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「殺されてからも屈辱的」「意図せぬ悲劇」 気の毒な「NTR」展開が起きた作品3選

マグミクス / 2024年3月2日 21時10分

「殺されてからも屈辱的」「意図せぬ悲劇」 気の毒な「NTR」展開が起きた作品3選

■主人公らしからぬ「2度」の寝取り?

 特に恋愛がメインではなく、少年マンガや全年齢向けのアニメでも、たまに誰かのパートナーが別の人物に奪われる「NTR(寝取られ)」展開が発生することがあります。今回は、特にそんなNTRシーンが話題になった作品を振り返りましょう。

●『機動戦士ガンダムSEED』

『機動戦士ガンダムSEED』は、2002年から2003年に放送された全50話のTVアニメです。作中では、同作の主人公であるキラ・ヤマトが2度も友人の恋人を奪っています。

 ひとり目の女性であるフレイ・アルスターは、キラの友人・サイ・アーガイルの婚約者でした。彼女は父をザフト軍の襲撃によって亡くしており、復讐のためにザフト軍と同じコーディネイター(遺伝子操作で生まれた高能力の人間)のキラに近付きます。

 フレイの魂胆は望まぬ戦いによって精神を病むキラを献身的に支え、戦地へ何度も行かせるという苦しみを味合わせることです。そんな思惑も知らず、キラはフレイに心奪われ、サイを差し置いて男女の仲となってしまいました。

 ふたり目の女性は、ラクス・クラインです。本作のヒロインのひとりでもある彼女は、もともとキラの幼馴染のアスラン・ザラの許嫁でした。物語の中盤以降、重症のキラをラクスが看病するなど、徐々に心を通わせていき、最終的に相思相愛となります。

 キラのNTR展開にネット上では「キラの気持ちも分かるけどサイやアスランが不憫」「最強の主人公なら、なにしてもいいのかな(笑)」といった声があがっており、彼の女性関係だけはいただけない人もいるようです。

●『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』

 1994年から1999年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載されたマンガ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(原作:和月伸宏)には、主人公の緋村剣心の悲しき「NTR展開」が存在しました。

 コミックス第18巻から第28巻にあたる「人誅編」では、過去編として幕末で「人斬り抜刀斎」と呼ばれていた頃の剣心が描かれています。剣心はある日、要人暗殺のため、その標的と付き人をしていた幕府側の武士、清里明良(きよさと あきら)を襲撃し殺害するも、抵抗する彼から顔に消えない傷を付けられました。

 そして、剣心に殺された明良と祝言を挙げる予定だった雪代巴(ゆきしろ ともえ)は、仇討ちのため彼に近付きます。最初は幕府側のスパイとして送り込まれた彼女でしたが、剣心の優しさに触れ、ふたりは結ばれました。

 そして幕府を裏切るかたちになってしまった巴は、その後に剣心を罠にはめるための餌として、幕府側に利用されます。ふたりは必死で幕府に立ち向かうものの、最終的に剣心は巴を意図せず斬り、彼女を死なせてしまうのでした。最期に巴から刀で頬を斬られ、明良の分とふたつの傷が重なり十字傷となったのです。

 ネット上では「そもそも明良を殺さなければ全員ハッピーだった」「巴の最期はみてられなかった」「意図せぬNTRはつらい」といった声が見受けられ、悲しい展開に目を背けたくなった人も多かったようです。

■殺され、心も奪われた悲劇のキャラ

●『グラップラー刃牙』

朱沢鋭一から命と妻を奪った勇次郎が表紙の『バキ 完全版』17巻(秋田書店)

『グラップラー刃牙』(原作:板垣恵介)は、1991年から「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載された「刃牙」シリーズ第1作目です。9巻から始まった過去編「幼年編」では、主人公の範馬刃牙(はんま ばき)の両親である父の範馬勇次郎(はんま ゆうじろう)と母の朱沢江珠(あけざわ えみ)との出会いが描かれます。それは、かなり衝撃的なNTRシーンでした。

 江珠は1977年の19歳の時、朱沢グループの総帥である朱沢鋭一(あけざわ えいいち)との結婚披露宴をバリ島で行っていました。そこへ江珠に目を付けた勇次郎が現れ、彼女の唇を奪います。さらに、鋭一に仕えていた格闘家も勇次郎にあっけなく倒され、鋭一は男としての圧倒的な差を見せつけられました。

 その夜、彼は部屋に忍び込んできた勇次郎に殺害されてしまいます。そして、江珠も鋭一の遺体があるにもかかわらず、その場で勇次郎を受け入れ、警察には勇次郎とは全く違う男の特徴を答えます。その後、朱沢グループは江珠が牛耳るようになり、その財力は戦闘狂の勇次郎を満足させるために刃牙を鍛える資金にも使われることとなりました。

 殺されて何もかも奪われた鋭一に関して、読者のなかでは「マンガ史上一番かわいそう」「男としてのプライドがズタズタ」「何も残せず死んだ」「イケメンで金持ちで優秀なのに、勇次郎の前では雄として全てが霞む」と、さすがに同情する声も少なくありませんでした。

(LUIS FIELD)

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