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いとうかなこさん&Hassyさんが語る、ゲーム・アニメと「歌の力」【インタビュー前編】

マグミクス / 2020年1月8日 19時10分

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■バレーボールから音楽の道へ

――おふたりが音楽の道に進まれたのには、きっかけがあったのでしょうか?

いとうかなこさん(以下、敬称略) 中学校の頃まではバレーボール部で、本気で実業団を目指してたんです。高校はデザイン科に入ったんですが、そこが運動部への入部が許されてないところで……仕方なく、軽音部に入ったんですね。

Hassyさん(以下、敬称略) 私の場合は母が音楽好きで、オルガン教室に通わされてたんです。ところが、クビになっちゃいまして。

――クビに、ですか?

Hassy やんちゃだったんでしょうね(笑)。教えられた通りのコードで演奏するのがイヤだったのか、好き勝手に弾きまくってたら、先生から「他の生徒の迷惑にもなるから、もう来ないでくれ」と。

いとう 『のだめカンタービレ』みたい(笑)。

Hassy そう言ってもらえると救われますけど、いま思うとメチャクチャですよね。でも、教わったコードは不思議と覚えていて、曲作りの仕事にはとても活きているんです。

――いとうさんの場合は、軽音部でのご経験が、後の音楽活動につながっているのでしょうか。

いとう もちろんそれもありますけど、私は高校卒業後、1年だけ社会人を経験してから、誘われてバンド活動を始めたんです。いつの間にか、地元の栃木で5~6バンドのボーカルを掛け持ちするようになっていて、そこから東京に出てきて現在に至るって感じですね。

 当時はキャロル・キングとか世界的メガヒッツのカバーを中心に、ジャズのビッグバンドでボーカルをやったり、社交ダンス教室に招かれてダンスを見ながら歌ったりもしました。楽しかったですねえ。

Hassy 私も青春時代はバレーボールに夢中で、実業団を目指してたし、かなちゃんとは共通点多いよね。

いとう Hassyさんはエースアタッカーで、私は背が小さかったから、リベロとかセッターばかりだった。びょ~んって背が伸びたのは、バレーボールをやめてからなんです。

Hassy バレーボールも音楽もとにかく好きで、いつの間にか夢中になってた感じかなあ。

いとう Hassyさんとは20年以上の付き合いになるんですけど、実は出会う前に、歌を先に聴いてるんですよ。初めてニトロプラス作品の主題歌を担当することになった時、「こんな雰囲気の世界観です」と渡されて聴いたのが、『Phantom of Inferno』のHassyさんの歌だったんです。

■自分の歌が「届く」と感じる瞬間があった

Hassyさんのオリジナルアルバム「Hope」(H&M ENTERTAINMENT)

――おふたりがはじめて「歌の力」を実感された、忘れられない瞬間のようなものはありますか?

Hassy 中学1年生の頃、音楽の時間に、合唱の練習があったんです。先生の話そっちのけで隣の子とおしゃべりしてたら、こっぴどく叱られちゃいまして。

――やっぱり、やんちゃだったんですね(笑)。

Hassy そうかもしれません(笑)。罰として、課題曲の『翼をください』を、みんなの前でひとりで歌うことになったんです。歌い終えて、笑われるかもって思ったら、みんなが一斉に拍手をしてくれて……。その時ですね、「自分の歌が誰かの心に届くかもしれない」と、初めて思ったのは。

――いとうさんには、そういう瞬間はありましたか?

いとう 私はもともと内気で、バレーボールは得意だったけど、友達を作るのも苦手だったんです。それなのに、高校1年生の春の遠足の時、行きのバスの中で余興に歌を歌うことになってしまって……。

――何を歌われたんですか?

いとう レベッカの『フレンズ』を、思い切って。遠足の後に軽音部に入ったら、ガールズバンドを組むことになったメンバーが、バスの中で歌ったのを聴いてくれていて、ボーカルに推薦してくれたんです。「かなちゃんしかいないでしょ」って。その経験がなければ、人前で歌うようになるなんて、まずありえなかったでしょうね。

――まさしく、「歌の力」を実感されたわけですね。

いとう だって、歌うことで友達ができるんですよ! 自分が本当は人見知りじゃなくて、そう思い込んでただけだと、気付くこともできました。こんなに素敵なこと、他にないじゃないですか。

Hassy レベッカのようなJーPOPでも洋楽でも、好きな音楽やアーティストのことならずっと話し続けていられるし、音楽好きはそれをきっかけに友達になれるよね。

いとう Hassyさんの場合は、何と言ってもUKロックだよね。

Hassy 好きですねえ、UKロック! 好きすぎて、イギリスに行っちゃったくらい。

――音楽学校に留学されるような形ですか?

Hassy いえ、ただ行きたくて行ったっていうか、情熱に導かれるままといった感じです。でも、そのおかげで、向こうのミュージシャンとのセッションなど、貴重な経験がたくさんできました。とりわけ憧れているU2の出身がアイルランドですから、彼らが出演していた現地のライブハウスに、足を運んだりもしましたね。

■ひと晩で48曲歌う? 忘れられないライブ経験

いとうかなこさんのオリジナルアルバム「One's Rock」(5pb.Records)

――YOI*HARUを結成される以前にも、おふたりは本当にさまざまな音楽活動をされています。そのなかで、「これだけは忘れられない」というライブなどはありますか?

いとう 2008年に、「ニトロプラスとニトロプラスキラルの主題歌や挿入歌を全部歌う」というライブをやったんです。その時点で、全50曲ありました。そのうち2曲は紅白出場歌手の小野正利さんが歌われましたが、残る48曲は私が歌わせてもらったんです。途中で30分だけ休憩を入れた後はぶっ続けで。あれはやっぱり、忘れられないですね。

――50曲ぶっ続けとは……! 1曲の長さが5分強だとして、休憩時間を入れると、およそ5時間の計算になります。お体に障ったりはしなかったんでしょうか?

いとう バンドメンバーは、「かなこは途中で泣くだろう」と話してたみたいです(笑)。私は最後までノリノリで歌い切れて、本当に楽しかったんですけど、ベースアンプからは途中で煙が出ていたんだとか。

Hassy それはすごいね! 声帯が荒れたりしなかった?

いとう 私は特別に喉が強いわけじゃないんだけど、何とか平気だったみたい。水木一郎アニキ(1970年代から『マジンガーZ』『バビル2世』などをはじめ数多くのアニメ作品で主題歌・挿入歌を歌ってきた水木一郎氏:編集部注)は、ひと晩で1000曲を歌いきって、歌い終わりに花火を打ち上げてもらったそうだから、それに比べるとまだまだかな(笑)。

――Hassyさんはロックバンドで、かなり激しい曲を歌われています。これもまた、心身ともにハードだったのではないでしょうか?

Hassy 私はかなちゃんみたいに、ガールズバンドの経験がないんですよね。他のメンバーが、全員、男性だったりするでしょう? そうすると、ライブでやりたい曲が、レッド・ツェッペリンだったりディープ・パープルだったりジェネシスだったりするんです。
 
 こっちは女性ボーカルだっていうのに、遠慮や配慮は全くない(笑)。でも、いったんステージに立ったからには、やるしかないですよね。それに、やってる時は楽しいですから。

――これだけ経験を積まれたおふたりでも、ライブの前は緊張したりするのでしょうか?

いとう しますね。緊張のせいで、手が冷たくなったりします。

Hassy たとえ同じ曲目で同じ会場だとしても、ライブというのは、ひとつとして同じものはないんです。それに、ステージに立てば、持てる力を出し尽くす必要がある。会場の大きさや、お客さんの数に関わらずです。そのためにも、始まる前は、ある程度緊張しておいた方がいいんですよ。

●YOI*HARU
2000年初頭にニトロプラス社ゲームの主題歌を歌ったことがきっかけでHassyといとうかなこが出会い、2019年にヴォーカルユニット「YOI*HARU(よいはる)」として結成。ユニット名はふたりの愛犬からとったもの。愛する犬たちとともに歌う旅をする気持ちで、ふたりだからこそ歌える歌を作り、ロック魂にあふれ、かつ温かな音楽会を開くことを目指して活動している。

●YOI*HARU ライブ情報
日時:2020年2月29日(土)18:30開場、19:00開演
場所:高円寺Show boat(東京都杉並区高円寺北3-17-2)
出演:YOI*HARU / Quadrifoglio / こまいけんと
チケット:前売り2700円、当日 3300円 + Drink

【インタビュー後編】はこちら

(取材/構成:香椎 葉平)

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