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最終回にモヤッ…後半の展開に賛否両論、オリジナルアニメ3選「どうしてこうなった」

マグミクス / 2024年3月8日 21時55分

最終回にモヤッ…後半の展開に賛否両論、オリジナルアニメ3選「どうしてこうなった」

■序盤は「名作!」といわれていたが?

 マンガやゲームなどの原作がない「オリジナルアニメ」は、先の展開が見えず、「面白いかそうでないか」は放送されるまで判断ができません。原作ファンに「ネタバレ」をされてしまう危険もなく、「いったいどんな展開が待っているのか」を純粋に楽しみにできる良さがあります。

 ところが、序盤は高い評価を得ていたにもかかわらず、物語が進んで「うん?」となるオリジナルアニメは少なくありません。最終回放送後、「いいアニメだった」と絶賛する声と、「後半、なんでこうなった?」と首をかしげる声の、賛否両論があった作品を見ていきます。

●『正解するカド』

『正解するカド』は、SF作家である野崎まど氏(※崎の字は立つ崎)が脚本・シリーズ構成を手掛けた作品です。野崎氏は著作が「読む劇薬」と呼ばれる作家で、ストーリーも衝撃の強いものであるだろうと、放送前から話題になりました。

 海外出張のため、羽田空港で旅客機256便に乗っていた主人公「真道幸路朗(しんどう こうじろう)」と、部下の「花森瞬(はなもり しゅん)」は突然、謎の「立方体」に飲み込まれます。旅客機に乗っていた、真道と花森を含む252人が閉じ込められた状態になってしまいます。

 そして、立方体「カド」から、不思議ないで立ちの人物が姿を現します。「ヤハクィザシュニナ」と名乗る人物は、日本政府との直接交渉を望みます。日本代表の交渉役として送り込まれたのは、外務省の国際交渉官で若干24歳の「徭沙羅花(つかい さらか)」です。そして外務省の交渉官である真道が、「カド」側の交渉役となることを申し出ます。

 ヤハクィザシュニナは、自らを宇宙の外から来た「異方」であるといいます。ヤハクィザシュニナは、電力を無尽蔵に発生させる異方の物体「ワム」を日本政府に提供します。異方の物体は、世界中の国々の均衡を揺るがすものでした。ヤハクィザシュニナと分かり合おうとする真道、警戒する羅花、そして日本政府、世界の思惑が交錯します。

『正解するカド』はふたりの主人公、真道とヤハクィザシュニナや、周囲の人びと、「カド」や異方の物体をめぐる「日本政府」や「世界の国々」を描く、SF要素を含んだミステリー群像劇……かと思いきや、終盤、突如として思いもよらない展開を迎え、「違うアニメになった?」と視聴者は当惑。想像もできなかった展開に驚かされ、序盤の雰囲気が気に入って視聴した結果、「思ったのと違った」という感想を持った人が多かったようです。

●『星合の空』

『星合の空』 (C)赤根和樹・エイトビット/星合の空製作委員会

『星合の空』は、ソフトテニス部の男子中学生たちを描いたアニメです。廃部寸前の男子ソフトテニス部の部長で主人公のひとりである「新城柊真(しんじょう とうま)」は、幼なじみでもうひとりの主人公「桂木眞己(かつらぎ まき)」を部員に勧誘します。運動センスに優れる眞己は、ソフトテニスが未経験ながら、部員を指導するようになるほどの能力を発揮します。

 最初は眞己をうとましく思っていた部員たちも、徐々に心を開き、部活動にも熱心になっていきます。ソフトテニスをするキャラクターの作画はなめらかで美しく、少し世界観に影がありつつも「少年たちの爽やかなスポーツものアニメ」のような展開になると期待させられます。

 しかし、本作は「視聴者の想像と違う」ことがだんだんと分かってきます。眞己が入部を承諾したのは、柊真からソフトテニスの道具を譲ってもらうだけでなく、毎月金銭を受け取るという条件があったからでした。眞己の家庭には、深刻な問題があったのです。しかも、家庭に事情があるのは眞己だけではありませんでした。ソフトテニス部員の少年たちそれぞれが、深い闇を抱えていました。そして最終回、眞己はショッキングな行動に出ます。

 最終回にもかかわらず、「その後」が描かれないまま放送が終わりました。あまりに唐突な最終回に、視聴者は騒然となりました。しかし、本来は全24話であったところ、12話で終わらざるを得ない事情があったと、赤根和樹監督がX(旧:Twitter)で明かしています。

 監督は残り12話の放送を実現したいという思いがあると語っていますが、それを知らない人にとっては「わけが分からないまま、話の途中で終わったアニメ」と記憶することになってしまいました。放送の翌年、高校生になった眞己や柊真を描いたPV『星合の空 Special Fan Movie』が公開されています。

■前評判が良すぎた? 後半に「アレ?」となった「泣きアニメ」

『神様になった日』 (C)VISUAL ARTS / Key / 「神様になった日」Project

●『神様になった日』

『神様になった日』は、「泣きゲー」のブランドとして人気の高い「Key」のシナリオライターである麻枝准氏が原作・脚本を手掛けた作品です。アニメーション制作はP.A.WORKSで、シリーズ作『Angel Beats!』、『Charlotte』が「泣ける」と高評価であったため、3作目となる本作も放送前から期待されていました。

 夏休み、主人公の男子高校生「成神陽太(なるかみ ようた)」は、シスターのような衣装をまとった「佐藤ひな」に出会います。ひなは、「30日後に世界は終わる」と陽太に告げます。自分を「神・オーディンである」というひなは、未来予知ができ、人を逸脱した能力を持ちます。成神家に居候することになったひなは、夏休みの間、TVゲームで遊び、陽太を麻雀大会に送り込んで予知能力で圧勝させるなど、仲間たちとの賑やかな日々を送ります。

 しかし、世界が終わるという30日後にいったい何が起こるのか……毎話、本編のラストでは「世界の終わりまで、あと〇日」とカウントダウンされていきます。ひなが魅力的に描かれる本編との対比で、視聴者は不穏な気持ちを抱かされます。しかし、「きっと泣けるストーリーになる」と身構えていた人は、後半の展開に「あれ?」となります。

 切ないストーリーではあるのですが、「いまいち感動できなかった」という意見がネット上に散見されました。もちろん「やっぱり号泣させられた」という感想を持つ人もおり、評価が分かれた作品です。P.A.WORKSによるアニメ映像は美麗で、麻枝氏とやなぎなぎ氏によるOP・ED曲も高評価でした。

(マグミクス編集部)

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