機械の体で血と汗流すアニメ『レビウス』を、Netflixが送り出した理由とは
マグミクス / 2020年1月6日 19時10分
■Netflixが満を持して世界に放つアニメ『Levius-レビウス-』とは?
2019年11月28日(木)より、Netflixオリジナルアニメシリーズとして全世界同時配信されている『Levius-レビウス-』。原作は中田春彌氏の同名マンガ作品で、総監督に瀬下寛之氏、キャラクターデザインに森山佑樹氏など、アニメ『亜人』のメインスタッフが再集結し、映像化されました。
物語の舞台は、人体と機械を融合させてリング上で闘う究極の格闘技である「機関拳闘」が存在する世界。主人公は、その「機関拳闘」に没頭する少年・レビウス(CV:島崎信長)です。彼のトレーナーを務める、伯父のザックス(CV:諏訪部順一)、専属技師のビル(CV:櫻井孝宏)、ザックスの家の居候で、ザックスジム所属の機関拳闘士の少女ナタリア(CV:佐倉綾音)らとともに、機関拳闘士として徐々に才能を開花し、頭角を表していきます。
この作品の魅力はまず、本格アクションの「機関拳闘」シーンです。格闘技がテーマである本作では、アクションシーンが随所に見られます。人間離れした機関拳闘士たちの筋肉が動き、機械が作動する様子がこと細かに描かれています。
そして次に挙げられるのは、『Levius-レビウス-』が勧善懲悪の物語ではなく、機関拳闘士たちがそれぞれ葛藤や美学をもって機関拳闘に挑む闘技者であるということです。闘う理由があるもの同士が闘うというのは、やはり白熱し、美しく感じられます。
次の魅力は、「機関拳闘」という競技そのものです。ベースとなっているのはボクシングなのですが、闘技者たちは、体の一部を機械化し、超パワーで闘います。また、強力な機械化を施せば、その分圧倒的に有利になるというわけではなく、機械化が多いと、使用する蒸気を多く必要とし、動けなくなり、痛みもより強く感じてしまいます。闘技者の個性に合わせて機械化する部分や装甲など決めていくことになるのです。
また「機関拳闘」であることが、さらなる魅力を生み出しています。先ほど、「超パワーで闘う」と述べましたが、それゆえ、闘技者たちは命懸けです。格闘技やスポーツをテーマにした作品の多くは、主人公や主人公サイドが負けることがたびたびあります。「必ず勝てる」わけではないことこそが魅力となります。しかし、「機関拳闘」となると、死のリスクが高まり、絶妙な緊張感を生み出します。
そして、最後の魅力は、その世界観です。一見すると、舞台は近代ヨーロッパのような街並みですが、機械化した拳闘士たちの姿は高度なテクノロジーの賜物です。古びた街並みや、所々に見られる戦争跡などのディストピア感もあり、人びとの想像力をかき立てることでしょう。
『Levius-レビウス-』はコミックスからアニメ化された多くのメジャー作品と比べて、それほど有名ではないかもしれませんが、Netflixが満を持して世に送り出したのには理由があります。このアニメを見れば、それが分かることでしょう。
(C)中田春彌/集英社 ポリゴン・ピクチュアズ
(二木知宏)
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