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【漫画】指が欠損している娘に、先生「バトンの渡し方が違う」 母の気持ちとは?【作者インタビュー】

マグミクス / 2024年3月17日 21時5分

【漫画】指が欠損している娘に、先生「バトンの渡し方が違う」 母の気持ちとは?【作者インタビュー】

■リレー選手に選ばれて張り切っていた娘

 リレーの練習中に起きた出来事について描いたマンガ「リレー」が、Instagramで300以上のいいねを集めて話題となっています。

 生まれつき右手の指が欠損している娘。小学校の運動会でリレー選手に選ばれ、張り切っていたのですが、初めての練習のとき、先生から「バトンは右手で渡すんだぞ!」と注意されてしまいました。それを聞いて「きっと先生は手のことに気付いていないんだ」と思った母は、連絡帳にそのことを書いて伝えたのですが……。読者からは、「無事に解決して安心しました!」「似たような経験をしたことがあります」「先生も含めて、学んでくれたらいいですね」などの声があがっています。

 このマンガを投稿したのは、NPO法人Hand&Footの代表理事を務める、はんどあんどふっとさんです。春日たろうさんの作画で、娘の「りっちゃん」についてのマンガをInstagramで発表しています。はんどあんどふっとさんに、作品についてのお話を聞きました。

ーー娘さんは、走ることが得意なのですか?

 3年前、突然「足が速くなりたいから、陸上を習いたい」といい出しました。週に1度スクールに通ったり、春休みや夏休みなどの長期休暇には合宿に参加したりして、練習を続けています。最初は10秒台だった50mのタイムは、記録更新を重ねて、いまでは8.9秒になりました。娘は「9秒切ったよ!」と、とてもうれしそうです。

ーー左手でバトンを持って走った娘さんを見たとき、母としてどのような心境でしたか?

 右手指欠損のため、右手でバトンが持てないことをとても心配していました。リレーといえば、個々の足の速さはもちろん重要ですが、「バトンの受け渡しがスムーズにできるかどうか」も、チームとして重要なポイントだと思います。そんななかで、娘だけが左手でバトンを受け取り、左手で持って走り、また左手で次に走る子に渡します。「バトンを受ける子はやりにくくないだろうか、うまくいくのだろうか」と、ドキドキしていました。

 ただ、練習中からバトンを渡す子にきちんとお話をして、左手でバトンを受け渡す段取りも決めていたようなので、当日は「頑張れ~!」とひたすら応援していました。バトンの受け渡しがとてもスムーズだったことにも感心しましたが、なによりうれしかったのは、リレー選手の入場で、選手たちがぐるっと校庭を走って回るとき、娘が観客席の私を見つけて右手を大きく挙げ、こちらに手を振ってくれたことでした。

 5年生にもなると、お友達と手が違うことに落ち込んでいる日もあるのですが、隠さず自信を持ち、ニコニコした様子で手を振ってくれた姿を見て、娘の成長ぶりに涙が出ました。

ーー娘さんは次の運動会も、リレーに気合が入っていますか?

 運動会の選抜リレーは毎年気合が入っており、「絶対に選ばれる!」と張り切っています(笑)。

ーーその後、娘さんは「相手にちゃんと分かってもらえるよう、自分で説明できる」ようになってきましたか?

 なかなか難しいところがあるようで、先に自宅で相談してくることももちろん多いですが、小学校低学年の頃と比べると、しっかり自分で伝えられるようになってきたと感じます。

ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?

「無事に解決して安心しました」「似たような経験をしたことがあります」「先生含めて学んでくれたらいいですね」などのコメントをいただきました。特に、娘と同じような手で生まれた方からの共感コメントがとてもうれしかったです。

ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。

 娘は、「裂手(れっしゅ)症」と呼ばれる手の形で生まれてきました。右手の指は2本欠損していて、関節ひとつありません。この手の形は、約2万人にひとりの割合で生まれるといわれています。

 普段は日常生活で困ることもなく、楽しく学校生活を送っているのですが、指が短いため、リレーで使うバトンのような丸い棒状のものを持つことが苦手です。リレーの練習で、事情を知らない先生からバトンを右手で持つように注意されてしまい、落ち込んでいた娘でしたが、「きっとこうしたことは娘の人生でこれから何度もあるはず。そのときに自分で手のことを周囲に伝えられるようになってくれたらいいな」という願いを込めてマンガにしました。

 また、以前「手のことを、出会う前に少しでも知ってほしい」と伝えた発信に、「『いわなくても分かって。事前に知っておいて』というのは、おこがましいのでは?」というコメントをいただきました。その言葉がずっと残っていて「知ってもらうためには、子供自身が自分で説明できるようにしていかないとな」という思いを残したかったこともきっかけです。

(マグミクス編集部)

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