチルドレン』(以下、FF7 AC)にも大きく作用しており、その関連性から「エアリスの死は避けられない」と考える向きもあります。

 果たして「エアリスの死」が、彼女が亡くなった後にどのような影響を及ぼしたのか。その断片を、『On the Way to a Smile』から拾い上げましょう。

■後日談小説が明かす、「その後」のエアリス

『FF7』のみならず『FF7 リメイク』『FF7 リバース』のシナリオも手がけている、野島一成氏による小説「On the Way to a Smile」

●『On the Way to a Smile』に記された、セフィロスとエアリスの物語
『On the Way to a Smile』は、『FF7』から『FF7 AC』に繋がる2年間を描いた小説です。そのなかには、クラウドとティファがスラムで過ごした日々や、答えを求めて放浪するバレットの旅路など、お馴染みの面々がそれぞれの足跡を刻んでいます。

 そうした話の合間に、「ライフストリーム ブラック/ホワイト」と題した物語が短いながらも3編ずつ挟まっており、ライフストリームにいる、とある男女の想いや行動が記されていました。

 明確な人名は書かれていませんが、ライフストリームに埋もれず自らの存在を堅持し、その力を利用して再び地上に影響を及ぼそうとする野心と行動力は、明確にセフィロスを連想させます。また女性の方も、クラウドと面識がある古代種と明言されており、こちらもエアリスと見て間違いないでしょう。

 ふたりとも、人としての命は失ったものの、それぞれの理由から星の一部にはならず、ライフストリームのなかで自我を保っていました。つまり、エアリスが死んだことに変わりはないものの、魂とでも呼ぶべき本質は、ライフストリームのなかで存在していたのです。

 おそらくそうだろうと考えていた人は多いと思いますが、文字で明言されると重みが増します。またエアリスは、ただ存在していただけではありませんでした。

●死してもなお、エアリスで在り続けた彼女
 セフィロスは、ライフストリームに飲み込まれることを敗北と感じており、自身を保つ術を見つけ、肉体を得て地上に現れようと画策し、まずはしもべたちを作り上げました。その行動が後の『FF7 AC』に繋がっていることは、『FF7 AC』を視聴済みの人ならピンと来ることでしょう。

 一方エアリスは、セフィロスの企てを感じ取り、自分に出来ることを考えます。憎しみに染まったまま、ライフストリームに溶け込めない精神を解放したり、そこで見つけた知人たちに協力を求めて助力を得るなど、その活動は死してもなお一途で前向きでした。

 しかし、エアリスの行動をもってしてもなお、ライフストリームに広がる憎しみは減りません。この状況を打開するには、地上の憎しみを減らすしかない。そのために、クラウドの力を借りたい──と考えるのと同時に、それでクラウドが傷ついてしまうのではと危惧します。こうした思いやりも、なんら変わらずエアリスと共にありました。

 こうした彼女の働きは、おそらく『FF7』終盤のライフストリームにおける救済にも影響を及ぼしたのでしょう。

 そして彼女は、セフィロスと同じように、自分とは別の存在を使えないだろうかとも思案しますが、その考えはすぐに改めました。もし可能だとしても、クラウドが知っているわたしのままで会いたい。その想いで、『On the Way to a Smile』における彼女の物語は締めくくられています。

* * *

「忘らるる都」で命を落とした後も、ライフストリームのなかで自我を保ったエアリスは、本編のみならずその後の2年間や『FF7 AC』でも、クラウドを想いながら懸命に戦い続けていました。そうした彼女の歩みの一部が、『On the Way to a Smile』に短いながらも克明に刻まれています。

 エアリスの行動と影響の大きさを思えば、「『FF7 リバース』の「忘らるる都」でも同じ結末を辿(たど)るほかない」と考える人がいるのも当然でしょう。ですが、1作目『FF7 リメイク』の時点で、このような「未来」の出来事を、エアリスがすでに知っているかのような描写がいくつか見られます。

 そうした変化が、「忘らるる都」の結末やその先の展開に、ただならぬ影響を及ぼすかもしれません。また、『On the Way to a Smile』はあくまで『FF7』の後日談なので、リメイクシリーズの物語と繋がらない可能性も十分あります。

 リメイクシリーズの展開や結末がどうなるのか。まずは、2月29日に発売される『FF7 リバース』で、「忘らるる都」の結末を見届けましょう。

(臥待)

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